俺TUEEE出来るって常識だよね?

チガーイ

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第一章

決意を決めるしかない

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 そんなヒドイ俺の姿を目にした男性は、

「がっははは。お前さん面白いやつだな。ところで昨日はゆっくり寝れたかい?」

 と、笑顔で挨拶をしてくれる。やっぱり良い人だ。

「あ、はい。おかげさまで」

「それは良かった、もう少しで薪割りも終わる。俺の部屋で少し待っててくれ、場所はカウンターにいる妻にでも聞いてくればわかるから」

「わかりました。それでは部屋で待たせてもらいます」

 面白いやつの認識で助かった。二日連続でやらかしてしまっている状態だし、そろそろ良いこと起きてくれなきゃやってられない。

 マジでハッピーイベントくれよ⋯⋯



 とりあえず言われた通りにカウンターのオカミサンに部屋の場所を聞き、部屋で待つことにした。

 余計な事をして、これ以上の失態は裂けねばらない。


 しばらく部屋で待っているとガチャと扉の開く音とともに、さっきの男性がやってきた。


「おう! 待たせたね」

「いえ、大丈夫です。遅くなりましたが、俺はヒデと言います」


 フルネームを言うか迷ったが、大抵こういう場合はニックネーム的なものの気がする。

 その為、あだ名でもあった【ヒデ】と名乗った。

 まー本名聞かれたら、答えればいいと思う。


「ヒデだな。俺は、ベックだ。宜しくな」

「こちらこそ宜しくお願い致します」



 ベックさん、笑顔が素敵です。


「そんな固くならずフランクでかまわないよ。ところで思い出したか?」

「いえ⋯⋯やはりなぜあの場所にいたのかはわからないです。」

「そうか、その前の記憶はあるのか?」

「⋯⋯。」

 ここで本当の事を言うべきか、記憶喪失を装うか⋯⋯記憶喪失という事にしようとは思っていたが、親切にしてもらった人に嘘を着くというのはな⋯⋯

「⋯⋯言いたくない何か事情があるんだな? まぁいいさ! 言いたくなったら言ってくれれば。それで、これからどうするつもりだ? こんな田舎町じゃ情報も無いだろう。情報集めるなら、ここからだと【ディグナルト】って町に行くしかないな。」



「【ディグナルト】? それはここからどのくらいかかるんですか?」



 ハッピーイベント発生の予感―――



「歩いて三ヶ月ほどだな」



 ⋯⋯。

 はい、ハッピーイベントじゃありませんでした。


 三ヶ月も何も知らない世界を歩いたら、確実に死ぬな。
 とりあえず金を稼いで、強くなる準備をするしかない。


「あのー、なるべく早くお金を稼ぐにはどうしたらよいですか?」

「やっぱり冒険者になることだろうな。死ぬかも知れんが」

 死にたくは無いが、やっぱり冒険者とかあるのか。
 ってことはどう考えても冒険者だろうな。スキルも何もないけど、一からレベルを上げていくしか⋯⋯

 もしかしたら、もしかしたらだけど、まだ勇者の血筋とかの可能性が。《ギルドを通してめっちゃ強くなる》


 ズキン―――

 頭の奥に鈍い痛みが⋯⋯。疲れが取れていないのか?




「わかりました、冒険者になります!まずはお金を貯めて昨日の宿泊費は必ず返します」

「そうか、なら町の中心にギルドがあるからそこで登録が出来る。まぁ、何かの縁かもしれんから、金が貯まるまでは宿を使ったらいい。勿論、金がたまったら払ってもらうがな」

 そう言うとベックさんはニカッと笑顔になった。

 これで宿は大丈夫だ。金を稼ぐ方法も理解した。あとはやるだけだ!



 ギルドに登録して素手でも出来る依頼とか受けて、武器を買おう。

 あるのであれば、エクスカリバーとか装備したい。有るかは知らんけど。


 俺は、ベックさんに再度お礼を言い、期待を胸に早速ギルドへと向かった―――
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