誰かこの暴君を殴ってくれ!

木樫

文字の大きさ
395 / 454
第九話 先輩後輩ごった煮戦線

19※



「ゔッ……! ぉ、ンッ……はぁ……ぁ、硬ぇ、冷ぇけど、入って……ッ当、たる」

『ん、っあんた、ね……』


 見えないくせに無責任にその気にさせた極悪非道な彼氏様にもわかるよう、ちゃんと言葉にすると、通話の向こうで一瞬たじろぐ気配を感じた。

 やはり俺が気持ちよくなれば、コイツのペースは崩れるらしい。
 どういうわけか知らないが現実そうなのだからやらない手はない。

 全部教えてヤれば、全部伝えてイけば、俺の勝ち。そうだろ?


「ぁはっぁ……前触りながら、じ、自分で挿れちまった……ンっ……一人でイクから聞いてろよ…ぉ……っン……ンっ……」


 うつ伏せのまま枕に涎を垂らして両手を動かし、あんあんと喘ぎ散らかす。
 なるべく体を丸めて腕が届くように調整し、雑な抽挿を繰り返す。クソ、ヤリにくい。

 チューブに合わせて腰も振る。
 それでも刺激が足りなくて限界まで強く尻の筋肉を締めつけ、異物がもたらす感度を上げる。もちろんシコりながら。
 これでやっと、スゲェ気持ちいい。


『もう全然ぶっ飛んでんじゃないですか。なに突っ込んでんのか、な』

「ク、クリームの、チューブっ……」

『ふはっ、俺の代役ってチューブなの? やっすいなぁ。ん、ま、いいですよ。聞いててあげますから、ワンワンって、名前呼んで、イってみな?』

「ぁふ……っわん、ぁ? ァホ、名前」

『そ、名前。だって、そのチューブ俺なんですよね。ならちゃんと俺の名前呼ばなきゃ。先輩の中に入ってんのは俺だって、あんたはちゃんと認識してなきゃ』

「名前、は……っふ、ンっ…ンンっ……ぁあ……っケツやべ、ィク……っ」


 ビクビクと痙攣しながら激しく動くものだから、三初の声が聞こえるスマホが枕から滑り落ちる。

 俺はそれを追いかけて首を横向きに捻ったが、そのせいで体がドサッと倒れ、膝が胸につくほど身が縮まった。
 喉の奥で「ンッゔ」と悲鳴が引きつれる。


(マジで、イク、ィ、クっ……)


 下腹部にとごっていた快感の熱が解放にむかって、マグマのように沸き上がる感覚。

 チューブを咥え込む内壁がうねり、小刻みな蠕動を繰り返してしゃぶりつく。

 手の中で大きく育って濡れている屹立は、真っ赤に腫れあがっていた。

 イキたい、イキそう。
 犬みたいに鳴け? ふざけんな。
 名前を呼べ? 仕方ねぇな。

 思いがけずかわいいオネダリをする向こう側の男に抱かれる感触を思い出して、自分でチューブを出入りさせながら、スマホの画面をベロ、チュ、と舐めて通話口に密着するようなキスをする。


「はっ……かなめ、ぇ……っ」

『っ、の、勘違い淫蕩犬が……っ』

「要、要もぅイッちまう、イク……っぃ、ぁあっイク、かなめ、俺ぉ、っん、ぁ、あ、あ、ぁあ……っ」


 つもりなのだが、カチ、と歯が画面に当たってキスは失敗。

 熱い吐息と共にニチュニチュと激しく茎を擦り上げ、ギュゥ、と収縮する襞にチューブがくい込み、膨れ上がった官能が一線を超えて弾けた。


「ぁあ……っぁ、あ……──っ」


 ビュルッ…ビュクッ…ドクッ…、と脈動する性器が手の中に濃い精を吐き出す。

 掠れて溶け落ちそうな泣き声混じりの嬌声を、至近距離で通話口に聞かせながら、ちゃっかりイッたのだ。


『クソ、不意打ちとかマジでキモイ……っ普段名前って、そっちじゃねぇでしょ……それやられると、調子狂うわ……その声でそのタイミング、バカ……ん、っ……』


 ぐったりと脱力してシーツの海に沈みか細い息を吐いて余韻に浸る俺に、苛立ったような悪態が吐き捨てられ、少しの間を置いて後を追われた気配がした。

 全身に染み渡る甘やかな快感。
 波打つ筋肉と、気だるく弛緩する火照った肢体。肉棒が脈動するたび、手のひらにベタベタとかかる粘液。


「ん……っ…ふ、……は……、……」


 ハァハァと乱れた呼吸を繰り返しながら絶頂の余韻に浸り、靄がかかった視界でボヤボヤと脱力する。

 冷静になっていく頭の片隅で、ティッシュ用意しとけばよかった、と思った。気持ちわりィ。賢者タイム。


『あーあ……呼んでんの、想像してとか……有り得ねー……』


 怒っているように聞こえるぼやき。
 俺でもわかるような単純な感情を混ぜたわかりやすい文句は、聞かせる気のないただの独り言だろう。

 とはいえ独り言でもなんでも最後に一矢報いたのは俺なので、この勝負は俺の勝ちだ。認めたも同然だろ?


「ん……おらぁ……俺の勝ち、なぁ……」


 達したことで目の奥が一瞬白く染まり、五感が快感専用になり果てていた。

 まだ体に力が入らないので声に熱っぽい色が混ざったものの、俺は口角を上げて勝利宣言をする。

 本当のことを言うとボロ負けかもしれない。いや、ボロ負けだ。

 でもあの無敵メンタルに声でもわかるくらい焦らせたのだから、どうしたって俺の勝ち。異論は認めない。認めたら今の俺の惨事が哀れ過ぎる。




感想 137

あなたにおすすめの小説

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ

BL
鍛えられた肉体、高潔な魂―― それは選ばれし“供物”の条件。 山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。 見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。 誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。 心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。

隣の親父

むちむちボディ
BL
隣に住んでいる中年親父との出来事です。

またのご利用をお待ちしています。

あらき奏多
BL
職場の同僚にすすめられた、とあるマッサージ店。 緊張しつつもゴッドハンドで全身とろとろに癒され、初めての感覚に下半身が誤作動してしまい……?! ・マッサージ師×客 ・年下敬語攻め ・男前土木作業員受け ・ノリ軽め ※年齢順イメージ 九重≒達也>坂田(店長)≫四ノ宮 【登場人物】 ▼坂田 祐介(さかた ゆうすけ) 攻 ・マッサージ店の店長 ・爽やかイケメン ・優しくて低めのセクシーボイス ・良識はある人 ▼杉村 達也(すぎむら たつや) 受 ・土木作業員 ・敏感体質 ・快楽に流されやすい。すぐ喘ぐ ・性格も見た目も男前 【登場人物(第二弾の人たち)】 ▼四ノ宮 葵(しのみや あおい) 攻 ・マッサージ店の施術者のひとり。 ・店では年齢は下から二番目。経歴は店長の次に長い。敏腕。 ・顔と名前だけ中性的。愛想は人並み。 ・自覚済隠れS。仕事とプライベートは区別してる。はずだった。 ▼九重 柚葉(ここのえ ゆずは) 受 ・愛称『ココ』『ココさん』『ココちゃん』 ・名前だけ可愛い。性格は可愛くない。見た目も別に可愛くない。 ・理性が強め。隠れコミュ障。 ・無自覚ドM。乱れるときは乱れる 作品はすべて個人サイト(http://lyze.jp/nyanko03/)からの転載です。 徐々に移動していきたいと思いますが、作品数は個人サイトが一番多いです。 よろしくお願いいたします。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。