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大衆食堂奮闘記
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俺は憤りを感じていた。なぜならば、いつも行く大衆食堂で不祥事が発覚したからだ。どのような不祥事かというと、食品の偽装だ。かき揚げそばや、かき揚げうどんのかき揚げの中の具で使われている海老を、バナエイエビであるにもかかわらず、シバエビと偽っていたのだ。
なんと愚かな大衆食堂であろうか。バナエイエビよりもシバエビの方がイメージは、良いということで偽っていたのだ。俺は怒りに怒った。しかし、よくよく考えてみるとかき揚げそばや、かき揚げうどんを注文したことがない。実際に被害にはあっていないのだ。そんな俺に怒る権利は、あるのだろうか?
大衆食堂に苦情を言いたくても被害がない以上は、なにも言えないのでは?だが、苦情を言わなければ、この怒りは収まりそうもない。俺は何とかして苦情を言う、いいわけを探したが、そう簡単に見つかるわけではない。考えに考えて結局、出た結論は、店員がミスをするように誘導してミスを犯したら即、苦情を言うことだ。
我ながら良い作戦を思いついた。作戦は、こうだ。はじめに料理を注文するが、すぐ注文を変更する。そして、さらに注文を変更し、すぐまた注文を変更するのだ。注文の変更を注文の変更の上にかさね、さらに変更をかさねていく。変更をかさねにかさねた注文は混乱を引き起こし、最終的に店員は実際の注文が何だったのか、わからなくなるであろう。
その時の注文した料理が間違っていたら、苦情を言うのだ。大衆食堂で苦情を言う方法は、この方法が一番、適している。さっそく、俺は大衆食堂へ向かった。苦情を言うために。
大衆食堂に着いた。思っていたよりも今日は客が多い。意外と不祥事に対して世間は、おおらかなようだ。俺は、すぐに店員を呼んだ。
「かき揚げうどん下さい」
「かき揚げうどん一点ですね」
店員は笑顔で受け答えする。しかし今に見ていろ、お前はすぐ混乱に陥るのだ。
「やっぱり、牛丼にしてください。」
「牛丼、一点ですね」
「やっぱり、生姜焼き定食」
「生姜焼き定食、一点ですね」
「いや、やっぱりカツ丼が良いかな」
「カツ丼、一点ですね」
「やっぱりカレーライス」
「カレーライス、一点ですね」
「やっぱりかき揚げそば、いや、カレーうどんかな」
「カレーうどん、一点ですね」
「やはりハンバーグ定食」
「ハンバーグ定食、一点ですね」
このくらいにしておいてやろう、もうすでに店員は混乱しているはずだ。
「以上で、よろしいでしょうか?」
「はい、オッケーです」
俺は勝った気がした。店員は確実に間違えるに違いない。料理が来るまでに何と苦情を言うか考えておこう。やはり、怒鳴った方が良いであろうか。俺は色々な悪口を考えた。ああでもない、こうでもないと考えた。そして、ついに料理がきたのだ。待ちに待った間違いの料理が!
「カレーうどん、おまたせしました」
だが、俺は致命的なミスを犯していたのだ。
「俺は、いったい何を注文したのだ?」
自分自身が覚えていないのだ。色々な注文をして、色々な変更をして、注文の変更に変更をかさね、行き着いた先は自分自身が覚えていないのであった。
俺はカレーうどんを、おいしくいただき味の良さに満足して、おなか一杯になると苦情など、どうでもよくなった。
「おいしかったです。ごちそうさまでした」
そう言って店をあとにした。
店員は心の中で思った。
「違う料理を出したのに、あのお客さん気づかなかった」
なんと愚かな大衆食堂であろうか。バナエイエビよりもシバエビの方がイメージは、良いということで偽っていたのだ。俺は怒りに怒った。しかし、よくよく考えてみるとかき揚げそばや、かき揚げうどんを注文したことがない。実際に被害にはあっていないのだ。そんな俺に怒る権利は、あるのだろうか?
大衆食堂に苦情を言いたくても被害がない以上は、なにも言えないのでは?だが、苦情を言わなければ、この怒りは収まりそうもない。俺は何とかして苦情を言う、いいわけを探したが、そう簡単に見つかるわけではない。考えに考えて結局、出た結論は、店員がミスをするように誘導してミスを犯したら即、苦情を言うことだ。
我ながら良い作戦を思いついた。作戦は、こうだ。はじめに料理を注文するが、すぐ注文を変更する。そして、さらに注文を変更し、すぐまた注文を変更するのだ。注文の変更を注文の変更の上にかさね、さらに変更をかさねていく。変更をかさねにかさねた注文は混乱を引き起こし、最終的に店員は実際の注文が何だったのか、わからなくなるであろう。
その時の注文した料理が間違っていたら、苦情を言うのだ。大衆食堂で苦情を言う方法は、この方法が一番、適している。さっそく、俺は大衆食堂へ向かった。苦情を言うために。
大衆食堂に着いた。思っていたよりも今日は客が多い。意外と不祥事に対して世間は、おおらかなようだ。俺は、すぐに店員を呼んだ。
「かき揚げうどん下さい」
「かき揚げうどん一点ですね」
店員は笑顔で受け答えする。しかし今に見ていろ、お前はすぐ混乱に陥るのだ。
「やっぱり、牛丼にしてください。」
「牛丼、一点ですね」
「やっぱり、生姜焼き定食」
「生姜焼き定食、一点ですね」
「いや、やっぱりカツ丼が良いかな」
「カツ丼、一点ですね」
「やっぱりカレーライス」
「カレーライス、一点ですね」
「やっぱりかき揚げそば、いや、カレーうどんかな」
「カレーうどん、一点ですね」
「やはりハンバーグ定食」
「ハンバーグ定食、一点ですね」
このくらいにしておいてやろう、もうすでに店員は混乱しているはずだ。
「以上で、よろしいでしょうか?」
「はい、オッケーです」
俺は勝った気がした。店員は確実に間違えるに違いない。料理が来るまでに何と苦情を言うか考えておこう。やはり、怒鳴った方が良いであろうか。俺は色々な悪口を考えた。ああでもない、こうでもないと考えた。そして、ついに料理がきたのだ。待ちに待った間違いの料理が!
「カレーうどん、おまたせしました」
だが、俺は致命的なミスを犯していたのだ。
「俺は、いったい何を注文したのだ?」
自分自身が覚えていないのだ。色々な注文をして、色々な変更をして、注文の変更に変更をかさね、行き着いた先は自分自身が覚えていないのであった。
俺はカレーうどんを、おいしくいただき味の良さに満足して、おなか一杯になると苦情など、どうでもよくなった。
「おいしかったです。ごちそうさまでした」
そう言って店をあとにした。
店員は心の中で思った。
「違う料理を出したのに、あのお客さん気づかなかった」
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