誰かこの暴君を殴ってくれ!

木樫

文字の大きさ
275 / 454
閑話 嫉妬×監禁×自堕落=最低カレシ

11(side三初)※微



 チュプ、と指を引き抜く。
 耳元に唇を寄せて、耳たぶを食んだ。

「なら、十秒あげるんで、この部屋から出てみてください。それができたら普通にシて、普通にダラダラ、あんたと過ごしてあげますよ」
「っぁ……」

 ワガママな飼い犬の望みを多少は叶えてやるのも、飼い主の務め。

 あっさりと身を引き、困惑する御割の尻をパシンと叩いてやる。

「はい、じゅーう、きゅーう」
「ま、待て、なん、っ」

 逃げ出そうともがく御割を見もしないでカウントダウンをしながら、三初は立ち上がってベッドの下のオモチャ箱を取り出した。

 四つん這いになってベッドから手探りで移動した御割は、ドサッ、と頭から床に突っ込む。

「いッ、…って、ふっ……」

 カパ、と箱を開き、リードがついた首輪とバラ鞭を手に取りながら、半端に快感を得て火照った体で尚も前へ進もうとする姿を眺めた。

「はーち、なーな」
「はっ……はっ……」

 御割が必死に這い進んでいるのは出口ではなく、パソコンが置いてあるテーブルの方向だ。

 立ち上がろうとしても案の定足に力が入らず犬のように前へ進む背中を、背後から見つめ、クククと笑う。

「ろーく、ごーお、よーん」

 クリームを塗布され艶かしくヌメる背中には、薄くなった鞭の痕があった。
 手足より少し白い尻だけが、赤く染まっている。

 壁にゴン、と頭をぶつけた御割を追いかけてゆっくりと近づくと、彼は壁に手をあてドアを探した。

 その哀れな姿を笑いながら追い詰め、見下ろす。楽しすぎる鬼ごっこだ。

「さーん」
「くそ、目隠し、外せよ、っ……」
「にーい」
「っみはじめ、か、感じるの、嫌だ……も、もう許してくれって……っ」
「いー……ち、ぜろ」
「ッあぁ……ッ!」

 許しを乞う愛らしい駄犬の肌に、バチンッ! と思い切り鞭を振り下ろした。

「残念。おやすみまで遊ぶコースですね? 嬉しくって笑えるわ」

 バチンッバチンッ、と続けざまに鞭で打ちながら、心から喜びの言葉を贈ってやる。

「いッ、ひっ……許して、もっい……ッ」
「んー? 許して? 先輩は悪いことしてないんですよね? 俺の気持ち、わかんないからこんな仕打ち受けてるんですよね?」
「やッ…ぁッ…はぁッ……!」

 御割の反応をつぶさに観察し、苦痛が過ぎないよう調整して虐めた。

 バラ鞭は加減すれば手で殴るよりも痛くないが、肌はすぐに赤く染まっていく。

 それに適度な痛みは不慣れなマゾヒストに、ちょうどいい快感をもたらす。

 泣き虫で迂闊な駄犬の躾には、ピッタリの道具だ。


「ぁっ…いッ…ご、ごめんって言って、ひっ……なっ殴んな、…もっ…逃げね、からぁ……っ」

 そうしてしばらく打ち続けると、御割はついに謝罪をし、三初の決定に逆らうことをやめた。

 ──ごめん? こんなにしつけているのにそんな聞き飽きたセリフしか出てこないなんて、許し難いだろう。

「ふっ……手ぇどけて」
「っ」

 縮こまってそれらしいことを言い出したので、打つのをやめ、打って変わって酷く冷たい声で命じる。

 別に、本当はもう、ちっとも怒っていない。これは本当。
 ただ痛みに抗おうと顔を庇っていた腕が、邪魔なのだ。



感想 137

あなたにおすすめの小説

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ

BL
鍛えられた肉体、高潔な魂―― それは選ばれし“供物”の条件。 山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。 見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。 誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。 心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。

またのご利用をお待ちしています。

あらき奏多
BL
職場の同僚にすすめられた、とあるマッサージ店。 緊張しつつもゴッドハンドで全身とろとろに癒され、初めての感覚に下半身が誤作動してしまい……?! ・マッサージ師×客 ・年下敬語攻め ・男前土木作業員受け ・ノリ軽め ※年齢順イメージ 九重≒達也>坂田(店長)≫四ノ宮 【登場人物】 ▼坂田 祐介(さかた ゆうすけ) 攻 ・マッサージ店の店長 ・爽やかイケメン ・優しくて低めのセクシーボイス ・良識はある人 ▼杉村 達也(すぎむら たつや) 受 ・土木作業員 ・敏感体質 ・快楽に流されやすい。すぐ喘ぐ ・性格も見た目も男前 【登場人物(第二弾の人たち)】 ▼四ノ宮 葵(しのみや あおい) 攻 ・マッサージ店の施術者のひとり。 ・店では年齢は下から二番目。経歴は店長の次に長い。敏腕。 ・顔と名前だけ中性的。愛想は人並み。 ・自覚済隠れS。仕事とプライベートは区別してる。はずだった。 ▼九重 柚葉(ここのえ ゆずは) 受 ・愛称『ココ』『ココさん』『ココちゃん』 ・名前だけ可愛い。性格は可愛くない。見た目も別に可愛くない。 ・理性が強め。隠れコミュ障。 ・無自覚ドM。乱れるときは乱れる 作品はすべて個人サイト(http://lyze.jp/nyanko03/)からの転載です。 徐々に移動していきたいと思いますが、作品数は個人サイトが一番多いです。 よろしくお願いいたします。

隣の親父

むちむちボディ
BL
隣に住んでいる中年親父との出来事です。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。