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第六話 狂犬と暴君のいる素敵な職場です
36※
「痛い、嫌だ、い、ぁあ……っ!」
「嘘ばっかり。んー……アルコールでぶっ飛んだあんたに甘えられるのも、この光景も、なかなかイイですね。せっかくだから酔ってる間にいろいろ、しておこうね」
「っ、はぁ……っ…あっ……んっ……」
背後でクツクツと喉を鳴らす三初が不穏なことを楽しげに呟いたかと思うと、ぶつのをやめて一転。
ニュルン、と柔らかく内壁を擦られ、悲鳴は熱を帯びた嬌声へと変わった。
「また、っ中……あっ……うぁっ……三初、っ……もう溶けてる……」
決して大きくはない声量だ。
それが部屋の中で空回り、プチュ、プチュ、と体内にたっぷりシリンジで注入された粘度の高いローションが溢れる音で装飾されていく。
滴る粘液で尻から会陰、陰嚢、竿までドロドロだ。気持ち悪い。
それだけ延々と指に犯されている。三初のシャツも汚れているだろう。
散々ほぐされたアナルはすっかり口を緩めて三初の指を根元まで呑み込み、熟れた襞が甘えるように絡みついていた。
当たり前だ。とっくに開いている。
この熱く長大な怒張を、その窮屈で熱い肉穴の中に、挿れてもいい頃合いなのだ。
なのに三初はただ俺の性感を煽ってされるがままになるばかりで、いつものように能動的に抱こうとしなかった。
「い、挿れて、これ……っあ…ふっ……挿れて、お願、っ……っ」
「くく、んー? どうしようかなー」
「ぁ、っなんでだよ、ひ、くぅ、ん……っ」
「そんな在り来りなオネダリじゃあちょっとねぇ……もう少し俺好みにしてくださいよ、ほら、ね」
「わかんね、あッ、んぁ……っ」
濡れ始めた鼻腔をスン、とすすり、ゴロゴロと涙声の混じる声で強請る。
頬ずりをして、唾液と淫液で濡れた竿を求めた。それでもダメだ。
飼い主からのご褒美は貰えず、ついに鼻の奥がツンと痛んできた。
「わかるでしょ? ククク」
「わ、わかんね、っ……だ、抱いて、俺……抱かれてぇ……っ」
「ダメ。上品すぎ」
ちょうだい、と尻を揺らし、俺は三初の屹立に指を絡めたまま硬い布地のスラックスに噛みついて、それを唾液と涙で湿らせて何度も強請った。
だが、まだ足りないらしい。
下肢をくつろげている以外シャツのボタンもネクタイも緩めていない三初と比べ、俺はずいぶん乱れ狂っている。
これのどこが上品なのかわからない。
「んぁっ……」
ジュポ、と中にあった指が全て引き抜かれ、指の形に拡がっていた穴がキュッと窄まった。
うまく強請って褒められて抱かれたいのに思う通りに行かず焦る心に続き、腹の中までが切なく空で、自然と瞳に膜が張る。
「わかんないですか?」
「っ嫌だ、三初……みはじめ……っ」
あぁ──これだから、三初 要は酷い男なのだ。
俺が今どんな気持ちか、そしてどうしてこんなことをしているのかも、俺本人よりわかっていて、喜々として追い詰める。
「お、怒るの、やめろよ、なんで怒ってんだよ、俺、下手くそで……っき、嫌いになんねぇ、で」
ペロ、ペロ、と舌先だけで屹立の根元を舐め、裏筋や皮を唇ではみながら、蚊の鳴くような声で俺は懺悔した。
そう。これはお仕置きだろう。
俺にこんなことをするのは、コイツがとても怒っていたからなのだ。
理由は皆目検討がつかずとも、それだけはわかる。
今怒っているかは関係ない。怒っていたから、躾られた。
自分が嫌だと思ったことをされたら、二度とないよう必ずキッチリ始末をつける。
三初は新年会の会場で俺が与えた不快感を、俺自身に拭わせようとしていた。
それがわかったから、俺は顔も見ないでみっともなくすがりつき、普段自分を貫いて苛む怒張に奉仕をしている。
「やっべー……相変わらず、凶悪な強請り方は無自覚だな……チッ」
ボソリと小さく呟かれた。
俺は腹の立つような悪い恋人なのか? と喉奥がヒクつく。
そんなわけねぇ。
俺はお前が好きだ。きっとその誰だか知らない先輩より好きだ。
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