誰かこの暴君を殴ってくれ!

木樫

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第一話 後輩暴君の暴挙

06※



 痛みで引き攣れていたはずの入り口を自分でも無意識に、キュ、キュ、と締めつけて、直腸からの圧迫感を楽しむ。

 執拗な愛撫ですっかり勃ちあがった自身と、蕩けた内部から訪れる快楽。
 俺は抵抗も止めて目を薄く瞑りながら、全ての刺激を貪欲に貪る。

 んだ、コレ……気持ちいい。
 もう痛くはねぇし、意外と……コレは、イイ、のか? ……イイかもしんねぇ。


「は……っく、んっ……ん……ん……」


 華麗な手のひら返しだ。都合のいいことを考えてしまい、本能が〝気持ちいいならまあいいか〟と無抵抗に弄ばれた。
 強引な三初の手つきが意外にも丁寧だからだと思う。

 後ろで感じる抗いがたい感覚にも適応すると、驚きと混乱が強かった喘ぎ声が落ち着き、微睡む。


「……あ……ん……ぁ…っ……」


 声が、しっとりと濡れていく。

 普段から性欲は人並みにあったが、ここのところ忙しさにかまけてひとり遊びもご無沙汰である。余計に感じるのはそのせいだろう。

 別に俺が気持ちいいことにバカ弱いってわけじゃねぇぞ? こいつが上手い。ってことにしとく。プライドのためだ。

 そうしてしばらく時間をかけて解され、ここがどこかも相手が誰かも忘れて与えられるがままに体を火照らせていた。

 あー……気持ち……痛くねぇなら……もちっと強くやってくんねぇかな。


(そしたらもっと……)


 もどかしさに誘われて迎えるように足を開き、腰を僅かに揺らす。

 生まれたカウパー液を搾るだけのような手淫と、中を掻き混ぜる三本の指。
 どちらもマッサージに近い快感だが、トロけるほど心地いい。


「あら……もうシていいですか?」

「あ、あぁ……?」

「よし」


 八月も終わりに近づく暑気は、エアコンの効いたオフィスでは冷えていた。
 しかし俺の体は火照り、肌は汗ばむ。

 完全に無防備な状態で三初が勝手に納得するとともに、ズルリ、と胎内の指が惜しげもなく引き抜かれる。

 縋るように纏わりつく襞を振り切って引き抜かれる指に、名残惜しそうな声を上げる。

 せっかく浸ってんのに、なんでやめんだよ。未練がましく身を震わせ、ほんのり赤らんだ表情でぼやりと視線を彷徨わせる。

 しかし、代わりにピタリとあてがわれた肉棒の先端に、俺はハッと目を見開いて快感に溶けていた頭をどうにか覚醒させた。


「アホッ、お前まさか……それだけはなんか、気分的にやめろッ」

「や、自分だけよくなってそりゃないでしょ? 先輩イイって言いましたし」

「ヤんのがよくても俺にゃあプライドがあんだよ! 指で、指でいいだろうがッ」

「そんなもんないです。それにこっちも解れて、寂しそうにしてるんじゃないですか? ほら……つついただけで、物欲しそうに口が吸いついてくる」

「う、嘘吐けッ!」


 そうだった……! コイツ俺を犯して性欲処理しようとしてるんだった……ッ!

 すっかり忘れていた事実の再来。
 重ねて言うが、ヤると言ったらヤるのがコイツ、三初 要という男なのだ。

 三初は嘘だ嘘だと否定する俺を尻目に、プリン液と腸液でドロドロの柔らかくぬかるんだ入り口を、つんつんとそれの先端で煽るようにつつく。

 先の丸い頭がほんの少し潜っては抜ける感覚に、ゾワゾワと背筋に甘い痺れが起こった。
 駄目だ。この流れはまずい。なんやかんやで丸め込まれる流れだ。


「ま、よく見てくださいよ」

「は……っ!?」


 脳の警告を受けて抵抗を試みようとしても、三初の声で俺の自由はあっさり奪われる。

 胸元に押しつけ、抱え上げられた足をスラックスの引っかかりの限界まで左右に開かされ、片方の靴がカツン、と虚しく床に転がった。

 チェアーの背もたれにあたる頭が痛い。
 だが広げられた自分の足の間から見える光景のほうが、ずっと頭が痛い。

 ヌラヌラと自らの淫液で濡れそぼった勃起の向こう、三初のいきり勃った凶器が俺の尻にあてがわれている。……俺のよりでけぇ。なんか腹立つ。




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