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第31話:誰を讃えるのか
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ハヅキがキリカやレディオを連れてヴァルジーナに戻ってくると、まずは救助作業が開始された。
というのも、ヴァルジーナの領民全員がポイゼルに操られていたため、多くの場所で人が倒れていたからだ。
人手があまりにも足りず、戦闘を終えたばかりのバジリオやハヅキも救助には手を貸した。
「すまないな、バジリオ」
「謝るな。お前の方こそ体調は万全じゃないだろう。大丈夫か?」
「問題ない。私の苦しみなど、民のことを思えばなんてことはないさ」
強い男だと、バジリオはレディオを見ながら思った。
こんな男だからこそ、信頼に値するとも同時に思う。
そして、どうして魔族がヴァルジーナを狙ったのかも、おのずと見えてきてしまう。
「……魔族は、お前を脅威に思ったのかもしれないな」
「私がか? まさか、そんなことはないだろう」
人族の中では強い部類に入るレディオも、英雄と比べれば天と地ほどの差が出てしまう。
それこそ、バジリオと共に戦場に並び立っていたものの、レディオからすれば必死について行っていたと言えるだろう。
バジリオがそう思っていたわけではないが、レディオ本人が感じていたことなのだから、間違いない。
「いいや、そうだ。ヴァルヴォーグ辺境伯領に、レディオあり。それだけで魔族はこの地を脅威に感じたはずだ」
一方でバジリオは、レディオに腕っぷしの強さ以上の、心の強さを感じていた。
「魔族にどこかの領土が奪われたとしても、ヴァルヴォーグ辺境伯領が無事なら、人族はやり直せる。そう感じている人族は、俺だけじゃないはずだぜ?」
「全く。買いかぶり過ぎだよ、お前は」
軽く肩を竦めたレディオは、この話は終わりだと言わんばかりに救助作業を再開させた。
「ったく。自己評価が低すぎるんだよ、お前は」
全く似たような言葉を口にしながら、バジリオも救助作業に戻る。
「あの二人は似た者同士なのですね」
「僕もそう思います」
「私から見てもそうなのですから、他の方々もきっと同じ思いなのでしょうね」
別のところで救助作業をしていたキリカ、ハヴィ、ハヅキが順に口を開く。
三人の視線の先にいるのは、バジリオとレディオだ。
「お互いにお互いを讃えているなんて、面白い関係ですよね」
「どちらもすごい、それでいいと思いますけどね」
どちらも間違いなく讃え合っている。
傍から見ればすぐに分かるものの、それを当人たちは気づいていない。
キリカがやや呆れ顔で口にすると、ハヅキも同意を示す。
「だからこそ、僕は父上もバジリオ様も、尊敬できるんですけどね」
二人の会話を聞きながら、ハヴィがそう口にした。
彼の言葉にはキリカとハヅキも頷き、再び視線をバジリオとレディオへ向ける。
「……ん? なんだ、どうしたんだー?」
「何かあったのか、ハヴィ?」
ここで三人の視線に気づいたバジリオが問い掛け、レディオも声を上げる。
「なんでもありませんよ、バジリオ様!」
「救助作業、頑張りましょうね、父上!」
そこにキリカとハヴィが即答すると、バジリオとレディオが手を振り返した。
誰が誰を讃えるのかは、それぞれが決めることだ。
その中でキリカ、ハヅキ、ハヴィは間違いなく、バジリオとレディオを讃えていた。
というのも、ヴァルジーナの領民全員がポイゼルに操られていたため、多くの場所で人が倒れていたからだ。
人手があまりにも足りず、戦闘を終えたばかりのバジリオやハヅキも救助には手を貸した。
「すまないな、バジリオ」
「謝るな。お前の方こそ体調は万全じゃないだろう。大丈夫か?」
「問題ない。私の苦しみなど、民のことを思えばなんてことはないさ」
強い男だと、バジリオはレディオを見ながら思った。
こんな男だからこそ、信頼に値するとも同時に思う。
そして、どうして魔族がヴァルジーナを狙ったのかも、おのずと見えてきてしまう。
「……魔族は、お前を脅威に思ったのかもしれないな」
「私がか? まさか、そんなことはないだろう」
人族の中では強い部類に入るレディオも、英雄と比べれば天と地ほどの差が出てしまう。
それこそ、バジリオと共に戦場に並び立っていたものの、レディオからすれば必死について行っていたと言えるだろう。
バジリオがそう思っていたわけではないが、レディオ本人が感じていたことなのだから、間違いない。
「いいや、そうだ。ヴァルヴォーグ辺境伯領に、レディオあり。それだけで魔族はこの地を脅威に感じたはずだ」
一方でバジリオは、レディオに腕っぷしの強さ以上の、心の強さを感じていた。
「魔族にどこかの領土が奪われたとしても、ヴァルヴォーグ辺境伯領が無事なら、人族はやり直せる。そう感じている人族は、俺だけじゃないはずだぜ?」
「全く。買いかぶり過ぎだよ、お前は」
軽く肩を竦めたレディオは、この話は終わりだと言わんばかりに救助作業を再開させた。
「ったく。自己評価が低すぎるんだよ、お前は」
全く似たような言葉を口にしながら、バジリオも救助作業に戻る。
「あの二人は似た者同士なのですね」
「僕もそう思います」
「私から見てもそうなのですから、他の方々もきっと同じ思いなのでしょうね」
別のところで救助作業をしていたキリカ、ハヴィ、ハヅキが順に口を開く。
三人の視線の先にいるのは、バジリオとレディオだ。
「お互いにお互いを讃えているなんて、面白い関係ですよね」
「どちらもすごい、それでいいと思いますけどね」
どちらも間違いなく讃え合っている。
傍から見ればすぐに分かるものの、それを当人たちは気づいていない。
キリカがやや呆れ顔で口にすると、ハヅキも同意を示す。
「だからこそ、僕は父上もバジリオ様も、尊敬できるんですけどね」
二人の会話を聞きながら、ハヴィがそう口にした。
彼の言葉にはキリカとハヅキも頷き、再び視線をバジリオとレディオへ向ける。
「……ん? なんだ、どうしたんだー?」
「何かあったのか、ハヴィ?」
ここで三人の視線に気づいたバジリオが問い掛け、レディオも声を上げる。
「なんでもありませんよ、バジリオ様!」
「救助作業、頑張りましょうね、父上!」
そこにキリカとハヴィが即答すると、バジリオとレディオが手を振り返した。
誰が誰を讃えるのかは、それぞれが決めることだ。
その中でキリカ、ハヅキ、ハヴィは間違いなく、バジリオとレディオを讃えていた。
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