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第19話:旅立ちの朝
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◆◇◆◇
そして、翌朝。
「なんだと? キリカとハヅキも一緒に行くだって?」
早朝に目を覚ましたバジリオは、すぐに出発の準備を始めた。
だが、準備を初めてすぐに来訪者が現れた。
「宴での話を聞き、私がいなければならないと思ったので、ついて行くことにしました」
「な、なんでそうなったんだ?」
突然の決断に、バジリオは困惑顔で問い掛けた。
「バジリオ様は、英雄として活動されるのは、機構装具が壊れるまでと仰りました」
「あ、あぁ、言ったな」
「であるならば、機構装具が壊れても、私が直してしまえばいいのだと思ったのです」
実のところキリカは、バジリオの話を聞いた時点で同行することを決めていた。
だが、昨夜の時点ではまだまだ時間に猶予があり、先に行ってしまえばバジリオがこっそりとラビクの里を出て行ってしまうのではないかと考え、今になって伝えている。
「ま、まあ、俺としてはありがたい限りなんだが……ハヅキはどうして、俺について行こうと思っているんだ?」
一方でハヅキがついてくる理由に心当たりがなく、バジリオは彼女にも問い掛けた。
「単純な話です。バジリオ殿に師事すれば、私もまだまだ強くなれると思ったからです」
「師事って……俺がハヅキに教えられることなんて、なんもないぞ?」
「いいえ、あります。バジリオ殿の戦いを間近で見られるだけでも学びになりますし、英雄としての心構えも素晴らしいものがあります。それに――」
「ストップ! ……なんだかむず痒いから、止めてくれ」
全くの忖度なしな褒め言葉に慣れていないバジリオは、ハヅキの発言を途中で止めてしまう。
言い足りなかったハヅキだったが、バジリオに同行を断られたくなかったため、グッと言葉を呑み込んだ。
「……はぁ。俺からすれば、機構装具が壊れる前に整備もしてもらえるってことだろ?」
「はい」
「そんでもって、ハヅキも仲間として戦ってくれると?」
「その通りです」
「…………至れり尽くせりなんだが、本当にいいのか?」
「「もちろんです!」」
自分にしかメリットがないこの状況に、バジリオは本当に提案を受け入れて良いのかという想いに駆られてしまう。
するとそこへ、ポチャが現れる。
「二人を連れて行ってくれませんかな、バジリオ様」
「ポチャ村長……しかし、よろしいのですか? キリカの機構装具は、ラビクの里を守るうえでは欠かせないものになるかもしれません。それに、ハヅキの実力だって折り紙付きだ。間違いなく、里一番の剣士でしょう」
バジリオが懸念を口にすると、ポチャは微笑みながら首を横に振った。
「仰る通りかもしれませんが、二人はこの小さな里に収まっていいような人材ではありません。であるならば、バジリオ様のような大きな器をお持ちの方と共にいた方がいいと思ったのです」
「大きな器って……そんなんじゃないですよ、俺は」
ここでも褒められ慣れていないバジリオは、視線を逸らせながら否定する。
「ほほほほ。その者の器の評価は、本人が決めるものではありません。その周りにいる者たちが評価し、それらが一塊となり、広まっていくものです。バジリオ様の大きな器は、儂だけの評価ではありません。里の者たち、キリカとハヅキ様、皆がそのように思っているのですよ」
ポチャの言葉を受けて、バジリオも覚悟を決めた。
「……分かった。だが、あとで後悔しても知らんからな?」
「後悔だなんて、絶対にしません!」
「見て盗めるものは全て盗み、私も強くなってみせます!」
二人の決意を聞き、バジリオは苦笑する。そして――
「これからもよろしくな。キリカ、ハヅキ」
「「はい!」」
こうしてバジリオは、新たな英雄としての旅路を、キリカとハヅキ共に始めるのだった。
そして、翌朝。
「なんだと? キリカとハヅキも一緒に行くだって?」
早朝に目を覚ましたバジリオは、すぐに出発の準備を始めた。
だが、準備を初めてすぐに来訪者が現れた。
「宴での話を聞き、私がいなければならないと思ったので、ついて行くことにしました」
「な、なんでそうなったんだ?」
突然の決断に、バジリオは困惑顔で問い掛けた。
「バジリオ様は、英雄として活動されるのは、機構装具が壊れるまでと仰りました」
「あ、あぁ、言ったな」
「であるならば、機構装具が壊れても、私が直してしまえばいいのだと思ったのです」
実のところキリカは、バジリオの話を聞いた時点で同行することを決めていた。
だが、昨夜の時点ではまだまだ時間に猶予があり、先に行ってしまえばバジリオがこっそりとラビクの里を出て行ってしまうのではないかと考え、今になって伝えている。
「ま、まあ、俺としてはありがたい限りなんだが……ハヅキはどうして、俺について行こうと思っているんだ?」
一方でハヅキがついてくる理由に心当たりがなく、バジリオは彼女にも問い掛けた。
「単純な話です。バジリオ殿に師事すれば、私もまだまだ強くなれると思ったからです」
「師事って……俺がハヅキに教えられることなんて、なんもないぞ?」
「いいえ、あります。バジリオ殿の戦いを間近で見られるだけでも学びになりますし、英雄としての心構えも素晴らしいものがあります。それに――」
「ストップ! ……なんだかむず痒いから、止めてくれ」
全くの忖度なしな褒め言葉に慣れていないバジリオは、ハヅキの発言を途中で止めてしまう。
言い足りなかったハヅキだったが、バジリオに同行を断られたくなかったため、グッと言葉を呑み込んだ。
「……はぁ。俺からすれば、機構装具が壊れる前に整備もしてもらえるってことだろ?」
「はい」
「そんでもって、ハヅキも仲間として戦ってくれると?」
「その通りです」
「…………至れり尽くせりなんだが、本当にいいのか?」
「「もちろんです!」」
自分にしかメリットがないこの状況に、バジリオは本当に提案を受け入れて良いのかという想いに駆られてしまう。
するとそこへ、ポチャが現れる。
「二人を連れて行ってくれませんかな、バジリオ様」
「ポチャ村長……しかし、よろしいのですか? キリカの機構装具は、ラビクの里を守るうえでは欠かせないものになるかもしれません。それに、ハヅキの実力だって折り紙付きだ。間違いなく、里一番の剣士でしょう」
バジリオが懸念を口にすると、ポチャは微笑みながら首を横に振った。
「仰る通りかもしれませんが、二人はこの小さな里に収まっていいような人材ではありません。であるならば、バジリオ様のような大きな器をお持ちの方と共にいた方がいいと思ったのです」
「大きな器って……そんなんじゃないですよ、俺は」
ここでも褒められ慣れていないバジリオは、視線を逸らせながら否定する。
「ほほほほ。その者の器の評価は、本人が決めるものではありません。その周りにいる者たちが評価し、それらが一塊となり、広まっていくものです。バジリオ様の大きな器は、儂だけの評価ではありません。里の者たち、キリカとハヅキ様、皆がそのように思っているのですよ」
ポチャの言葉を受けて、バジリオも覚悟を決めた。
「……分かった。だが、あとで後悔しても知らんからな?」
「後悔だなんて、絶対にしません!」
「見て盗めるものは全て盗み、私も強くなってみせます!」
二人の決意を聞き、バジリオは苦笑する。そして――
「これからもよろしくな。キリカ、ハヅキ」
「「はい!」」
こうしてバジリオは、新たな英雄としての旅路を、キリカとハヅキ共に始めるのだった。
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