俺TUEEE出来るって常識だよね?

チガーイ

文字の大きさ
56 / 96
第二章

ギアさんの部屋へ訪問ラスト

しおりを挟む
 タカさんとアンザさん。最高到達だし流石に気づいてるよな。

「二人とも塔の前で会いましたね。タカさんには握手を求められましたし、爽やかな人でした」

「あー、握手されたか⋯⋯やっぱりアイツも気づいてたんだな」

 握手ってなんか意味あるの?

「アイツのスキルで、握手をした奴の気の流れがわかるらしい。
 それで善人や悪人が判断出来るんだとか。マイコさんの時だけは何も感じなかったようで、異世界はそうなんだろうと結論付けて、アイツの怪しい奴とは握手をするようになったんだ」

 なるほど、同じ異世界ならマイコの情報があるかも知れないからか。ただ、日本だけで一億人以上いるし、有名人でもない限り本人にはたどり着かないだろうと思うけど、この事は黙っていよう。

「あれ? そういえばギアさん、タカさん、アンザさんの3人って言いましたけど、ガンって人は? 飛行機の事を聞かれてとりあえずとぼけておきましたけど」

「ガン? 聞いたことあるような、無いような。多分だが、マイコさんは基本オープンな人だったから、上級ランカーの中で、【異世界人は特殊な能力があり、その知識を貰えれば強くなれる】なんて噂が広まってるんだ。マイコさんは強かったからな」

「それってバレるとヤバイやつですか?」

 拉致とかあるのか?

「はっはっは。それは無いさ。折角上級ランカーになったのに、そんなくだらない事で犯罪者になるなんて絶対にしないさ。俺たち冒険者ってのは、そう簡単になれないし、誇り高い職業だからな」

 隣で聞いていたユキがウンウンと強く頷いているから、この世界ではそうなんだろな。

「だからそいつらは、話しの種程度なもんさ。必死こいて探すのはバカらしいし、今は異世界人ってのは、タブーに近いしな。第一俺達がマイコさんにあやかって強くなってないのは知ってるから、そんな噂も沈下して来てはいる」

「そう言えば、直接は聞いて来なかったですね。でもなんでタブーになってるんですか?」

「勘違いをするかさ。昔っからの冒険者なら俺達の強さを知ってるから問題はないが、新しい冒険者達は、異世界人と一緒にいれば強くなったと勘違いが生まれちまう。」

 強い人が片っ端からやっつけて塔の上へと進んでしまったら、上層階にいる自分達も強いと錯覚してしまうってことか。

「でも異世界人だからって強いとは限らないのでは?自分で言うのもなんですが、俺は強くないですよ」

 横で聞いていたユキはウンウンと強く頷いているからイライラする。

「確かにな。お前はよく死にかけてたしな。ただな、マイコさん以外で異世界人が見つかった事は無いんだ。だから異世界人は強いって思われるんだ」

 本当に迷惑な人だな。絶対にバレないようにしよう。バレて弱い事がわかったらダサすぎる。

「俺も塔の攻略はアイツらに任せて地酒を求めてって事にして地方を回って10年以上たつが、異世界人って噂すら聞いて来なかった」

 そういう理由でこの人は旅をしていたのか、それほど大切な人だったんだな。

「まー、俺が話せるのはそれくらいだ。
 あーあと、マイコさんが言っていたが、最初はスキルを全然覚えられなかったが、30階を突破してから、一気に覚えられるようになったって言ってたぞ」

 なんだと! 大発見だぞ。
 異世界人って単語が多くて、【そーいや。結局あのアニメに異世界人出てこなかったな】とか考えてる場合じゃ無かった。

「俺からも聞きたいことがあるんだが、お前はどうやってこの世界にきたんだ?」

「禁則事項です」

 ⋯⋯。

「すいません! なんでもありません。頭がおかしかったです。えっと、わかりません。寝て起きたらこっちの世界にきてました」

「お、おう。そうか。マイコさんと同じなんだな」

 くそ。変なことを考えてたからつい言ってしまった。やれやれ。

 色々と話しを聞くことは出来たし、ギアさんには何かあれば伝えると約束をして、ディグナルドへと向かい始めた。

 スキル全快で行くから。ディグナルドに1ヶ月以内に着くのなんて、簡単なんだよこんなの。



 勿論、走りながらニヤニヤしていたので、ユキには『きもっ』と言われた。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?

火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…? 24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?

ユーヤのお気楽異世界転移

暇野無学
ファンタジー
 死因は神様の当て逃げです!  地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

家ごと異世界転移〜異世界来ちゃったけど快適に暮らします〜

奥野細道
ファンタジー
都内の2LDKマンションで暮らす30代独身の会社員、田中健太はある夜突然家ごと広大な森と異世界の空が広がるファンタジー世界へと転移してしまう。 パニックに陥りながらも、彼は自身の平凡なマンションが異世界においてとんでもないチート能力を発揮することを発見する。冷蔵庫は地球上のあらゆる食材を無限に生成し、最高の鮮度を保つ「無限の食料庫」となり、リビングのテレビは異世界の情報をリアルタイムで受信・翻訳する「異世界情報端末」として機能。さらに、お風呂の湯はどんな傷も癒す「万能治癒の湯」となり、ベランダは瞬時に植物を成長させる「魔力活性化菜園」に。 健太はこれらの能力を駆使して、食料や情報を確保し、異世界の人たちを助けながら安全な拠点を築いていく。

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

インターネットで異世界無双!?

kryuaga
ファンタジー
世界アムパトリに転生した青年、南宮虹夜(ミナミヤコウヤ)は女神様にいくつものチート能力を授かった。  その中で彼の目を一番引いたのは〈電脳網接続〉というギフトだ。これを駆使し彼は、ネット通販で日本の製品を仕入れそれを売って大儲けしたり、日本の企業に建物の設計依頼を出して異世界で技術無双をしたりと、やりたい放題の異世界ライフを送るのだった。  これは剣と魔法の異世界アムパトリが、コウヤがもたらした日本文化によって徐々に浸食を受けていく変革の物語です。

処理中です...