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10.10虫とアカムシの議論
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10.10虫は言った。
「・・・だからね、すべての生命体は生きるべきだから生きるのだよ。けっして死ぬべきではないのだよ」
アカムシは言った。
「ですが先生、間違ってますわ。すべての生命体は生きるべきだから生きているんじゃありません。生きたいから生きるのですわ。」
10.10虫は言った。
「なるほど、面白い考え方だね。だが、生きることというのは、確実に宿命としか思えんのだが?生きることが宿命であるのならば、生きるべきだから生きるということは正しいはずだがね」
アカムシは言った。
「だから先生は、その前提こそが間違っているんですわ。生きることは宿命なんかじゃなく偶然の産物にすぎないんですわ。偶然に偶然がかさなって生命体が自然発生するんですから、生命体は生きたいから生きるんですわ」
10.10虫は言った。
「じゃあ、何かね?君は神の存在自体も否定しているのかね?この世に神は不在だとでも?」
アカムシは言った。
「当たり前じゃないですか!神なんて、どこにも存在しませんわ。現にあなたは神を見たことがないでしょう」
10.10虫は言った。
「いやいや、たしかに見たことはないが、君も存在を聞いたことはあるだろう?神の名前はニンゲンと言って、たまに我々を捕まえては死を与えるだとか・・・」
アカムシは言った。
「もちろん聞いたことぐらいありますわ。でも、ニンゲンなんて名前の神は、どこにも存在しませんわ。誰も見たことがないですし、そんな名前の神は、生きたいということを生きるべきと、考え違いをしている者たちの作り出した幻想なんですわ」
10.10虫は言った。
「・・・いやぁ、驚いたよ。まったく、わたしとは考え方が正反対のようだね。君のような考えの者とは、今まで一度だって出会ったことがなかった。生きたいから生きる。神は存在しない。驚くほど新鮮な考え方だよ」
アカムシは言った。
「でも先生、私たちオンナの中では、一般的な考えですわ。なにも特別な考え方じゃありませんわ」
10.10虫は言った。
「そうなのかい?いやぁ、また驚いたよ。そんな考え方がオンナの中では一般的だなんて。すると生きるべきだから生きるだとか、神は存在するなどと言った考え方はオトコばかりが主張していることとなるんだね。でも、驚きだ。オトコはなんてロマンチストなんだろうね」
アカムシは言った。
「あら、先生。オトコは昔からロマンチストで、オンナは昔から現実主義者じゃありませんか」
10.10虫は言った。
「たしかにその通りかもしれないね。でも、そうするとオトコは現実逃避して、オンナは現実に立ち向かっているようにも聞こえる」
アカムシは言った。
「ヤダ、先生。まさにその通りじゃないですか」
二人は笑みを浮かべ、別れた。互いに別々の道を行った。10.10虫は、やがて神に捕まってしまった。
アカムシは、そのことを知らない。10.10虫は体が比較的に大きく、神に見つかりやすかった。しかしアカムシは体が小さく、見つかりにくいのだ。
オトコとオンナの違いないではなく、種族の違いが考え方の違いであったわけである。
「・・・だからね、すべての生命体は生きるべきだから生きるのだよ。けっして死ぬべきではないのだよ」
アカムシは言った。
「ですが先生、間違ってますわ。すべての生命体は生きるべきだから生きているんじゃありません。生きたいから生きるのですわ。」
10.10虫は言った。
「なるほど、面白い考え方だね。だが、生きることというのは、確実に宿命としか思えんのだが?生きることが宿命であるのならば、生きるべきだから生きるということは正しいはずだがね」
アカムシは言った。
「だから先生は、その前提こそが間違っているんですわ。生きることは宿命なんかじゃなく偶然の産物にすぎないんですわ。偶然に偶然がかさなって生命体が自然発生するんですから、生命体は生きたいから生きるんですわ」
10.10虫は言った。
「じゃあ、何かね?君は神の存在自体も否定しているのかね?この世に神は不在だとでも?」
アカムシは言った。
「当たり前じゃないですか!神なんて、どこにも存在しませんわ。現にあなたは神を見たことがないでしょう」
10.10虫は言った。
「いやいや、たしかに見たことはないが、君も存在を聞いたことはあるだろう?神の名前はニンゲンと言って、たまに我々を捕まえては死を与えるだとか・・・」
アカムシは言った。
「もちろん聞いたことぐらいありますわ。でも、ニンゲンなんて名前の神は、どこにも存在しませんわ。誰も見たことがないですし、そんな名前の神は、生きたいということを生きるべきと、考え違いをしている者たちの作り出した幻想なんですわ」
10.10虫は言った。
「・・・いやぁ、驚いたよ。まったく、わたしとは考え方が正反対のようだね。君のような考えの者とは、今まで一度だって出会ったことがなかった。生きたいから生きる。神は存在しない。驚くほど新鮮な考え方だよ」
アカムシは言った。
「でも先生、私たちオンナの中では、一般的な考えですわ。なにも特別な考え方じゃありませんわ」
10.10虫は言った。
「そうなのかい?いやぁ、また驚いたよ。そんな考え方がオンナの中では一般的だなんて。すると生きるべきだから生きるだとか、神は存在するなどと言った考え方はオトコばかりが主張していることとなるんだね。でも、驚きだ。オトコはなんてロマンチストなんだろうね」
アカムシは言った。
「あら、先生。オトコは昔からロマンチストで、オンナは昔から現実主義者じゃありませんか」
10.10虫は言った。
「たしかにその通りかもしれないね。でも、そうするとオトコは現実逃避して、オンナは現実に立ち向かっているようにも聞こえる」
アカムシは言った。
「ヤダ、先生。まさにその通りじゃないですか」
二人は笑みを浮かべ、別れた。互いに別々の道を行った。10.10虫は、やがて神に捕まってしまった。
アカムシは、そのことを知らない。10.10虫は体が比較的に大きく、神に見つかりやすかった。しかしアカムシは体が小さく、見つかりにくいのだ。
オトコとオンナの違いないではなく、種族の違いが考え方の違いであったわけである。
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