俺TUEEE出来るって常識だよね?

チガーイ

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第五章

魔法使いに憧れて

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 念のためポイントは全て使うのはリスキーだと結論になり、fastattackA2以外に4つのスキルを取得した。

【ジャンプ】5mジャンプできる  300P
【ファイヤー】火の玉を発射  500P
【サンダー】雷を出す  500P
【キュア+】中回復  300P

 これで残りは1100Pとなった。現状どんな事でポイントが貯まるか謎のままだ。


「なんで、使うのが多い魔法系を覚えたんですか?  攻撃系の方がポイントが少ないなら効率的じゃないですか?」

「80階からどんなモンスターが出てくるかは分からないし、物理攻撃が効かない可能性だってあるだろう?  俺の世界でのゲームではよくあるパターンなんだよ」

「そんな事があるんですか?」

 なるほど、こっちの世界ではそういうのが無いのか?  まぁ、ここまでそんなモンスター見たことないしな。

「あぁ。ただ、この世界でもあるかはわからないけど、事前に取得して魔法に慣れておかなければ、その時が来たときに急に取得したんじゃ、実践で最大限活用できるか怪しいからな」

 うんうん。と、頷きユキは納得したようだ。
 どちらかと言えば、魔法使いたかったと言うのが一番の理由だけれども、わざわざ言う必要はないだろう――――

「⋯⋯で?  本当は?」

 あれ?  さっきまでの頷きとはうって変わって疑いの目を向けてくる。

「⋯⋯ん?」

「ヒデさんが流暢にダラダラ喋るときは大抵が何かを隠している時ですからね⋯⋯。本当はなんですか?」

 そう言いながら、右手をゆっくりと振りかぶりながら聞いてくる。『何か隠したままにしたらビンタしますよ』と脅しをかけてきていると言うことだ。

 つまり、バレている⋯⋯。



「いや、本当だよ!  ⋯⋯勿論、魔法を使いたかったと言うのが大きいけど」

「はぁ~、まぁそれならば良しとしましょう。いいですか、さっきも言いましたがヒデさんが便りなんですよ。ちゃんとしないと本当に死にますからね」

 ビンタは免れた。80階からは、今までと違いユキ自身も思うところがあるのだろな。

「はいよ!  俺もまだ死にたくは無いからな。ってか、ユキは冒険以外にやりたい事とかないの?」

「⋯⋯っ。⋯⋯結婚とか」

 ――――。

 うつ向きながらボソッと呟くユキに俺はなんて言えば正解だったんだろ?  鈍感主人公ばりに『えっ?  何だって?』だろうか。それとも爽やかイケメンのような『うん。そうだね』だろうか。

 答えは一生わからないのだろうな。


「結婚!?  マジで?  ユキも考えちゃうのか~」と、間髪いれずに言ってしまったが故に、最速でビンタされた。

 結局ビンタはされた。

 ジンジンするほっぺたを押さえながら、ユキの後ろをトボトボと歩くはめになってしまったが、ユキの背中からは『二度とその話しはするな』とオーラを醸し出していた―――



 暫くは無言で塔を攻略していたがユキから「⋯⋯いつ魔法使うんですか?」と、声をかけてくれた。機嫌が直ってくれてホッとした。

 そこからは魔法を使った戦闘パターンを話しながら順調に進んだ。

 攻撃パターンが増えた俺がメインに立ち回り、ユキが補佐的に立ち回る事で効率性が一気に上がったと思う。

 その結果、80階ボスにたいしても今までとは比べ物にならないくらいスムーズに撃破。


 ギルドでも80階層に足を踏み入れたことが無いらしく、全てが未知の世界だ。
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