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第1章:異世界転生
話し合い
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とにかく、まずは二人に冷静になってもらう必要がある。
「……分かった。まずはこの場を離れよう」
「ちょっと、アマカワ! あなた、ドラゴンの話を信じるの!」
「……私は、本当に、殺してないのよ」
「信じる信じないじゃなくて、本当に殺してないのであれば、灰にされたであろう冒険者がどこかにいるはずだ」
レイチェルは攻撃をしたとは言っている。ならば、攻撃された冒険者も必ずいるだろう。
冒険者ギルドに駆け込んできた冒険者が、気が動転して見間違えた可能性だって捨てきれない。
俺は全ての可能性を確認してから判断しても遅くはないだろうと考えていた。
「……ありがとう、アマカワ、さん」
「お礼を言うのはまだ早いぞ。攻撃された冒険者が見つからなければ、レイチェルの言っていることが嘘だと判断するかもしれないしな」
「理解、しているわ。一度でも信じてもらえたことが、嬉しいの」
俺の言葉にレイチェルはそう口にしていた。
さて、それじゃあその冒険者を探す必要があるのだが、どうやって探すべきだろうか。
「攻撃はしたと言っていたが、どこかに吹き飛ばしたのか?」
「……あっちの、方に。そもそも私は、ブレスを人に、向けてない」
「そうなのか?」
「竜尾を振って、風を起こしただけ」
「まさか! ただの風をブレスと勘違いするわけないじゃないのよ!」
「落ち着け、リリアーナ」
リリアーナはいまだに興奮し、レイチェルの言葉を全く信じようとはしていない。
しかし、確かに風をブレスと勘違いするはずはないだろう。ただの風なら殺傷能力なんてないはずだしな。
「わ、私が竜尾を振ったのと同時に、火の魔法が放たれた。火の魔法は、風に煽られて勢いを増したけど、そのまま冒険者に戻っていったわ」
「ふむ、その火がブレスに見えてしまったということか」
「アマカワ! あなたはまだそんなことを──」
「あっちの方なんだな?」
「……信じて、くれるの?」
リリアーナの言葉を遮り俺が確認をすると、頷きながらもレイチェルは疑問の声を漏らす。
「今はな。さっきも言ったが、これで見つからなかったら俺はレイチェルを殺すかもしれない」
「……分かったわ」
「うん。リリアーナはここでレイチェルを見ていてくれ」
「……私は、アマカワが戻ってくる前に殺すかもしれないわよ?」
「その時はその時さ。でも、俺はリリアーナがそんな真似をしないことを信じているよ」
笑いながらそう伝えて、俺はレイチェルが示した北の方角へと向かった。
※※※※
あの二人を残してきたが大丈夫だっただろうか。まあ、今さら心配しても意味はないことなんだが。
さて、それじゃあ広大な森の中でたった一人の冒険者を探すのは大変なわけだが……今の俺にはそれほど大変というわけではない。狩人スキルの気配察知が結構広い範囲まで大きくなっているからだ。
相手が気配を隠蔽している場合などは近づかないと分からない場合もあるようだが……うん、今回は問題なく隠れいている冒険者を発見できた。
しかし、疑問がないわけではない。
「なんであんなところに隠れているんだ?」
冒険者がいるだろう場所はレイチェルが現れた場所から結構離れたところのようで、逃げようと思えば容易に逃げられた場所のはず。
わざわざ身を隠して動かないという選択を選ぶ方が危険を招き寄せているように思えるのだ。
「こいつは、何かよからぬことを考えている輩じゃないか? ……おっ、これは」
俺が気配を察知している人物の下に近づいていく別の気配を察知することができた。
こいつらは気配を隠していたのか最初は分からなかったが、あちらが俺に気づく前にこちらが気づけたようだ。
そして、ここで意外なスキルが役立ってくれた。
「まさか、隠蔽スキルで気配を隠蔽できるとは思わなかったな」
俺が察知できたのであれば、あちらが俺を察知することも可能だろう。だが、今の俺は隠蔽スキルで気配を隠蔽しているので普段にょりも気づきにくくなっている。
その効果は合流した三人の話し声が聞こえる場所まで近づいても気づかれることはなかった。
「お、おい、さっきの爆発はなんだったんだ?」
「俺がギルドに駆け込んだ時に上級冒険者がいやがったから、そいつの仕業だろう」
「上級冒険者? ……まさか、あのドラゴンがやられたのか? あいつでゼルジュラーダを滅ぼす算段だっただろう」
「そうなんだが、まあドラゴンは頑丈な個体だ。そう簡単に倒せるはずもねえよ。それに、上級冒険者とは言ったが一人しかいなかったしな」
……どうやら、レイチェルをゼルジュラーダに誘導してきたのはこいつらってことみたいだな。
鑑定スキルは……おぉ、見れるってことは、こいつらはそこまで強くないのかもしれないな。
レベルは……丸刈りが12、長髪が13、デブが16か。
あの肥満体系でレベルが一番高いってことは、あいつは魔法使いか何かか?
「……俺よりもレベルは高いが、何とかなるだろう」
俺は謎の自信を胸に秘め、茂みの中から飛び出した。
「……分かった。まずはこの場を離れよう」
「ちょっと、アマカワ! あなた、ドラゴンの話を信じるの!」
「……私は、本当に、殺してないのよ」
「信じる信じないじゃなくて、本当に殺してないのであれば、灰にされたであろう冒険者がどこかにいるはずだ」
レイチェルは攻撃をしたとは言っている。ならば、攻撃された冒険者も必ずいるだろう。
冒険者ギルドに駆け込んできた冒険者が、気が動転して見間違えた可能性だって捨てきれない。
俺は全ての可能性を確認してから判断しても遅くはないだろうと考えていた。
「……ありがとう、アマカワ、さん」
「お礼を言うのはまだ早いぞ。攻撃された冒険者が見つからなければ、レイチェルの言っていることが嘘だと判断するかもしれないしな」
「理解、しているわ。一度でも信じてもらえたことが、嬉しいの」
俺の言葉にレイチェルはそう口にしていた。
さて、それじゃあその冒険者を探す必要があるのだが、どうやって探すべきだろうか。
「攻撃はしたと言っていたが、どこかに吹き飛ばしたのか?」
「……あっちの、方に。そもそも私は、ブレスを人に、向けてない」
「そうなのか?」
「竜尾を振って、風を起こしただけ」
「まさか! ただの風をブレスと勘違いするわけないじゃないのよ!」
「落ち着け、リリアーナ」
リリアーナはいまだに興奮し、レイチェルの言葉を全く信じようとはしていない。
しかし、確かに風をブレスと勘違いするはずはないだろう。ただの風なら殺傷能力なんてないはずだしな。
「わ、私が竜尾を振ったのと同時に、火の魔法が放たれた。火の魔法は、風に煽られて勢いを増したけど、そのまま冒険者に戻っていったわ」
「ふむ、その火がブレスに見えてしまったということか」
「アマカワ! あなたはまだそんなことを──」
「あっちの方なんだな?」
「……信じて、くれるの?」
リリアーナの言葉を遮り俺が確認をすると、頷きながらもレイチェルは疑問の声を漏らす。
「今はな。さっきも言ったが、これで見つからなかったら俺はレイチェルを殺すかもしれない」
「……分かったわ」
「うん。リリアーナはここでレイチェルを見ていてくれ」
「……私は、アマカワが戻ってくる前に殺すかもしれないわよ?」
「その時はその時さ。でも、俺はリリアーナがそんな真似をしないことを信じているよ」
笑いながらそう伝えて、俺はレイチェルが示した北の方角へと向かった。
※※※※
あの二人を残してきたが大丈夫だっただろうか。まあ、今さら心配しても意味はないことなんだが。
さて、それじゃあ広大な森の中でたった一人の冒険者を探すのは大変なわけだが……今の俺にはそれほど大変というわけではない。狩人スキルの気配察知が結構広い範囲まで大きくなっているからだ。
相手が気配を隠蔽している場合などは近づかないと分からない場合もあるようだが……うん、今回は問題なく隠れいている冒険者を発見できた。
しかし、疑問がないわけではない。
「なんであんなところに隠れているんだ?」
冒険者がいるだろう場所はレイチェルが現れた場所から結構離れたところのようで、逃げようと思えば容易に逃げられた場所のはず。
わざわざ身を隠して動かないという選択を選ぶ方が危険を招き寄せているように思えるのだ。
「こいつは、何かよからぬことを考えている輩じゃないか? ……おっ、これは」
俺が気配を察知している人物の下に近づいていく別の気配を察知することができた。
こいつらは気配を隠していたのか最初は分からなかったが、あちらが俺に気づく前にこちらが気づけたようだ。
そして、ここで意外なスキルが役立ってくれた。
「まさか、隠蔽スキルで気配を隠蔽できるとは思わなかったな」
俺が察知できたのであれば、あちらが俺を察知することも可能だろう。だが、今の俺は隠蔽スキルで気配を隠蔽しているので普段にょりも気づきにくくなっている。
その効果は合流した三人の話し声が聞こえる場所まで近づいても気づかれることはなかった。
「お、おい、さっきの爆発はなんだったんだ?」
「俺がギルドに駆け込んだ時に上級冒険者がいやがったから、そいつの仕業だろう」
「上級冒険者? ……まさか、あのドラゴンがやられたのか? あいつでゼルジュラーダを滅ぼす算段だっただろう」
「そうなんだが、まあドラゴンは頑丈な個体だ。そう簡単に倒せるはずもねえよ。それに、上級冒険者とは言ったが一人しかいなかったしな」
……どうやら、レイチェルをゼルジュラーダに誘導してきたのはこいつらってことみたいだな。
鑑定スキルは……おぉ、見れるってことは、こいつらはそこまで強くないのかもしれないな。
レベルは……丸刈りが12、長髪が13、デブが16か。
あの肥満体系でレベルが一番高いってことは、あいつは魔法使いか何かか?
「……俺よりもレベルは高いが、何とかなるだろう」
俺は謎の自信を胸に秘め、茂みの中から飛び出した。
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