17 / 56
第1章:異世界転生
リリアーナ
しおりを挟む
エルフの森って、絶対に普通に人間が入ったらダメな場所だよね! 森に住んでいるっぽいし、なんか隠れて住んでいるっぽい種族なのか?
「……アマカワだっけ? 怪しいわねぇ」
「えっと、怪しいとか言われても、本当のことなんだよね。目を覚ましたらここにいて、それで仕方なく生活をしていたんだ」
「生活って……ここ、普通の動物がいなかったんじゃない?」
「……普通の動物? でか兎やでか豚とかってこと?」
普通に狩って、普通に食べてたけど……も、もしかして、そっちも神聖な動物か何かだったのか!?
「ご、ごめんなさい! めっちゃ殺して、めっちゃ食べてました!」
「へっ? か、狩ってたの? あのでかくなった動物を?」
「……あの、よかった感じですか? っていうかでかくなったって、普通はでかくないの?」
「そりゃそうよ! あんなでかい動物ばっかりだったら、普通の人は怪我だけじゃすまないんだからね!」
……まあ、そりゃそうだ。
っていうか、めっちゃ特殊な森に転生させてやがったのか、マジで駄女神じゃねえかよ!
「嘘をついているようにも見えないし、それに……」
「……あ、あのー?」
いきなりじーっと見つめられると恥ずかしいですけど。
その、なんていうか、めっちゃかわいい女の子だし。
「あっ! ……ご、ごめん。えっと、人間にしては珍しくかわいい子だなーって、思っちゃって」
……こ、ここでまさかの魅力が火を吹いちゃったのね!?
「そ、そうなのか? 他の人を見たことがないから分からないんだよね。そういうリリアーナだって、えっと……かわいい、じゃないか」
「ふえっ! ……ま、まあ、エルフだからね! 私たち種族は見目麗しいって有名なんだから!」
えぇ、そうでしょうとも、エルフが美しいというのはどこの世界でも同じのようだ。
実際にリリアーナはとてもかわいいし美しい。
そんなリリアーナにかわいいって言ってもらえるんだから、俺の見た目はそうとうかわいくてプリティなんだろうな。
「それにしても、そんな神聖な森だってことは、俺は出て行った方が良さそうだな」
「そんなことは! ……ある、かも」
まあ、普通はそうだよな。というか、よく四日間も見つかることなく過ごせたと思うよ。
だが、そうなると問題が山積みだ。
「その、教えてくれたらありがたいんだが、ここから一番近い都市ってあるかな?」
「一番近いところだと、ゼルジュラーダって都市かな。私もそこを拠点にして冒険者をやっているからね」
「ゼルジュラーダ……それと、冒険者ってのには誰でもなれるのか?」
森で生活する分には自給自足ができたからなんとかなったが、都市で暮らすのなら稼げる仕事が必要になる。
せっかく異世界に来たのに元の世界でもありそうな職業に就くのはもったいないだろう。
「一応、試験はあるけど……アマカワなら問題ないと思うわね」
「そうなのか?」
「そりゃあ、オルトロスの首を一撃で切っちゃったんだからね」
「あれは俺の力というより、このナイフが凄いんだと思うんだよな」
「これって……ねえ、アマカワ。このナイフ、どこで見つけたの?」
な、なんだかいきなりリリアーナの表情がシリアスモードに。
このナイフ、まさかエルフの神聖な何かなのか?
「あ、あっち側の森の中に落ちてたんだ。ものすごく錆びてたんだけど、研いだら使えるようになったんで使ってたんだけど……もしかして、エルフに伝わる大事なナイフだったりするのか?」
「これ? ……あー、ごめん、そんなんじゃないのよ。ただ、私の鑑定スキルで鑑定できなかったから、いったい何だろうって思っただけなの」
「そうなのか?」
「えぇ、驚かせてしまってごめんね」
よ、よかったああああぁぁ! 初めての人間、それもエルフといきなり敵対関係になるとか、マジで嫌だからな!
「それにしても……アマカワ、ものすごく自由に生活してたのね」
リリアーナの視線を追うと、俺が作ったテーブルやイス、パラソルなどが設置されていた。
「……えっと、本当に、ここしか居場所がなかったもので」
「……まあ、いいわよ。それと、せっかくだしゼルジュラーダまでは私が案内してあげるわ」
「えっ! ほ、本当にいいのか!」
「ここで出会ったのも何かの縁だものね」
助かる~! マジで助かったよ!
