誰かこの暴君を殴ってくれ!

木樫

文字の大きさ
138 / 454
第五話 冬暴君とあれやそれ

07※微

しおりを挟む


 なんだよその鈍器はッ。俺のケツが見るも無残になること請け合いじゃねぇかッ。

 クソ、最悪だ。是非殴りたい。
 震え上がって必死に首を振り、全力で怖気づく。


「絶対嫌だッ、それ挿れてどうしろってんだ……!? 俺は腹が減ったって言っただけで、物理的に満たせとは言ってねぇんだよッ」

「はいはいどうどう。まず一つね」

「っ、ぅあ……!」


 怒りと恐怖が同時に襲い怯える俺を三初はそれはそれはいい笑顔で堪能し、そんなもん入らないし嫌だやめろ鬼畜野郎と必死に吠える様をイキイキと嘲って強行する。

 ビー玉サイズの玉が入れられ、ローションがグチュ、と音をたてた。

 続けて押し込まれるビーズが、俺の言葉を奪っていく。


「ンッ、く」

「先輩にこれ全部挿れたら飯食いに連れてってあげますから。モーマンタイ」

「問題しかねぇ、っぐ、ぅ、ヒ……っ」


 もう一つ、もう一つ。プチュ、と玉が入り込む。背筋がゾクゾクと粟立つ感覚。ダメだ、スイッチが入る。

 クソ……こいつに触られると最後にはこうなるから嫌なんだ。

 指で嬲られるのとは違う無機質な拡張に、そこへ挿れられる快感を覚えきっている体が、否応無しに抵抗を止めさせる。

 自分で自分に呆れてしまった。内壁を押し広げたビーズが、前立腺を擦るのだ。


「ふっ……あ、くっ……」


 ズプ、ともう一つ。


「ン……ッ」


 括約筋を押し拡げて体内に入り込まれるたび、無意識に声が出る。
 だんだんと大きくなるビーズが前立腺を潰したままで、そこで動かれると、染み出す快感で我慢ならない。


「は……ん…ん……」


 溺れそうなくらい滑りを含んで泥濘んだ窄まりへ次々と押し込まれるビーズが、腹の中でゴツゴツとぶつかり合う。

 う……未知のオモチャで嬲られるのなんか御免こうむると思っていたが、これはなかなか……イイ、のか?
 別に俺自身の性能をアップする調教ではないし、ありかもしれない。

 気持ちが良ければ流される性質と快感に媚を売るように開発された体が、そろって〝降参〟と手を挙げてしまった。

 我ながらチョロいが、もうそれでいい。開き直るぜ。
 俺は気持ちいいならよしだ。なんか文句あんのか?


「ん……あ、……は、ん……」


 緩く瞼を閉じて不規則に襲う異物感に浸ると、一粒ごとに増える圧迫感で、奥のほうからジワリジワリと襞が熱を持ち始めた。

 火照り始める内壁を擦られると、いつもより痺れるような快感が滲むような気がする。無機質なオモチャに嬲られて、勃起しそうになるそれを耐えるのが大変なくらいだ。


「ぅ、うっ……っ」


 一番大きなビーズが窮屈そうにみっしりとビーズを呑み込んだ襞を割り開いて、ズプリと押し込まれる。

 あまり時間をかけることなく、とても全部呑み込めそうになかった全長を中に収め、息を吐く。
 これでようやく趣味の悪い遊びから解放された。そもそもなんの罰ゲームだっつの。


「ね? 大丈夫だったでしょ」

「は……このやろう、大丈夫じゃねぇ、ん……くそ、ちょっと勃った……」

「ふっ。マジでケツの感度イイな、先輩」


 シートベルトを解かれながらニヤリとそんなふうに辱められ、好きでそうなったわけじゃねぇわと声を大にして言いたくなった。

 起き上がるために腹筋に力をいれると、中のビーズ同士が擦れあって吐息混じりの声が漏れる。

 不貞腐れたフリをして誤魔化す。
 反応し始めている屹立が、ピクン、と脈打ち、僅かに硬度を増した。

 これは……まずい。




しおりを挟む
感想 137

あなたにおすすめの小説

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

R指定

ヤミイ
BL
ハードです。

平凡ワンコ系が憧れの幼なじみにめちゃくちゃにされちゃう話(小説版)

優狗レエス
BL
Ultra∞maniacの続きです。短編連作になっています。 本編とちがってキャラクターそれぞれ一人称の小説です。

またのご利用をお待ちしています。

あらき奏多
BL
職場の同僚にすすめられた、とあるマッサージ店。 緊張しつつもゴッドハンドで全身とろとろに癒され、初めての感覚に下半身が誤作動してしまい……?! ・マッサージ師×客 ・年下敬語攻め ・男前土木作業員受け ・ノリ軽め ※年齢順イメージ 九重≒達也>坂田(店長)≫四ノ宮 【登場人物】 ▼坂田 祐介(さかた ゆうすけ) 攻 ・マッサージ店の店長 ・爽やかイケメン ・優しくて低めのセクシーボイス ・良識はある人 ▼杉村 達也(すぎむら たつや) 受 ・土木作業員 ・敏感体質 ・快楽に流されやすい。すぐ喘ぐ ・性格も見た目も男前 【登場人物(第二弾の人たち)】 ▼四ノ宮 葵(しのみや あおい) 攻 ・マッサージ店の施術者のひとり。 ・店では年齢は下から二番目。経歴は店長の次に長い。敏腕。 ・顔と名前だけ中性的。愛想は人並み。 ・自覚済隠れS。仕事とプライベートは区別してる。はずだった。 ▼九重 柚葉(ここのえ ゆずは) 受 ・愛称『ココ』『ココさん』『ココちゃん』 ・名前だけ可愛い。性格は可愛くない。見た目も別に可愛くない。 ・理性が強め。隠れコミュ障。 ・無自覚ドM。乱れるときは乱れる 作品はすべて個人サイト(http://lyze.jp/nyanko03/)からの転載です。 徐々に移動していきたいと思いますが、作品数は個人サイトが一番多いです。 よろしくお願いいたします。

BL 男達の性事情

蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。 漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。 漁師の仕事は多岐にわたる。 例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。 陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、 多彩だ。 漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。 漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。 養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。 陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。 漁業の種類と言われる仕事がある。 漁師の仕事だ。 仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。 沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。 日本の漁師の多くがこの形態なのだ。 沖合(近海)漁業という仕事もある。 沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。 遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。 内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。 漁師の働き方は、さまざま。 漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。 出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。 休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。 個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。 漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。 専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。 資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。 漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。 食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。 地域との連携も必要である。 沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。 この物語の主人公は極楽翔太。18歳。 翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。 もう一人の主人公は木下英二。28歳。 地元で料理旅館を経営するオーナー。 翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。 この物語の始まりである。 この物語はフィクションです。 この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。

  【完結】 男達の性宴

蔵屋
BL
  僕が通う高校の学校医望月先生に  今夜8時に来るよう、青山のホテルに  誘われた。  ホテルに来れば会場に案内すると  言われ、会場案内図を渡された。  高三最後の夏休み。家業を継ぐ僕を  早くも社会人扱いする両親。  僕は嬉しくて夕食後、バイクに乗り、  東京へ飛ばして行った。

今度こそ、どんな診療が俺を 待っているのか

相馬昴
BL
強靭な肉体を持つ男・相馬昴は、診療台の上で運命に翻弄されていく。 相手は、年下の執着攻め——そして、彼一人では終わらない。 ガチムチ受け×年下×複数攻めという禁断の関係が、徐々に相馬の本能を暴いていく。 雄の香りと快楽に塗れながら、男たちの欲望の的となる彼の身体。 その結末は、甘美な支配か、それとも—— 背徳的な医師×患者、欲と心理が交錯する濃密BL長編! https://ci-en.dlsite.com/creator/30033/article/1422322

先輩、可愛がってください

ゆもたに
BL
棒アイスを頬張ってる先輩を見て、「あー……ち◯ぽぶち込みてぇ」とつい言ってしまった天然な後輩の話

処理中です...