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「おはよう…ユウト」
「お…はよ…ルーカス…」

朝の何気ない会話からギクシャクしてしまう…昨日まで仲間だと思ってたヤツから告られたんだ…戸惑わない方がおかしいだろ…まぁ嫌じゃない…嫌じゃなかったんだ…それもおかしい…。

「ユウト」

ポンポンと自分の膝を叩くルーカス。
膝の上に来いという意思表示だ。
戸惑いながらも乗ってしまうのは最早慣れという次元を超えているだろうな…

筋肉のついた鍛え上げられた太ももに厚い胸板…ちょっとごつい俺より大きめの手…
前ならなんとも思わなかったそれら全部が今ではドキドキの材料にしかならない。

「…な…なぁルーカス…?」
「ユウト…どうした?」

いい声が俺の名前を口にする…それだけでなんとも言えない気持ちが俺を襲う…んだよこれ…ほんとに…

「ル…ルーカスはさ?…俺のどこが好き?…」

……



って!!なんてこと聞いてんだ!!!俺!!!ばっかじゃねぇーの!???!

「あー!!待って今のな!…」
「可愛い…それに美人だ…程よく着いた筋肉も、少しカサついた声も、俺を見る瞳も、しっかり芯のある性格も…その全てが好きだ…あと…」
「も!もういい!!頼むやめてくれ…」
「ほら…そういう所だ…真っ赤になったユウトも愛らしい…ユウトは今、少しでも俺を意識してくれているのか?…それならもっと俺を意識してくれ…」

コイツこんなに饒舌だったかぁ~??!!
前まであんまり喋んなかったくせに!!俺に第1王子だってバレてからめちゃくちゃ饒舌になりやがって!!

「…ギルド…ギルド行こ…」
「分かった」

リオネルさんの件もあるだろうし…ルアリドが迷惑かけてるかもしれないし…

また背後にルーカス状態で、それでも前とは違う…手とかにぎにぎされながらギルドへ向かう。

「…あ…ルーカス様…ユウト様…おはようございます…」
「お!弟ちゃん達~いい所に来たねぇ~」
「リオネルさん!?なんでそんなに窶れてんの!?大丈夫か??」
「全部…全部ルアリドのせいです……う"…」
「「リオネル」さん!」

バタンと倒れてしまったリオネルさんをサラッと回収したルアリドが昨夜のことを教えてくれた。
簡単に言えばルアリドがリオネルさんに協力してスペジを何とかすることと、ルアリドの頭が良すぎて話はまとまったけどリオネルさんがパンクしちゃった事。
いや…いつの間にそんな仲良くなったんだ…??

「っと言う~訳で、俺らはスペジに行くけど…弟ちゃん達どーするよ?」
「どうするって…?」
「一緒…行く?」
「は…?」
「まぁ明日までに考えて~、俺はこの猫ちゃんを寝かせてあげなきゃだしねぇ…」

リオネルさんを横抱きして颯爽とギルドを去っていくルアリドを遠目に、俺はこれからの事を考えていた。
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