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第二章
塔の前
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ついにだ! ついにこの時がきた。
元の世界に戻る為のスタート地点だ。ユキと塔の目の前に立ち、気持ちが高ぶる。今まで制覇した奴がいないとのことだが、俺が初になってやる!
「さっさと10階まで達成しちまおう」
「ヒデさんが調子に乗りさえしなればですね」
「はいはい。さっさと行こうぜ!」
朝早いからなのか、塔の前には冒険者の数は少ない。
『おい、カタさんだぜ』
『あっち見ろよ。アンザさんいるよ』
『ディスもいるぜ、アイツもこりねーな』
などなど。他の冒険者が喋ってる声が聞こえてくる。
「タカさんとかアンザさんとか、騒いでる人いるけどスゴい人なのか?」
「最高到達階の人らしいですよ。私も良くわからないですけど」
ユキでもあんまり知らないこともあるんだな。
そんな話しをしていると、タカさんと騒がれてる人と目があった。男と目が合うとかあんまり嬉しい事ではないな。
で、なぜこっちに向かって歩いてくる⋯⋯
《俺は女が好き。俺は女が好き。俺は女が好き。くるならアンザさん!》と心で唱えていたが、効果は無かった。
「初めまして、俺はタカ、見ない顔だけど初めてかい?」
「そーですね。サクラビって田舎町から来ました。宜しくお願い致します」
最初は下手に、と言うか絶対に向こうの方が強いだろうし。
「サクラビ? 随分遠くから来たんだね。腕に自信が?」
爽やかに笑顔で聞いてくるタカさんという人は、きっとモテるんだろうな。爽やかだし。イラッときちゃうね!
「いやー。いつも相方に怒られてばかりでダメダメですよ」
「そーなんですよ。この人って本当に何も知らなくて、もしかしたら迷惑をかけることがあるかもしれませんが、その時は盛大な心で許してあげて下さい」
初対面の相手に頭を下げるユキと、何とも言えない顔をするタカさん。
「最初は誰でもわからないことだらけですもんね。お互い頑張っていきましょう」
すぐに笑顔に戻り握手を求めるタカさんはんぱないっす!
ここで長々と話しをしていると目立ってしまってしまうので、早々に握手をして塔の中に入っていく。
さーて、頑張りますか!
「タカ。握手して何かわかったの?」
ニヤニヤしながらアンザが近づく。
「あぁ、やっぱりだったよ。」
何かに納得したようにタカはそうアンザに伝える。
ヒデとユキの背中を見ながら、二人は誰にも聞こえない程の声で話していた。
元の世界に戻る為のスタート地点だ。ユキと塔の目の前に立ち、気持ちが高ぶる。今まで制覇した奴がいないとのことだが、俺が初になってやる!
「さっさと10階まで達成しちまおう」
「ヒデさんが調子に乗りさえしなればですね」
「はいはい。さっさと行こうぜ!」
朝早いからなのか、塔の前には冒険者の数は少ない。
『おい、カタさんだぜ』
『あっち見ろよ。アンザさんいるよ』
『ディスもいるぜ、アイツもこりねーな』
などなど。他の冒険者が喋ってる声が聞こえてくる。
「タカさんとかアンザさんとか、騒いでる人いるけどスゴい人なのか?」
「最高到達階の人らしいですよ。私も良くわからないですけど」
ユキでもあんまり知らないこともあるんだな。
そんな話しをしていると、タカさんと騒がれてる人と目があった。男と目が合うとかあんまり嬉しい事ではないな。
で、なぜこっちに向かって歩いてくる⋯⋯
《俺は女が好き。俺は女が好き。俺は女が好き。くるならアンザさん!》と心で唱えていたが、効果は無かった。
「初めまして、俺はタカ、見ない顔だけど初めてかい?」
「そーですね。サクラビって田舎町から来ました。宜しくお願い致します」
最初は下手に、と言うか絶対に向こうの方が強いだろうし。
「サクラビ? 随分遠くから来たんだね。腕に自信が?」
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