283 / 454
第七話 先輩マゾと後輩サドの尽力
02
しおりを挟む「三白眼の封印ってなんだよ。生まれつきのもんを封印とかできるか。テメェが封印されろ生まれつき悪魔暴君」
「生まれつきガラ悪い駄犬よりマシ」
「だから顔関連はほっとけっつってんだろコラ。それに笑えって言うけどな、お前俺の愛想笑い嫌いじゃねぇか」
「大嫌いですよ? 俺は見たら反吐が出ますね」
「ふざけんな死ね」
お互い社会人らしく従順に前を向きながら声はボソボソと罵りあい、足元はタップダンス並みの戦争を繰り広げる朝礼。
まぁ一応、コイツが俺の表情が好きなだけで顔が好きなわけではないことは、不機嫌な時に愛想笑いをしただけで胸ぐら掴まれたクリスマスでお察ししている。
俺の顔を貶すくせに愛想笑いは嫌いなんて、どうしようもない暴君だ。
イケメンに生まれたからって好き勝手言いやがって。この顔だけ大魔王が。
なってみろよこの顔に。
小学生の時点で既に女子に泣かれたことがあンだぞ。あだ名はヤクザ。極道。若。
あとは人混み割り機御割くんだ。
中学を経て、体が成長しきった高校では完成された眼光を身につけてすっかり〝なんか怖そうな人〟にカテゴライズされるハメになり、今に至る。
その頃には気が強くお気楽な男友達と友好を築いていたのでボッチではなかったものの、おかげでそうじゃない人との付き合いが壊滅的な下手くそへと育った。
コンビを組んでから行動を共にすることが多い三初はそのあたりを、高校からの幼なじみである冬賀に次いでよーくわかってる。
にも関わらず、安定の罵り。
いちいち癪に障るやつだ。
俺は踏み合いで痛んだ足をプラプラと揺らして、フン、とそっぽを向いた。
──朝礼が終わると、そのまま課内は日々の業務へと移行する。
俺と三初は現在、これといって主体になる新規の企画を進めていないので、初夏向けの企画を主体になって行っているアクティブ勢を横目に季節やイベントの関係ない企画の業務をするのが平時の仕事。
こういう下準備期間は主体コンビがたいてい生産工場やサブの下請け、販売先へとあっちへこっちへ出張に旅立つ。
イベント打ち出し本番前のやつらは逆にデスクにかじりつき、最終確認と段取りを決めて各所へ伝達。
まあとにかく、そういう新しい企画を考えて案が通るとやりがいと評価は上がるが、ものすごく忙しいってこったな。
なのでその間、手の空いているコンビが通常業務をなんとなーくやることになっているのだ。
報告会の予定を組んで資料の原本を作ったり、恒常企画をこなしたり、その他もろもろ。ひと月かけない単発企画とかもな。
今で言うと、俺と三初とその他数名。
ほぼ毎日決まっている業務なので、三初はだいたい午前で自分の担当分を全て終わらせる。俺を通して助っ人を頼まれても、小一時間で片付けた。
効率厨ここに極まれり。
そんなサイボーグみてぇなやつとゼッテェ仲良くなれねェ、と思っていたものだが──事実は小説より奇なり、だ。
今では俺の恋人である。
秋が近づいた夏に始まり冬に実った渋柿的なものだけどよ。
──まぁ、渋柿だってやりようによればそれなりに甘くなるもの。
なんとなくそんなことを考えて若干頬を染めつつ唇を尖らせ、鬼気迫る勢いで仕事をしていると、あっという間に昼休みの近い時間になった。
「御割先輩、そういう顔で仕事してんのは飼い主として感心しないなー」
「まだ人様のご尊顔に文句付ける気か鬼畜トレーナー」
できた資料を全員のデスクにバサー。
各種データを同僚に転送。コピーは依頼待ち。入力発注予定外のトラブルまで余すところなくバスター完了。
日報を書いて帰るくらいしか仕事が残っていない通常運転の暴君が、パソコンと格闘する俺の顔を覗き込みながら、淡々とクレームをつける。
25
あなたにおすすめの小説
BL 男達の性事情
蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。
漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。
漁師の仕事は多岐にわたる。
例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。
陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、
多彩だ。
漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。
漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。
養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。
陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。
漁業の種類と言われる仕事がある。
漁師の仕事だ。
仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。
沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。
日本の漁師の多くがこの形態なのだ。
沖合(近海)漁業という仕事もある。
沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。
遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。
内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。
漁師の働き方は、さまざま。
漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。
出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。
休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。
個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。
漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。
専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。
資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。
漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。
食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。
地域との連携も必要である。
沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。
この物語の主人公は極楽翔太。18歳。
翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。
もう一人の主人公は木下英二。28歳。
地元で料理旅館を経営するオーナー。
翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。
この物語の始まりである。
この物語はフィクションです。
この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
寮生活のイジメ【社会人版】
ポコたん
BL
田舎から出てきた真面目な社会人が先輩社員に性的イジメされそのあと仕返しをする創作BL小説
【この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。】
全四話
毎週日曜日の正午に一話ずつ公開
【完結】 男達の性宴
蔵屋
BL
僕が通う高校の学校医望月先生に
今夜8時に来るよう、青山のホテルに
誘われた。
ホテルに来れば会場に案内すると
言われ、会場案内図を渡された。
高三最後の夏休み。家業を継ぐ僕を
早くも社会人扱いする両親。
僕は嬉しくて夕食後、バイクに乗り、
東京へ飛ばして行った。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる