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第七話 先輩マゾと後輩サドの尽力
35※
「ッ、ぅうッ! うッ!」
「あぁ、安心してください。十分解しましたし専用ローションもたっぷり使って、国内純正ですから安全ですよ。それにこれ、とっても気持ちいいんです」
うるせぇッ! 笑って優しく言われようが安心できるかコノヤロウッ!
宛てがわれたものが機械式なのかただの異物なのかなにかわからないが、ろくなものじゃないことはわかる。
しかし俺が嫌がろうと、この男には関係ない。器具の支えがない足の間で生理的な反応を見せかける陰茎をマッサージしながら、ズブッ! とヌメった無機物が強引に捩じ込まれた。
「いッ! ッ、つ……ッ」
ヒュッ、と息が詰まる。
──クソ、痛ぇ、気持ち悪ィ……ッ。
ローションの滑りを借りた太く硬いシリコン状のなにかが、力に任せて半ばまで突き刺さる衝撃。
固く縮こまり侵入を拒む輪をこじ開けて内臓を押しあげられると吐き気がして、詰まった喉がヒクつく。
俺はブルブルと震えながらも、奥歯を噛み締めて不快感に耐えた。
だが我が物顔で俺の中に居座るそれは、ゴリ、ゴリ、と前立腺をすり潰しながら残り全てを中に埋めようと、狭い直腸内を拡張しながら進む。
「ッ……~~ッ、……~~~~ッ」
そうやって無理やり根元まで挿れられたせいで、入口の皮膚が裂け、ピリッ、としみるような痛みが生まれた。
いつも挿れているものより固く歪で、太くて長い。
それを力任せに押し込まれたものだから、プラグの先っぽがゴリュ、と直腸の突き当たりの奥、接続部を貫いて結腸の中へ丸く入り込んでいる。
流石にそこをいきなりこんなふうに犯されたことはなくて、ブワッ……! と血の気が引き、冷や汗が酷く湧く。
裂けた縁がジクジクと痛む。
筋肉が縮こまり、乱暴すぎる挿入で萎えた肉棒が身じろぐ。先端から糸が引いて、床が汚れる。
腹に穴が空きそうだ。そう疑う程度に不愉快な嘔気と膨満感が満ちている。酸味のある唾液を、ゴク、と飲み込む。
「あら……少し裂けちゃいましたか。すみません。でも御割さんのここは、こ~んなに逞しいプラグを美味しそうに咥えていますよ。ふふ、痛いからですかね、嬉しそう、かわいいなぁ……」
「ゔぉっ、ぉ……ふぁ……っ」
「御割さん、これね? 先端にボールが入っていまして、全体と同時に振動させると凄くイイんです。どんなに締めつけても止められないと言いますか……バイブの中で独立したボールがコツコツ壁を叩いて、お腹の奥の擽ったいところを激しく暴れるんです。どう思いますか?」
間森マネージャーの嘲る声が吐息ごと肌をなでるが、無視する。
コイツは構うと増長するのだ。
腹筋に力を入れて吐き出そうとするものの、押さえられているのか肉壁がグッと開くだけで追い出せない。
尻肉にピタリと触れるつっかえのお陰で引っ張り出せなくなるようなことは無さそうだが、安易に抜けないような形にもなっていた。
諦めきれず、ギュッ、ググッ、と中を締めたり緩めたり強弱をつけながら押し出そうと力を込めて抗う。
「んッ……ん、ん……」
そうすることで、皮肉にも三初に調教された内部は慣れたように快感を生み、貪欲に享受し、腰のあたりからゾワワ……ッと甘い痺れが走った。
ただそれは喜悦じゃない。
性感帯を刺激されて体が感じるだけの快楽で、喜びも悦びも無関係。
自慰と同じかそれ以下の生理現象。肉体が先走るクソみたいな条件反射だ。
冷や汗が頬を伝ったが、それでも俺は顰めっ面で床を睨む。
そんな俺の反応を見た間森マネージャーは、グッ、と唾液で濡れた顎を力強く掴み、逸らそうと抗う顔を無理矢理持ち上げてマスク越しに目を合わせた。
「はぁ……やっぱりめっちゃええ顔しはる……こんなんじゃまだまだ足りませんか? スイッチ入れたら、その筋金入りの意固地も折れてくれますか……?」
「ヴーッ」
眼光鋭く威嚇で返す。
甘ったるい猫なで声が心底気色悪い。筋金入りの変態野郎め。
そう楽に折れてたまるかよ。こちとらケツ切れてんだぞコラ。そりゃ唸るわッ! 後々便所でも唸るわッ!
「ふふふ、こわい顔。でも興奮、いえ安心しました。御割さん」
すると間森マネージャーは俺に見えるようにプラグのスイッチを見せびらかしながら俺の頬を鞭でペチペチと叩いた。
「職場では怖がられていますが、要くんといる時のあなたはそれほど危険には見えませんので〝狂犬〟という噂は大袈裟な誇張なのでは、と疑っていたんです。見掛け倒しだと……ですが、噂通りです。あなたは簡単に懐かない狂犬だ」
「この状況でまだ少しも弱る気配すらないなんて、それどころか隙を見せたら噛み砕かれそうな気迫で睨んでくるなんて……わかっていますか? あなた身動き取れず裂傷と打撲に血まで流しているんですよ? どうして弱らないのです? マゾだから? あぁ……っマゾヒストがこんなに可愛げがなくてノリの悪い顔をしてくれるなら、サディストになるのも悪くないかもしれない……っふふ、うふふ……っまだ、そうやって生意気な顔で睨むんですから……冷たい目をして」
「もっと怒りに任せて吠えるだけの抗い方かなと思いましたが、そんなに冷めた視線で荒く突き放すキレ方もできるんですか。やだなもう、うっとりしちゃう」
「かっこいいですねぇ、御割さん」
「でもかっこいい御割さんを虐めたら、要くん、怒るかなぁ……?」
「御割さんが折れる姿も最高だけど、御割さんを折って要くんがすごく怒ってくれたら、二倍イけちゃう……ふふふ」
ドン引きだ。完全にドン引きだ。
俺は理解できなければしたくもない気持ち悪い生き物を見る目で間森マネージャーを睨んだが、うっとりと征服欲に浸る間森マネージャーは、表情だけ見ると一瞬たじろぐほど妖艶で、ムカつくけれど美しい。言っていることはゲスだが。
ついでに三初を怒らせて楽しいのはこのゲスだけで、その場合三初の怒りは俺にも向くということを断言しておく。
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