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第六話 狂犬と暴君のいる素敵な職場です
44※
「んっ……ぅふっ、三初、お前、かわいいな、っひ、あっ」
「そりゃドーモ。勝手に言ってろこのへべれけド淫乱……」
「ぐ、ッひ、すげ、ッ……ンッあ……ッ」
不安と甘えと独占欲と戯言じみた感情で埋め尽くされる俺を三初はたった一言で一蹴し、低く唸ってゴリッゴリッと前立腺をこそぐように穿った。
喉を反らせて仰くが、間髪入れずに再度強く抉られ、繰り返す。
三初はこのたびの貴重なデレに関して、考える時間を与えない魂胆らしい。照れ方がエグい。照れ隠しが鬼だ。
「あ…んッ……みは、あッ……待て、待て、ッ」
「待て? はっ、なに勝手なこと言ってんですか。これが欲しかったんでしょ? ほら味わって。死んだって止めてやんねー」
「ぃあ、っあ……!」
足を絡められているからか動きにくそうに小刻みな突き上げを繰り返す律動が、どんどん激しさを増していく。
寂しさとは別のベクトルで瞳が潤むくらい強烈な快感だ。
八つ当たりが混じっている。俺が好きだって言うのが、そんなに恥ずかしいことなのか?
「なん、で……っ? お前、好きで嬉し、のに、っゔっあ、ああぁ……っ」
「うるさい、口塞ぐぞいいかげん。生きてるだけで恥ずかしいドスケベな生命体は黙って感じててくれませんかね、ホント、全然無理なんで」
全然無理ってなんだよ。なにが無理なのか理由がわからない。
わからないが、俺への告白は三初にとって相当の羞恥を感じる行為だったらしい。
わかんね、けど、嬉しかったからもういい。うん。黙って感じておいてやるよ。……はは。俺のことが好きらしいぜ、みはじめ。ふはは。
考えるにやはり嬉しくなる。
両腕を前に伸ばして、俺は口元も目元も全てが緩みきっただらしない表情のまま、三初の首に腕を回した。
「ん、俺のもんだ、俺の、っは、あ」
「っ、俺に絡んでないで集中しててくださいってっ……。せっかく優しくしてやってんのに、バイブと二輪刺しとか、やでしょ?」
「あッ……んッ……んッいや、嫌だ……ッお前だけで、いい……ッふ…んぁ、あ……ッ」
「うん。そうね。俺だけに犯されたいのが先輩ですからね」
「あぁ……」
──そうだ。
俺は三初だけに、抱かれる。
シーツと三初の間でぬかるんだ体をくねらせ、自ら腰を揺らして腹の中を犯されながら、そうだそうだと何度も頷いた。
トットットッと早く小刻みなテンポで中のしこりをノックされると、なにも出さずに目の奥が白んで沸き立つような絶頂を迎えた。
「ぁく…ッ、あ、ッあぁ……ッ」
腹筋が痙攣して波打ち、背が弓なりにしなって、俺の体は大きく跳ねる。
またイった。三初に抱かれると気持ちいい。意味わかんねぇ。
延々とめいっぱい直腸の奥まで雄に埋められ犯されるだけの肉になったって構わないとさえ、散々焦らされた今なら思えてしまう。
酒で鈍った感度でもこれほど興奮し、もう勃起することができない男として役に立たない状態になってもかんたんに中イキするくらいには、俺は三初 要に染まっている。
「いいこですね」
「ん……っ」
そうやって俺が溶け切る頃になると、三初はもうすっかりいつも通りの余裕な態度に戻ってしまった。
それでもいい。三初がちゃんと俺を好きだと言ってくれてちゃんと甘やかしてくれたから俺は無敵だ。こっちを見ろと甘えた気分が、かわいがりたい気分に変わる。
なら、あとは存分に抱かれるだけ。
「ぁッ……あッ…いい……ッ、うッ……ッあ」
デカい男二人を支えるベッドがギッギッと文句を言うが、気にせず喘ぐ。
開きっぱなしの唇の端から唾液が零れ、顎を伝って首を濡らした。
本来組み敷く側の俺が、押し倒されて突かれている。愛しいとすら思う。
男の性器が中にあってそれで犯されて喘ぎ、呻き、汗ばみ、指先が肌をなでると震え、抓られ引っかかれると喉の奥がヒクンと戦慄く。
おかしい気もするが、こうして抱き合うことを俺は承知でコイツと付き合った。それもなんかおかしいか。いいか。
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