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第三章
ずっと居たい場所だけど
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一通りの話しは終えた。
そろそろ真面目に話さないと、横の奴から怒られるな。
「はっきり言って塔の最上階到達っていうのは、現実味はありますか?」
「『四人だったときなら可能だよ』と言えたが、二人では難しいと思っているよ⋯⋯」
横にいるアンザさんも同意見らしく頷いている。
「ならばパーティーを組めば⋯⋯」
「それはできない!」
食いぎみで大きく拒絶された。
そこまで、マイコへの思いがあるのか? ギアさんもそうだったし。
しばらく無言の時間があったが、その空気に耐えられなかったのか、神妙な面持ちでタカさんが口を開く。
「大きな声を出してすまなかったね。俺もアンザもコミュ障なんだ⋯⋯」
⋯⋯
⋯⋯⋯⋯
はっ?
「キャラを作ってくれたから、外面はなんとかいけているけど長時間は無理だよ。特に上位ランカーになった今では、頼られる場面もあるとなると無理だね。マイコさんの話しを聞くためだから今は話せているが、戦闘とか絶対に無理」
「私も子供の頃からマイコさんやギアさんとパーティーを組んでいたのよ。あのときは慣れがあったけれど⋯⋯今は無理よね⋯⋯」
残念な人達だ。
「じゃー、なんで可能性が低いと分かっているのに最上階を目指しているんですか?」
「可能性はある! って言うのは勿論あるよ。でもそれ以上に、マイコさんの手懸かりがあるんじゃないのかな? って方が強いね」
「私達は塔から情報を集める。ギアさんは地方を回る。役割ね」
なんでそこまで最上階を目指す以上にマイコが優先なんだろう。あんなふざけた人なのに⋯⋯
「理由は2つだね。一つ目は、最上階到達。四人なら制覇出来るはずなんだよ。
そして二つ目は、マイコさんが消えたのには、何か絶対に理由があるはずと思っているから」
「理由ですか?」
「急にこの世界に来たのなら、急に元の世界に戻ることだって全然あるとは思うよ。でもそれ以上に、来たなら来たなりの理由があって、それをクリアしなければ戻れない可能性の方が高いと僕達は考えているんだ」
「ねぇ? あなたもそう思ってるから塔制覇を目指してるんでしょ?」
たしかに、その通りだ。急に来て、何もしないで戻れるって可能性は低い⋯⋯
「可能性って意味では、マイコさんが死んでいるって事も考えたさ。でもね、あの人が死ぬとは考えられない。秘宝リバースソウルも持っていたし」
「え!? 本当に秘宝って存在するんですか!!」
今まで黙っていたユキが急に喋るからビックリだ。
なんだよ、秘宝って。
「あるよ。とは言っても多くはないだろうね⋯⋯リバースソウルだってマイコさんが見つけた一つしか見たことないし」
話し進めないでくれよ⋯⋯置いてきぼりだぞ。
「あ~、ヒデさんは知らなかったんですね。秘宝といって通常のアイテムでは考えられないような効果があるんですよ。リバースソウルって言うのは持ち主が死んでも一度だけ完全復活が出来ると言われてます」
「はんぱねーな!」
RPGお約束アイテムまであるのか夢が広がる世界じゃないか。でも、それなら死んではいないな。
「ってなると、戻れる方法が見つかって戻ったか。塔か、町かでバレないように何かしているか⋯⋯」
タカさんとアンザさんは頷く。
同じように考えているようだ。
「そう思うよね? 戻れる方法が見つかったのであれば、マイコさんの事だ。キミのような人のためにも方法を後世に残したり、挨拶くらいはすると思うんだよね」
「でもそれは無かったのよ。いなくなる当日も、明日の塔攻略の話しをいていたしね」
マジであの人は何をしてるんだろう⋯⋯
それがわかれば、俺が帰れる方法を知るチャンスにもなると思う。
分からないことを此処で話しをしていても進まないと思うし、何かあれば連絡すると約束し部屋を出た。
勿論、最後に大きく深呼吸して花園を堪能するのを忘れない。
そろそろ真面目に話さないと、横の奴から怒られるな。
「はっきり言って塔の最上階到達っていうのは、現実味はありますか?」
「『四人だったときなら可能だよ』と言えたが、二人では難しいと思っているよ⋯⋯」
横にいるアンザさんも同意見らしく頷いている。
「ならばパーティーを組めば⋯⋯」
「それはできない!」
食いぎみで大きく拒絶された。
そこまで、マイコへの思いがあるのか? ギアさんもそうだったし。
しばらく無言の時間があったが、その空気に耐えられなかったのか、神妙な面持ちでタカさんが口を開く。
「大きな声を出してすまなかったね。俺もアンザもコミュ障なんだ⋯⋯」
⋯⋯
⋯⋯⋯⋯
はっ?
