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第二章
ギルドカード
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拠点となる宿屋を探さねばならないし、アイテム屋や武器屋もだ。それにギルドにも行かなきゃならない。こんだけ大きな町だ、ご飯屋だっていっぱいあるはず。あとは、観光。
ざっと思い付くだけでもやりたい事が多いな。でも町の事を何も知らないからまずはギルドへ行くことは常識だな。信頼が一番なのはギルドだしな。
全部ユキが言ってた事だ。
ユキの助言がなければ俺は自分一人でプラプラと行動して、高確率で間違いを犯す⋯⋯
「新しい街へ行ったときは何をするかわかっていますか?」
「流石に俺だってそれくらいはわかってるよ。めぼしいアイテムや武器を探して、それから⋯⋯」
「まったくわかってないじゃないですかっ!」
「えっ!?」
「いいですか! まずはギルドへ行くのが常識です。ギルドが一番信用が出来る場所なんです。そのギルドが紹介するお店は、同じく信用出来るってことなんですからね!」
ユキからの言われたのにそれをやらないと後で何を言われるかわかったもんじゃない⋯⋯
って事でギルドへとやって来た。
町に着いてから門にいた衛兵にギルドカードを見せて聞いたらすぐ教えてくれた。
ギルドカードは身分を保証される信頼出来る数少ない物らしい。勿論、ランクが高いほど信頼度も上がる。逆にGランクカードは悪人でなければ誰でも発行出来るから、たいした信頼にはならない。
ギルドは俺達の街より賑わっており、そして綺麗だ。やっぱり田舎よりオシャレなのはお決まりか。まぁそれでも田舎独特の木の温もりの方が俺は好きだけど。
田舎に長くいると、こういう風に思えるようになるから不思議なもんだ。
とりあえず一通り見渡してから、カウンター受付のお姉さんが空いていたので話しかる。
「すみませーん。サクビラから来た、ヒデとユキです。こちらで活動手続きをお願いします」
なぜだろう。カウンターのお姉さんっていうのは可愛い!
一番人と話す場所だから見た目重視なのかもしれないが、オシャレなギルドに綺麗なお姉さんっていうのは反則ではないだろうか?
「遠いところからお疲れ様です。では、二人分のギルドカードの提示お願いします」
ニコッと笑いながら言われれば、素直に言われた通りに二人分のギルドカードを渡す。
受付のお姉さんは渡した二枚のギルドカードを馴れた手つきで確認する。仕事が早いのはとても助かる。
「はい。確認致しました。処理は此方の方で完了しておきます」
「有難うございます。お聞きしたいのですが、しばらく此方にいると思うので、拠点となる宿屋を教えて欲しいのですが⋯⋯」
勿論、安いことに越したことは無いが、相手が綺麗なお姉さんともなればそんなことは口が避けても言えない。これが男の受付ならば真っ先に安い事を絶対条件に伝えている。
男のプライドとはそんなもんだ。
「それならばここの二階はいかがでしょうか? 通常だと50kですが、冒険者なら一泊30kです」
まぁ良かろうが悪かろうが、進められたら断る事をしないのが男だ。
「それでお願いします。ユキもそれでいいよな?」
断ることはしないだろうが、念のため確認はしておかないとな。
「はい。私もそれで大丈夫です。」
ユキは笑顔でそう答えてくれた。
これで拠点となる宿屋は確保できた。こんなにも簡単に事が進むって言うのは、最初の土下座の時と比べても大きな進歩だと思う。
そもそも異世界に来たときにチュートリアル的な物がありさえすれば、土下座なんてしなくてすんだのにと思うとちょっとイラッもする。
そーいえば、ディグナルトのようにでかい町だと物価は上がるのかな? 逆にクエストとかも報酬上がるのかな。
ふと気になったので、会話終わりに横目でクエスト掲示板を確認すると、サクビラより全体的に高い。
難易度がわからないから何とも言えないけど⋯⋯
「流石に歩き続けたし、疲れた⋯⋯今日はもう休んで、明日色々としないか?」
「そうですね。今日は休みましょう。私も疲れました。あ、ヒデさん! 絶対に一人でどっか行かないで下さいね!」
「もうしません。約束します!」
釘を刺された⋯⋯当たり前か。
「それはそうと、知ってました? 女性って男性の目線に敏感なんですよ」
なにその笑顔⋯⋯今日一番の笑顔じゃない?
「へっ、へぇ⋯⋯そうなんだ」
「はい!」
なぜだろう? ユキは笑顔だが背中に嫌な汗が流れる。
しかしだ、よく考えて見て欲しい。俺は立っていて、相手は座っているのだ。俺の目線が下に行くのは当たり前の構図では無いだろうか?
なれば、当たり前だと強気に行こう。ここで弱気になるのはよくないと本能が俺に指示を出してくる。
「まぁ、今後役に立つ情報かもしれないから覚えておくよ」
俺はそれだけ言って、足早に紹介された宿屋へと足を進める。今日は休んで明日に備える為だ。決してにユキから逃げるためではない。
宿屋に着くまでは終始ユキは笑顔だったが、きっと何か良いことがあったんだろう。俺達は別々の部屋に早々に別れ、久しぶりにお風呂に入った。
幸せの一時だった。
これなら今日はゆっくり寝れる。
おやすみなさいZzz
ざっと思い付くだけでもやりたい事が多いな。でも町の事を何も知らないからまずはギルドへ行くことは常識だな。信頼が一番なのはギルドだしな。
全部ユキが言ってた事だ。
ユキの助言がなければ俺は自分一人でプラプラと行動して、高確率で間違いを犯す⋯⋯
「新しい街へ行ったときは何をするかわかっていますか?」
「流石に俺だってそれくらいはわかってるよ。めぼしいアイテムや武器を探して、それから⋯⋯」
「まったくわかってないじゃないですかっ!」
「えっ!?」
「いいですか! まずはギルドへ行くのが常識です。ギルドが一番信用が出来る場所なんです。そのギルドが紹介するお店は、同じく信用出来るってことなんですからね!」
ユキからの言われたのにそれをやらないと後で何を言われるかわかったもんじゃない⋯⋯
って事でギルドへとやって来た。
町に着いてから門にいた衛兵にギルドカードを見せて聞いたらすぐ教えてくれた。
ギルドカードは身分を保証される信頼出来る数少ない物らしい。勿論、ランクが高いほど信頼度も上がる。逆にGランクカードは悪人でなければ誰でも発行出来るから、たいした信頼にはならない。
ギルドは俺達の街より賑わっており、そして綺麗だ。やっぱり田舎よりオシャレなのはお決まりか。まぁそれでも田舎独特の木の温もりの方が俺は好きだけど。
田舎に長くいると、こういう風に思えるようになるから不思議なもんだ。
とりあえず一通り見渡してから、カウンター受付のお姉さんが空いていたので話しかる。
「すみませーん。サクビラから来た、ヒデとユキです。こちらで活動手続きをお願いします」
なぜだろう。カウンターのお姉さんっていうのは可愛い!
一番人と話す場所だから見た目重視なのかもしれないが、オシャレなギルドに綺麗なお姉さんっていうのは反則ではないだろうか?
「遠いところからお疲れ様です。では、二人分のギルドカードの提示お願いします」
ニコッと笑いながら言われれば、素直に言われた通りに二人分のギルドカードを渡す。
受付のお姉さんは渡した二枚のギルドカードを馴れた手つきで確認する。仕事が早いのはとても助かる。
「はい。確認致しました。処理は此方の方で完了しておきます」
「有難うございます。お聞きしたいのですが、しばらく此方にいると思うので、拠点となる宿屋を教えて欲しいのですが⋯⋯」
勿論、安いことに越したことは無いが、相手が綺麗なお姉さんともなればそんなことは口が避けても言えない。これが男の受付ならば真っ先に安い事を絶対条件に伝えている。
男のプライドとはそんなもんだ。
「それならばここの二階はいかがでしょうか? 通常だと50kですが、冒険者なら一泊30kです」
まぁ良かろうが悪かろうが、進められたら断る事をしないのが男だ。
「それでお願いします。ユキもそれでいいよな?」
断ることはしないだろうが、念のため確認はしておかないとな。
「はい。私もそれで大丈夫です。」
ユキは笑顔でそう答えてくれた。
これで拠点となる宿屋は確保できた。こんなにも簡単に事が進むって言うのは、最初の土下座の時と比べても大きな進歩だと思う。
そもそも異世界に来たときにチュートリアル的な物がありさえすれば、土下座なんてしなくてすんだのにと思うとちょっとイラッもする。
そーいえば、ディグナルトのようにでかい町だと物価は上がるのかな? 逆にクエストとかも報酬上がるのかな。
ふと気になったので、会話終わりに横目でクエスト掲示板を確認すると、サクビラより全体的に高い。
難易度がわからないから何とも言えないけど⋯⋯
「流石に歩き続けたし、疲れた⋯⋯今日はもう休んで、明日色々としないか?」
「そうですね。今日は休みましょう。私も疲れました。あ、ヒデさん! 絶対に一人でどっか行かないで下さいね!」
「もうしません。約束します!」
釘を刺された⋯⋯当たり前か。
「それはそうと、知ってました? 女性って男性の目線に敏感なんですよ」
なにその笑顔⋯⋯今日一番の笑顔じゃない?
「へっ、へぇ⋯⋯そうなんだ」
「はい!」
なぜだろう? ユキは笑顔だが背中に嫌な汗が流れる。
しかしだ、よく考えて見て欲しい。俺は立っていて、相手は座っているのだ。俺の目線が下に行くのは当たり前の構図では無いだろうか?
なれば、当たり前だと強気に行こう。ここで弱気になるのはよくないと本能が俺に指示を出してくる。
「まぁ、今後役に立つ情報かもしれないから覚えておくよ」
俺はそれだけ言って、足早に紹介された宿屋へと足を進める。今日は休んで明日に備える為だ。決してにユキから逃げるためではない。
宿屋に着くまでは終始ユキは笑顔だったが、きっと何か良いことがあったんだろう。俺達は別々の部屋に早々に別れ、久しぶりにお風呂に入った。
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