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第17話:小さな宴
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その夜、ラビクの里ではささやかながら、バジリオを讃える小さな宴が催された。
里中の人が集まり、誰かがバジリオに感謝を告げて去っていくと、すぐにまた別の誰かがやってくる。
何十人もの人からお礼を言われる中で疲れると思いきや、バジリオは全員に笑顔で挨拶を返していた。
「お疲れ様でした、バジリオ様」
感謝を伝えたい列が途切れたところで、キリカがねぎらいの言葉を掛けた。
「キリカもな。……しかしなんだ、感謝を伝えられるってのは、いくつになっても嬉しいものだな」
キリカはバジリオが疲れていると思い声を掛けたのだが、そんなことはなかった。
むしろバジリオは、里のみんなの行動に感謝し、ありがたいとすら思っていたのだ。
「……そんなバジリオ様だから、みんなも感謝を伝えたくなるんでしょうね」
「そんなって、どんな俺だ?」
「うふふ。そんなところもバジリオ様ということですね」
「んん~? よく分からんが、感謝を伝えられるんだから、いいことなんだろうな」
そう口にしたバジリオは、ぬるくなってしまった酒を一気に飲み干す。
そして、小さく息を吐きながら、ポツリと呟く。
「……ありがとう、キリカ」
「え?」
「何度伝えても、伝えたりない気がしてな。機構装具だよ」
キリカへお礼を伝えながら、バジリオは右手で左腕と右足を撫でる。
「キリカが会いに来てくれなかったら、俺は一生をあの山の中で過ごして、そのまま誰にも気づかれることなく、思い出されることもなく、孤独に死んでいったんだろうと思ってな」
「そんなことは!」
「あぁ、分かってるよ。……ポチャ村長の言葉を聞いたら、そんなことはなかったんだと分かったんだ」
英雄だった頃の自分が何を成してきたのか、左腕と右足を失ったままの自分では思い返すこともできなかっただろう。
だが、キリカが会いに来てくれて、機構装具という新たな左腕と右足を与えてくれたからこそ、目の前に広がる美しく、幸せに包まれた光景を目にすることができている。
「みんなが嬉しそうに笑って、歌って、飲んで食べて。昔の俺に声を掛けられるなら、お前の行動は無駄じゃなかったと。間違っていなかったんだと教えてやりたいよ」
「バジリオ様の行動に、無駄なことなんて一つもありません」
力強い言葉に、バジリオは視線を宴を楽しんでいた里のみんなから、隣に座るキリカに向ける。
「……私も、バジリオ様に助けられました。当時はまだ小さかったですが、魔獣に襲われそうになっていたところを助けてもらったんです」
「魔獣に……あ! もしかして、一人で古代遺跡に向かおうとしていた、お転婆娘か!」
当時のことを思い出したバジリオがそう口にすると、キリカは頬を膨らませながら答える。
「お転婆は余計です、バジリオ様」
「おっと! ……すまん」
「……うふふ。冗談です。実際、当時の私はお転婆でしたから」
キリカは楽しそうに笑うと、当時を思い出しながら語り始める。
「里のみんなを守るんだって、ちょっと大きな木の棒を持って行ったんですよね」
「そうだったのか? その木の棒って、確か折れていなかったか?」
「そんなところまで覚えていたんですね」
「あまりにも衝撃だったからな。既に魔獣に襲われた後だったんだな……間に合って良かったよ」
安堵の息を吐きながら、バジリオは苦笑する。
「あの時のお転婆娘が、こんなすごいものを作れるようになるだなんてな。……しかし、キリカはどうやってこれほどの技術を身につけたんだ?」
バジリオは単純な疑問から、そう聞いてみた。
するとキリカは表情を真剣なものに変え、口を開く。
里中の人が集まり、誰かがバジリオに感謝を告げて去っていくと、すぐにまた別の誰かがやってくる。
何十人もの人からお礼を言われる中で疲れると思いきや、バジリオは全員に笑顔で挨拶を返していた。
「お疲れ様でした、バジリオ様」
感謝を伝えたい列が途切れたところで、キリカがねぎらいの言葉を掛けた。
「キリカもな。……しかしなんだ、感謝を伝えられるってのは、いくつになっても嬉しいものだな」
キリカはバジリオが疲れていると思い声を掛けたのだが、そんなことはなかった。
むしろバジリオは、里のみんなの行動に感謝し、ありがたいとすら思っていたのだ。
「……そんなバジリオ様だから、みんなも感謝を伝えたくなるんでしょうね」
「そんなって、どんな俺だ?」
「うふふ。そんなところもバジリオ様ということですね」
「んん~? よく分からんが、感謝を伝えられるんだから、いいことなんだろうな」
そう口にしたバジリオは、ぬるくなってしまった酒を一気に飲み干す。
そして、小さく息を吐きながら、ポツリと呟く。
「……ありがとう、キリカ」
「え?」
「何度伝えても、伝えたりない気がしてな。機構装具だよ」
キリカへお礼を伝えながら、バジリオは右手で左腕と右足を撫でる。
「キリカが会いに来てくれなかったら、俺は一生をあの山の中で過ごして、そのまま誰にも気づかれることなく、思い出されることもなく、孤独に死んでいったんだろうと思ってな」
「そんなことは!」
「あぁ、分かってるよ。……ポチャ村長の言葉を聞いたら、そんなことはなかったんだと分かったんだ」
英雄だった頃の自分が何を成してきたのか、左腕と右足を失ったままの自分では思い返すこともできなかっただろう。
だが、キリカが会いに来てくれて、機構装具という新たな左腕と右足を与えてくれたからこそ、目の前に広がる美しく、幸せに包まれた光景を目にすることができている。
「みんなが嬉しそうに笑って、歌って、飲んで食べて。昔の俺に声を掛けられるなら、お前の行動は無駄じゃなかったと。間違っていなかったんだと教えてやりたいよ」
「バジリオ様の行動に、無駄なことなんて一つもありません」
力強い言葉に、バジリオは視線を宴を楽しんでいた里のみんなから、隣に座るキリカに向ける。
「……私も、バジリオ様に助けられました。当時はまだ小さかったですが、魔獣に襲われそうになっていたところを助けてもらったんです」
「魔獣に……あ! もしかして、一人で古代遺跡に向かおうとしていた、お転婆娘か!」
当時のことを思い出したバジリオがそう口にすると、キリカは頬を膨らませながら答える。
「お転婆は余計です、バジリオ様」
「おっと! ……すまん」
「……うふふ。冗談です。実際、当時の私はお転婆でしたから」
キリカは楽しそうに笑うと、当時を思い出しながら語り始める。
「里のみんなを守るんだって、ちょっと大きな木の棒を持って行ったんですよね」
「そうだったのか? その木の棒って、確か折れていなかったか?」
「そんなところまで覚えていたんですね」
「あまりにも衝撃だったからな。既に魔獣に襲われた後だったんだな……間に合って良かったよ」
安堵の息を吐きながら、バジリオは苦笑する。
「あの時のお転婆娘が、こんなすごいものを作れるようになるだなんてな。……しかし、キリカはどうやってこれほどの技術を身につけたんだ?」
バジリオは単純な疑問から、そう聞いてみた。
するとキリカは表情を真剣なものに変え、口を開く。
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