「キャラを作ってくれたから、外面はなんとかいけているけど長時間は無理だよ。特に上位ランカーになった今では、頼られる場面もあるとなると無理だね。マイコさんの話しを聞くためだから今は話せているが、戦闘とか絶対に無理」
「私も子供の頃からマイコさんやギアさんとパーティーを組んでいたのよ。あのときは慣れがあったけれど⋯⋯今は無理よね⋯⋯」
残念な人達だ。
「じゃー、なんで可能性が低いと分かっているのに最上階を目指しているんですか?」
「可能性はある! って言うのは勿論あるよ。でもそれ以上に、マイコさんの手懸かりがあるんじゃないのかな? って方が強いね」
「私達は塔から情報を集める。ギアさんは地方を回る。役割ね」
なんでそこまで最上階を目指す以上にマイコが優先なんだろう。あんなふざけた人なのに⋯⋯
「理由は2つだね。一つ目は、最上階到達。四人なら制覇出来るはずなんだよ。
そして二つ目は、マイコさんが消えたのには、何か絶対に理由があるはずと思っているから」
「理由ですか?」
「急にこの世界に来たのなら、急に元の世界に戻ることだって全然あるとは思うよ。でもそれ以上に、来たなら来たなりの理由があって、それをクリアしなければ戻れない可能性の方が高いと僕達は考えているんだ」
「ねぇ? あなたもそう思ってるから塔制覇を目指してるんでしょ?」
たしかに、その通りだ。急に来て、何もしないで戻れるって可能性は低い⋯⋯
「可能性って意味では、マイコさんが死んでいるって事も考えたさ。でもね、あの人が死ぬとは考えられない。秘宝リバースソウルも持っていたし」
「え!? 本当に秘宝って存在するんですか!!」
今まで黙っていたユキが急に喋るからビックリだ。
なんだよ、秘宝って。
「あるよ。とは言っても多くはないだろうね⋯⋯リバースソウルだってマイコさんが見つけた一つしか見たことないし」
話し進めないでくれよ⋯⋯置いてきぼりだぞ。
「あ~、ヒデさんは知らなかったんですね。秘宝といって通常のアイテムでは考えられないような効果があるんですよ。リバースソウルって言うのは持ち主が死んでも一度だけ完全復活が出来ると言われてます」
「はんぱねーな!」
RPGお約束アイテムまであるのか夢が広がる世界じゃないか。でも、それなら死んではいないな。
「ってなると、戻れる方法が見つかって戻ったか。塔か、町かでバレないように何かしているか⋯⋯」
タカさんとアンザさんは頷く。
同じように考えているようだ。
「そう思うよね? 戻れる方法が見つかったのであれば、マイコさんの事だ。キミのような人のためにも方法を後世に残したり、挨拶くらいはすると思うんだよね」
「でもそれは無かったのよ。いなくなる当日も、明日の塔攻略の話しをいていたしね」
マジであの人は何をしてるんだろう⋯⋯
それがわかれば、俺が帰れる方法を知るチャンスにもなると思う。
分からないことを此処で話しをしていても進まないと思うし、何かあれば連絡すると約束し部屋を出た。
勿論、最後に大きく深呼吸して花園を堪能するのを忘れない。
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