「ついでに色々と教えてほしいことがあるんだけど、いいかな?」
「教えられることだったら構わないけど、ちなみにどう言ったことかしら?」
「えっと……基本的な常識について」
「……ごめん、何を言っているのかわけが分からないんだけど?」
そりゃそうだ。
基本的な常識って、この年齢で常識を知らないとか、マジでヤバい奴じゃないかよ。
これは、正直に説明した方がいいのか? だが、信じてくれるだろうか。ここでリリアーナが離れてしまうのはマジで勘弁なんだが……。
「……その、正直に言うと、俺は、別の世界からこっちの世界、グランザリウスにやって来た転生者なんだ」
さて、リリアーナの反応は、どうだろうか?
「……やっぱり、そうじゃないかと思ったわよ」
い、意外とすんなり信じてくれたよ!
「……アマカワだっけ? 怪しいわねぇ」
「えっと、怪しいとか言われても、本当のことなんだよね。目を覚ましたらここにいて、それで仕方なく生活をしていたんだ」
「生活って……ここ、普通の動物がいなかったんじゃない?」
「……普通の動物? でか兎やでか豚とかってこと?」
普通に狩って、普通に食べてたけど……も、もしかして、そっちも神聖な動物か何かだったのか!?
「ご、ごめんなさい! めっちゃ殺して、めっちゃ食べてました!」
「へっ? か、狩ってたの? あのでかくなった動物を?」
「……あの、よかった感じですか? っていうかでかくなったって、普通はでかくないの?」
「そりゃそうよ! あんなでかい動物ばっかりだったら、普通の人は怪我だけじゃすまないんだからね!」
……まあ、そりゃそうだ。
っていうか、めっちゃ特殊な森に転生させてやがったのか、マジで駄女神じゃねえかよ!
「嘘をついているようにも見えないし、それに……」
「……あ、あのー?」
いきなりじーっと見つめられると恥ずかしいですけど。
その、なんていうか、めっちゃかわいい女の子だし。
「あっ! ……ご、ごめん。えっと、人間にしては珍しくかわいい子だなーって、思っちゃって」
……こ、ここでまさかの魅力が火を吹いちゃったのね!?
「そ、そうなのか? 他の人を見たことがないから分からないんだよね。そういうリリアーナだって、えっと……かわいい、じゃないか」
「ふえっ! ……ま、まあ、エルフだからね! 私たち種族は見目麗しいって有名なんだから!」
えぇ、そうでしょうとも、エルフが美しいというのはどこの世界でも同じのようだ。
実際にリリアーナはとてもかわいいし美しい。
そんなリリアーナにかわいいって言ってもらえるんだから、俺の見た目はそうとうかわいくてプリティなんだろうな。
「それにしても、そんな神聖な森だってことは、俺は出て行った方が良さそうだな」
「そんなことは! ……ある、かも」
まあ、普通はそうだよな。というか、よく四日間も見つかることなく過ごせたと思うよ。
だが、そうなると問題が山積みだ。
「その、教えてくれたらありがたいんだが、ここから一番近い都市ってあるかな?」
「一番近いところだと、ゼルジュラーダって都市かな。私もそこを拠点にして冒険者をやっているからね」
「ゼルジュラーダ……それと、冒険者ってのには誰でもなれるのか?」
森で生活する分には自給自足ができたからなんとかなったが、都市で暮らすのなら稼げる仕事が必要になる。
せっかく異世界に来たのに元の世界でもありそうな職業に就くのはもったいないだろう。
「一応、試験はあるけど……アマカワなら問題ないと思うわね」
「そうなのか?」
「そりゃあ、オルトロスの首を一撃で切っちゃったんだからね」
「あれは俺の力というより、このナイフが凄いんだと思うんだよな」
「これって……ねえ、アマカワ。このナイフ、どこで見つけたの?」
な、なんだかいきなりリリアーナの表情がシリアスモードに。
このナイフ、まさかエルフの神聖な何かなのか?
