異世界では人並みに幸せになれますように

6(スクイズ視点)

「アムルダメだっ！来るなっ！」


「ふえっ！？」

ボチャァーーーン！！


「アムルッ！アムルーーー！！」

僕は急いでアムルの方に駆け寄ったんだけど！アムルが池の中に浮かんで動かなくなっている！
どうしよう！！どうしよう！！


「アムルッ！起きて！お願いだから！お願いだから！
　アムル！起きてっ！アムルッ！ウッ！！」

僕はアムルを池から引き出そうと力いっぱい出したんだけど、
アムルの洋服に水がふくんで重くなっていてなかなか引き出せ無い！


「アムルッ！お願いだから！えぐっう“っお願いー！！
　アァーーームゥーーールゥーーー！！！ぐっう“っ」


「スクイズ様！どうされたのですかっ！」


「メリー！アムルがっ！アムルがっ！」


「キャー！アムルリア様！！」


メリーとアリアが駆け付けてくれてアムルをいそで池から引き出してくれた。

「メリーッ！アムルはっ！？アムルはっ！？起き無いんだっ！アムル目を開けてくれないんだっ！
　ねぇ！メリー！アムルはっ！アムルはっ！えぐっっう“」


「スクイズ様！落ち着いて下さい！直ぐにお屋敷に運びましょう、
　アリアッ！スクイズ様をお願いしますね！」


「はいっ！メリーさん！」


直ぐにメリーはアムルを抱き上げて家に走って行ったんだ、
アムルごめんね、僕が意地悪したから、

「えぐっっう“っ！わああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーー」



「スクイズ様きっと大丈夫ですから、アムルリア様は大丈夫ですよ、
　さっ　スクイズ様もお屋敷に帰りましょう、ずぶ濡れではないですか、
　着替えないと風邪を引いてしまいますよ」


「えぐっっう“！うんっっ、、、えぐっう“！」


アムルごめんね、ごめんねっ、アムルっアムルっ僕が、僕が、、、


家に帰ると使用人達もバタバタと動き回っていて、僕はアリアにお風呂に連れて行かれたんだ。


僕も直ぐにアムルの部屋に行こうとしたんだけど、今は医者が来ていて診察中みたいでアムルに会えなかった。


僕は自分の部屋でずっと待っていたんだ、アリアがご飯を用意してくれたんだけど、僕はアムルの事を思うと食べられなかった、
アリアがお医者様が来ているので、アムルリア様は大丈夫ですよ、
もう遅いのでお休み下さいって言ってくれたけど、
僕のせいでアムルがって思うと、全然眠れなかった。



朝が来て父様が僕の部屋に来たんだ。

トントン
「スクイズ？起きているかい？入るよ」
ガチャ


「父様！父様！アムルはっ！？アムルはっ！？」
僕は部屋に入って来る父様にいてもたってもいられずに縋り付いた。


「落ち着きなさいスクイズ、眠れなかったのかい？今話すから椅子に座ろう」


父様は僕の肩を抱いて椅子に座らせてくれた、メイドがお茶を用意してくれたけど、僕は飲めなかった、
でも父様がお茶を飲んで少し落ち着きなさいって言ったから一口飲んだんだ、
落ち着く香りの熱ったかいお茶を飲んで少し落ち着いた僕を見て父様は優しくゆっくりと話し出した。


「スクイズ、今回のアムルリアの事はスクイズのせいでは無いからね、だから自分のせいにしてはいけないよ」

「でもっ僕がっ！」


父様は首を振りながら
「あの池の事は私も知っていた、私達は今まで3人だっただろ？
　スクイズも大きくなってあの池の深さも大丈夫だと思いアムルリアの事を考えていなかったんだ、
　だから私も油断していた。
　すまなかったなスクイズ、何時もアムルリアの事をスクイズばかりに任せてしまっていて、
　だから今回の事はスクイズのせいでは無いのだよ、
　親の私達のせいだ、すまなかったなスクイズ辛い思いをさせてしまって」


父様は大きな胸で僕を力強くだけど優しく抱きしめてくれた、僕は父親の優しさを感じ父親の胸で思いっきり泣いてしまった。




その後父親は今のアムルの状態を教えてくれた、池に落ちた時に頭を打つけたけど頭に異常は無い事、
気を失ってから池に落ちたので水は飲まなかったから溺れずにすんだ事、
池に落ちてずぶ濡れになった為に高熱が出だけど今は薬のおかげで段々と下がってきている事、
暫くは寝込むけど元気にまたなるって事。


僕はその時決めたんだ、もうアムルには意地悪はしないって、
大事に大切にするって、アムルを絶対に危ないめには合わさないって、
絶対にアムルを守るんだって！強くなるんだって！決めたんだ！！