超ショートストーリー または、随筆など

いかめしホイホイ

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弱い人

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山田ナオは、現在、小学六年生でした。山田ナオは、おとなしく、暗い女の子でした。山田ナオは、人の目を見ることができない子でした。人の目が、こわくて見れない子だったのです。人と会話することが、こわくてできない子だったのです。
「山田さんは? きのうのドラマ見た?」
小学校で、昼休みの時間に、女子の四人グループの子たちが、話しかけてきました。どうやら、きのうあったテレビドラマで、話が盛り上がっているようでした。
「え? ……いいえ」
山田ナオは、顔をふせて、相手の目を見ないようにして、答えました。
「山田さんは、いつも、はいとか、いいえ、もしくは、ごめんなさいしか言わないよね」
「……ごめんなさい」
山田ナオは、学校でクラスメイトに話しかけられても、こんな感じで、きちんと会話ができませんでした。
山田ナオは、自分のことがきらいでした。でも、暗い自分が、きらいだったわけではありませんでした。
「山田さんって、いつも暗くて、気持ち悪いよね」
山田ナオは、クラスメイトが、そんな風に言っているように思い込んでいました。しかし、実際には、そんなことは、言われてませんでした。山田ナオは、ただ、ただ生きているのがこわかったために、そう言われているとかんちがいしていました。
「私は、ひきょうな人間だ」
山田ナオは、いつもそう思っていました。でも本当は、やさしい子でした。山田ナオは、自分が、やさしい人間だということには、気がついていませんでした。
「山田さん、今度の日曜日に、みんなでいっしょに遊ばない?」
「……私は、いい」
「いいって、どっち? 遊ぶってこと?」
「いえ、そうじゃなくて」
「遊ばないってことね」
「……はい」
四人グループの子たちは、少しだけ悲しそうな顔をしました。
「……ごめんなさい」
山田ナオは、顔をふせて、あやまりました。ちなみに山田ナオは、相手の顔を見ていなかったために、だれが遊びをさそってくれているのか、わかりませんでした。

そんな山田ナオも、昔は明るい子でした。山田ナオには、幼稚園のころから、小学四年生のころまで親友がいました。親友の名前は、岡アヤネと言いました。実は、山田ナオは、昔、明るく元気な子でした。そして、親友の岡アヤネは、おとなしい女の子でした。山田ナオは、いつも岡アヤネに、こんなことを言っていました。
「アヤネ、こまったことがあったら、何でも言ってね。アヤネが助けてほしい時は、かならず私が助けるからね。アヤネは、おとなしいし、せんさいだけど、私は強い女だから、アヤネのことを守ってあげるからね」
「ありがとう。ナオ、すごくうれしいよ」
岡アヤネは、山田ナオのその言葉に、とても感動していました。良い親友をもったことを幸せに思っていました。
しかし、小学六年生の現在、山田ナオと岡アヤネが、いっしょに行動することはありませんでした。

長井タツヤは、現在、小学六年生でした。長井タツヤは、学校に行っていませんでした。小学四年生の時から、登校拒否をしていました。
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