「あ、あっち側の森の中に落ちてたんだ。ものすごく錆びてたんだけど、研いだら使えるようになったんで使ってたんだけど……もしかして、エルフに伝わる大事なナイフだったりするのか?」
「これ? ……あー、ごめん、そんなんじゃないのよ。ただ、私の鑑定スキルで鑑定できなかったから、いったい何だろうって思っただけなの」
「そうなのか?」
「えぇ、驚かせてしまってごめんね」
よ、よかったああああぁぁ! 初めての人間、それもエルフといきなり敵対関係になるとか、マジで嫌だからな!
「それにしても……アマカワ、ものすごく自由に生活してたのね」
リリアーナの視線を追うと、俺が作ったテーブルやイス、パラソルなどが設置されていた。
「……えっと、本当に、ここしか居場所がなかったもので」
「……まあ、いいわよ。それと、せっかくだしゼルジュラーダまでは私が案内してあげるわ」
「えっ! ほ、本当にいいのか!」
「ここで出会ったのも何かの縁だものね」
助かる~! マジで助かったよ!
「ついでに色々と教えてほしいことがあるんだけど、いいかな?」
「教えられることだったら構わないけど、ちなみにどう言ったことかしら?」
「えっと……基本的な常識について」
「……ごめん、何を言っているのかわけが分からないんだけど?」
そりゃそうだ。
基本的な常識って、この年齢で常識を知らないとか、マジでヤバい奴じゃないかよ。
これは、正直に説明した方がいいのか? だが、信じてくれるだろうか。ここでリリアーナが離れてしまうのはマジで勘弁なんだが……。
「……その、正直に言うと、俺は、別の世界からこっちの世界、グランザリウスにやって来た転生者なんだ」
さて、リリアーナの反応は、どうだろうか?
「……やっぱり、そうじゃないかと思ったわよ」
い、意外とすんなり信じてくれたよ!
1
あなたにおすすめの小説
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
攻撃魔法を使えないヒーラーの俺が、回復魔法で最強でした。 -俺は何度でも救うとそう決めた-【[完]】
水無月いい人(minazuki)
ファンタジー
【HOTランキング一位獲得作品】
【一次選考通過作品】
---
とある剣と魔法の世界で、
ある男女の間に赤ん坊が生まれた。
名をアスフィ・シーネット。
才能が無ければ魔法が使えない、そんな世界で彼は運良く魔法の才能を持って産まれた。
だが、使用できるのは攻撃魔法ではなく回復魔法のみだった。
攻撃魔法を一切使えない彼は、冒険者達からも距離を置かれていた。
彼は誓う、俺は回復魔法で最強になると。
---------
もし気に入っていただけたら、ブクマや評価、感想をいただけると大変励みになります!
#ヒラ俺
この度ついに完結しました。
1年以上書き続けた作品です。
途中迷走してました……。
今までありがとうございました!
---
追記:2025/09/20
再編、あるいは続編を書くか迷ってます。
もし気になる方は、
コメント頂けるとするかもしれないです。
『異世界ガチャでユニークスキル全部乗せ!? ポンコツ神と俺の無自覚最強スローライフ』
チャチャ
ファンタジー
> 仕事帰りにファンタジー小説を買った帰り道、不運にも事故死した38歳の男。
気がつくと、目の前には“ポンコツ”と噂される神様がいた——。
「君、うっかり死んじゃったから、異世界に転生させてあげるよ♪」
「スキル? ステータス? もちろんガチャで決めるから!」
最初はブチギレ寸前だったが、引いたスキルはなんと全部ユニーク!
本人は気づいていないが、【超幸運】の持ち主だった!
「冒険? 魔王? いや、俺は村でのんびり暮らしたいんだけど……」
そんな願いとは裏腹に、次々とトラブルに巻き込まれ、無自覚に“最強伝説”を打ち立てていく!
神様のミスで始まった異世界生活。目指すはスローライフ、されど周囲は大騒ぎ!
◆ガチャ転生×最強×スローライフ!
無自覚チートな元おっさんが、今日も異世界でのんびり無双中!
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
神様の忘れ物
mizuno sei
ファンタジー
仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。
わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
無尽蔵の魔力で世界を救います~現実世界からやって来た俺は神より魔力が多いらしい~
甲賀流
ファンタジー
なんの特徴もない高校生の高橋 春陽はある時、異世界への繋がるダンジョンに迷い込んだ。なんだ……空気中に星屑みたいなのがキラキラしてるけど?これが全て魔力だって?
そしてダンジョンを突破した先には広大な異世界があり、この世界全ての魔力を行使して神や魔族に挑んでいく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる