誰かこの暴君を殴ってくれ!

木樫

文字の大きさ
265 / 454
閑話 嫉妬×監禁×自堕落=最低カレシ

01(side三初)



 ※Twitterのマシュマロにて「三初の嫉妬を三初sideで」「監禁プレイorベランダプレイ」というリクエストをいただいたのでそれを融合させたお話ですぞ。

 ──────────

 月曜日が祝日であれば、金曜日の夜から三日と少し、連休ができる。

 その自由な時間を有意義に過ごすための買い物を終えた三初 要は、自宅であるマンションの一室に帰宅し、しみじみと呟く。

「別に、好きであぁいうことをしてるわけじゃ、ないんですけどねぇ……」

 ウォークインクローゼットに上着をかけ、軽く腕をまくってラフな姿になり、洗面所で綺麗に手を洗う。

 本日は日曜日だ。
 快晴な空が心地よく、時刻はまだまだ朝の八時すぎである。

 三初は冷蔵庫から適当な食材を取りだし、かんたんに朝食の準備を始めた。

 今朝のメニューはオートミールにジャムとミルクをかけたものと、細かく切った温野菜のサラダに決める。

 自分の分は外で済ませたので、これはオイタが過ぎた恋人──御割 修介のぶんだ。

 御割は朝が弱いので、未だに眠っているだろう。寝坊助な駄犬は、二日前からご宿泊である。

 そして三初は彼に、多少のモヤつきを抱えていた。

 もちろん朝食の用意をしてやるのはいつものことで、別段煩わしくはない。

 原因は他にあり、だからこそ、三初はあんなことしてあげたくなくても、解消のために敢行しているのである。

「んー……むしろ、優しさだと思うなぁ。あの人が俺のお気に召さないことを無自覚にするから、仕方なく、こんなことをするはめになってるだけでさ」

 クククと喉を鳴らして、機嫌よくホットココアをいれる。

 いや? 本当に怒ってはいるのだ。
 全然面白がってはない。ホントホント、マジギレに決まってる。

 しかしこうも楽しげであれば疑うことも無理ないので、現状を紐解いていくとしようか。

 ──この不機嫌の理由は、金曜日の昼間のこと。

 一流ホテルの有名パティシエが監修した、という煽りでタイアップした新商品の試食会を行った時だ。

 甘党である御割は、パティシエがホテルの宣伝も兼ねて用意したスウィーツの数々に、たびたび視線を奪われていた。

 仕事にはひたむきなので企画した試食会が成功しているか、きちんと目を光らせてはいたものの、あの視線はよそ見も兼ねている。

 顧客の反応や様子を確認してメモを取りつつ、プチビュッフェのテーブルで必ず多めに視線が止まるのだ。

 まぁ、三初でなければ気づかなかった程度なので、これはいい。

 思春期の中学生男子のような様子だったので気持ち悪いと蹴り飛ばし、満足した。

 元々束縛することはあまりないタイプだが、共にいる時のよそ見は許さない。

 これは嫉妬ではなく、独占欲だ。
 だが問題は、その後である。

 そのパティシエが食べてもいいとスウィーツを持ってきてからの御割は、三初としてあまりよろしくない行動ばかりを連発したのだ。

 まず、目を輝かせながら尻尾を振って近づいたのがいけない。

 プライベートなら甘味を前にした御割の口元はへの字に曲がるのだが、愛想笑いをしなければならないビジネスシーンにおいては、下手くそな笑顔になる。

 甘味の力を得た御割は、下手くそな笑顔を嬉しげな子犬スマイルに進化させてしまった。

 これは大問題だろう?
 当たり前、当然。常識。法律。

 三初に見せたことのない顔を三初以外に見せるのは、ナンセンスなのだ。

 彼の初めては全て恋人がせしめるのが道理に決まっている。

 頬を緩めてデレデレと受け取り、あまつさえうまいうまいとしきりに褒め、気を良くしたパティシエに名前を聞かれるなんて。

 言語道断だ。


感想 137

あなたにおすすめの小説

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ

BL
鍛えられた肉体、高潔な魂―― それは選ばれし“供物”の条件。 山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。 見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。 誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。 心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。

隣の親父

むちむちボディ
BL
隣に住んでいる中年親父との出来事です。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

またのご利用をお待ちしています。

あらき奏多
BL
職場の同僚にすすめられた、とあるマッサージ店。 緊張しつつもゴッドハンドで全身とろとろに癒され、初めての感覚に下半身が誤作動してしまい……?! ・マッサージ師×客 ・年下敬語攻め ・男前土木作業員受け ・ノリ軽め ※年齢順イメージ 九重≒達也>坂田(店長)≫四ノ宮 【登場人物】 ▼坂田 祐介(さかた ゆうすけ) 攻 ・マッサージ店の店長 ・爽やかイケメン ・優しくて低めのセクシーボイス ・良識はある人 ▼杉村 達也(すぎむら たつや) 受 ・土木作業員 ・敏感体質 ・快楽に流されやすい。すぐ喘ぐ ・性格も見た目も男前 【登場人物(第二弾の人たち)】 ▼四ノ宮 葵(しのみや あおい) 攻 ・マッサージ店の施術者のひとり。 ・店では年齢は下から二番目。経歴は店長の次に長い。敏腕。 ・顔と名前だけ中性的。愛想は人並み。 ・自覚済隠れS。仕事とプライベートは区別してる。はずだった。 ▼九重 柚葉(ここのえ ゆずは) 受 ・愛称『ココ』『ココさん』『ココちゃん』 ・名前だけ可愛い。性格は可愛くない。見た目も別に可愛くない。 ・理性が強め。隠れコミュ障。 ・無自覚ドM。乱れるときは乱れる 作品はすべて個人サイト(http://lyze.jp/nyanko03/)からの転載です。 徐々に移動していきたいと思いますが、作品数は個人サイトが一番多いです。 よろしくお願いいたします。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。