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第一章
挨拶
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案内された部屋には、真ん中にベッド。
隅っこに小さな机と机。部屋の証明はオレンジ色の豆電球。
そしてシャワーが着いていた。
窓もついていて、落ち着いた町並みの景色も堪能できる。
ビジネスホテルを中世にした感じといったところかな。こんな良いものを無料で泊めていただけるとはどんだけ良い人なんだこの人。
「お前さん。疲れてるだろうし、明日にでもゆっくり話しでも聞かせてくれよ」
「あ、はい。ありがとうございます。起きたらカウンターへ伺いさせて頂きます」
とはいっても、何て言おう⋯⋯
「おう。んじゃ今日はゆっくり休んでくれよ」
ガチャンと、男性は扉を閉め部屋を後にした。
うん、めっちゃいい人!
色々とあったけど、今日の事は忘れよう。トラウマになりかねない。
お湯が染みるけどシャワーを浴びて、その場でスエットに付いた血を洗い流し窓際に干した。太陽が二つもあるんだ昼前には乾くだろう。
それにしてもなぜ俺なんだ? 俺に特別な何かなんてあるのか。
ズキンッ⋯⋯何度目かの頭痛がする。ウサギにやられた所に比べればたいしたことは無い痛みだけど、この世界に来たせいなのか? 疑問ではあるけど、考えたって答えなんか出やしない。
ベッドに腰かけていると急激な眠気に教われる。そりゃ疲れてるもんな。今日はもう寝よう。
なんの予告もなく【異世界】に飛ばされたんだ。なんの予告もなく元の世界に戻る事だってあるはずだ。
おやすみなさいZzz
***
『ごめんなさい⋯⋯』
⋯⋯はっ! 目を開けると、昨日と同じ天井。
あぁそんなに甘くは無いよね⋯⋯
それにしてもあの声、勘違いじゃなかったのか。誰の声かは分からないけど、この世界に関係があるかもしれないな。
とりあえず顔を洗いカウンターへ向かうか。
二階建ての一番奥の部屋に泊まらせてもらった俺は、足取りは重いまま廊下を歩き階段を下りてカウンターへと進んだ。
何を喋ろう。ありのまま話せばいいか?
でも、『異世界から来ました!』はさすがに抵抗がある。
やっぱり、記憶喪失というのが一番しっくりだな。
よし、それでいこう!
カウンターに着くと、昨日の髭の生えた男性はおらず、ザ・オカミサン! という屈服の良い女性が立っていた。
「おはようございます。昨日は泊めていただきありがとうございました。昨晩いらっしゃった男性は?」
あれ、俺って流暢に敬語を喋ってる。これが俺のスキルか!?名付けて、ザ・流暢!!
「はい。おはよう! なにニヤニヤしてるだい? 良いことでもあったのかい?」
笑顔で朝の挨拶をしてくるオカミサン。
「え、あっ。はい! 泊めていただいた事があまりにも嬉しくて顔に出てしまいました」
笑顔で答えはしたが心臓がバクバクいってる。あっぶねーよ!!
なにこのトラップ!ヤベー奴を軽く通り越して、気持ち悪い奴にクラスチェンジするところだったわ⋯⋯
「⋯⋯そーかい。それは良かったよ。旦那なら後ろの小屋で薪を割ってるよ」
顔をひきつるなよオカミサン⋯⋯
「わかりました。そちらへ行ってみます」
多分だけど、これクラスチェンジしてる可能性大だわ⋯⋯
宿屋を出て裏口に周り、旦那さんを見つけたので声をかける。
気を付けなければならないことはこれ以上、気持ち悪い奴と思われないことだ!
大丈夫。ニヤニヤしなければいいだけだ。流暢に喋れることはもう理解した。会って一秒で土下座をしたけれど、気持ちを切り替えよう。
最初の印象なんていくらでも挽回出来る!
「あ、あの、僕。その、あ、ありがとうごじゃ⋯⋯ありがとうございます」
⋯⋯そう思ったいた時期も俺にもありましたとさ。
ははっ、壮大に噛んだよ。
時間巻き戻す魔法とか無いかな⋯⋯
隅っこに小さな机と机。部屋の証明はオレンジ色の豆電球。
そしてシャワーが着いていた。
窓もついていて、落ち着いた町並みの景色も堪能できる。
ビジネスホテルを中世にした感じといったところかな。こんな良いものを無料で泊めていただけるとはどんだけ良い人なんだこの人。
「お前さん。疲れてるだろうし、明日にでもゆっくり話しでも聞かせてくれよ」
「あ、はい。ありがとうございます。起きたらカウンターへ伺いさせて頂きます」
とはいっても、何て言おう⋯⋯
「おう。んじゃ今日はゆっくり休んでくれよ」
ガチャンと、男性は扉を閉め部屋を後にした。
うん、めっちゃいい人!
色々とあったけど、今日の事は忘れよう。トラウマになりかねない。
お湯が染みるけどシャワーを浴びて、その場でスエットに付いた血を洗い流し窓際に干した。太陽が二つもあるんだ昼前には乾くだろう。
それにしてもなぜ俺なんだ? 俺に特別な何かなんてあるのか。
ズキンッ⋯⋯何度目かの頭痛がする。ウサギにやられた所に比べればたいしたことは無い痛みだけど、この世界に来たせいなのか? 疑問ではあるけど、考えたって答えなんか出やしない。
ベッドに腰かけていると急激な眠気に教われる。そりゃ疲れてるもんな。今日はもう寝よう。
なんの予告もなく【異世界】に飛ばされたんだ。なんの予告もなく元の世界に戻る事だってあるはずだ。
おやすみなさいZzz
***
『ごめんなさい⋯⋯』
⋯⋯はっ! 目を開けると、昨日と同じ天井。
あぁそんなに甘くは無いよね⋯⋯
それにしてもあの声、勘違いじゃなかったのか。誰の声かは分からないけど、この世界に関係があるかもしれないな。
とりあえず顔を洗いカウンターへ向かうか。
二階建ての一番奥の部屋に泊まらせてもらった俺は、足取りは重いまま廊下を歩き階段を下りてカウンターへと進んだ。
何を喋ろう。ありのまま話せばいいか?
でも、『異世界から来ました!』はさすがに抵抗がある。
やっぱり、記憶喪失というのが一番しっくりだな。
よし、それでいこう!
カウンターに着くと、昨日の髭の生えた男性はおらず、ザ・オカミサン! という屈服の良い女性が立っていた。
「おはようございます。昨日は泊めていただきありがとうございました。昨晩いらっしゃった男性は?」
あれ、俺って流暢に敬語を喋ってる。これが俺のスキルか!?名付けて、ザ・流暢!!
「はい。おはよう! なにニヤニヤしてるだい? 良いことでもあったのかい?」
笑顔で朝の挨拶をしてくるオカミサン。
「え、あっ。はい! 泊めていただいた事があまりにも嬉しくて顔に出てしまいました」
笑顔で答えはしたが心臓がバクバクいってる。あっぶねーよ!!
なにこのトラップ!ヤベー奴を軽く通り越して、気持ち悪い奴にクラスチェンジするところだったわ⋯⋯
「⋯⋯そーかい。それは良かったよ。旦那なら後ろの小屋で薪を割ってるよ」
顔をひきつるなよオカミサン⋯⋯
「わかりました。そちらへ行ってみます」
多分だけど、これクラスチェンジしてる可能性大だわ⋯⋯
宿屋を出て裏口に周り、旦那さんを見つけたので声をかける。
気を付けなければならないことはこれ以上、気持ち悪い奴と思われないことだ!
大丈夫。ニヤニヤしなければいいだけだ。流暢に喋れることはもう理解した。会って一秒で土下座をしたけれど、気持ちを切り替えよう。
最初の印象なんていくらでも挽回出来る!
「あ、あの、僕。その、あ、ありがとうごじゃ⋯⋯ありがとうございます」
⋯⋯そう思ったいた時期も俺にもありましたとさ。
ははっ、壮大に噛んだよ。
時間巻き戻す魔法とか無いかな⋯⋯
応援ありがとうございます!
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