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第七話 先輩マゾと後輩サドの尽力
05
三初のことを考えて食事を進めていると、冬賀が「まさかお前が男とね~」とニマニマしながら話を振ってきた。
「ほらやっぱ、前立腺マッサージの店は役に立ったろ?」
「オイ。行ってねェからな?」
「お? なるほど。シュウが掘るほうなのか~」
「違ぇ。いや生物学上違うくねぇけど違ぇッ」
呵呵と笑う冬賀にガルルルッ、と唸り声をあげる。
そういえば、前立腺マッサージのできる風俗店のリンクが送られてきたこともあったんだった。
おかげで便所で抱かれた苦い記憶である。
俺としては、なるべく部屋の外ではしたくないのだ。
というか普通に公共の場で人がいると、後々迷惑だろうが。常識的に考えてよ。
あの時はド天然の冬賀にも、それを利用して俺の居場所を特定し脅しをかけてくる三初にも憤慨したもんだが……収まるところに収まった今は、懐かしく思う。
男と付き合うとか、人生で思ったことなかったしな。
そう思い返すと、自分が無謀な恋に挑んでいたことをしみじみと実感した。
例えば後ろでのセックスの知識であるとか、女じゃなくて男相手の勝手だとか、男同士の世界をなんにも知らなかったのだ。
それでよくも俺は三初と恋人になりたいと思ったもんだな。
今だって、俺は自分と三初のセックスであったり、この関係性がちゃんとアイツを満足させているのか、わからない。
三初が俺をちゃんと好きだってことはわかったから、まあ、気持ちの上では、不安にはならねぇけど。
言っとくが好きだって言葉にしてもらうのは、いつかゼッテェだ。
なぜって? 俺だけ言わされたのがムカつくからに決まってる。
俺とアイツはいつだって、勝ちたいわけじゃないが負けたくないっていう、そういう関係だからな。
「なぁシュウ。拗ねたり照れたりほくそ笑んだり忙しいっぽいけど、ちゃんとうまくやれてんのか? クリスマスイブの時散々空回りしてたじゃねぇか」
「あ……ッ!? アホッ! 百面相なんかしてねぇッ! ほ、ほっとけッ」
過去から現在の変化を噛み締めていると、冬賀に母親のような様子で心配と共に痛いところを突かれ、俺は頬を手の甲でゴシゴシこすって妙に裏返った声で否定した。
クソ、勝手に赤くなんなよ俺の顔。早急にポーカーフェイスを身につけやがれ、チクショウ。
理不尽な怒りも自分に湧く。
別に、照れ隠しとかじゃねぇからな。ケッ。
「ふぅ……で、なんだ。うまくやれてんのかって? 一応今は間男が現れてっけど、そいつはド変態のゲスだから問題なかったぜ。アイツはちゃんと、俺のことは好きで、俺のああいうめんどくせぇとこも、まぁ……別にイイってよ」
ゴシゴシと擦りすぎてむしろ赤くなった頬を諦め、今は空回りしてないと伝えるついでに安心させようと、少しだけ嬉しかったことも言った。
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