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第九話 先輩後輩ごった煮戦線
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ガゴン、と計測してラベルを張り付けたゴミ袋をコンテナに入れ、少し気落ちする。
別にスタッフと不仲な程度で、いちいち凹んではいない。
自分の短所が少なからず加速させている、というのが凹むところだった。
本当は……多少の憤りも感じている。
俺は、あくまで企画を考えて必要な取引を各部署や会社とし、実働部隊が問題なくイベントや販売を行えるようにするのが仕事なのに。
例えるなら、俺は自社の新製品が売れるように宣伝して工夫を凝らしてマーケットに納品するが、それを棚に並べたりはしないということ。
レジを打ったりしない。
当たり前だ。
自分が接客業が不向きなことを、ちゃんとわかっている。
わかっているから裏方の職種の会社に入ったわけだ。
なのにこうしてトラブルでもない、顧客が多くなるという御の字な現象が起こって、不慣れなことをしなければならなくなった。
希望の会社に入ろうとも、そこでの仕事内容は選べないという、いい例である。
これは好機なのに、俺は要領が悪くてコミュニケーション関連が下手くそだから、その好機を生かせていない。
主体じゃない俺が竹本と担当を交換することは無理だ。スムーズに行かなくなる。
あんなに下準備をしてトラブル対策も頭に入れたが、まさか一番どうしようもないことで躓くなんて、思わなかった。
「……あー……クソ。……最低だな」
綺麗に手を洗って消毒してから、従業員用のトイレを出る。
小さい声の悪態を吐いたのは、脳裏に浮かんだ元相棒のありがたみと自分の不甲斐なさを同時に痛感したせいだ。
『それ、あんたより俺向きの仕事でしょ。あんたは邪魔なんであっち行ってください。ハウス』
いつもさりげなくフォローしてくれていた、アイツを思い出す。
問題解決担当は、アイツだった。
合理的ではない俺にほんの少しクールな手助けをする。
竹本が悪いわけじゃない。
ちょっと軽率な行動が多いが竹本はできるやつで、いいやつだ。
スタッフの不満には気づいていないし、接客が俺に向いていないと気づいていても、フォローする余裕がないんだろう。
俺だって、竹本に迷惑をかける気はねぇんだ。
経験不足の企画で勝手がわからないからって、自分の苦手な仕事だからって、そんなことは言い訳にしかならない。
仕事ならばやらなければならないのが、大人というものだ。
多くの社会は、そういう仕組みになっている。
ただ、ただ、思い出してしまう。
「………三初」
俺に合うのは、仕事でも、やっぱりアイツが一番なんだろう。
不慣れな仕事だろうがなんだろうが、今一緒に仕事をしているのがアイツだったら、もっとイイ空気で呼吸ができた。
こういう弱音も、アイツにならなんでもない愚痴として、吐き出せた。
笑い飛ばしてくれると知っているからだ。
バックヤードを出て早足に戻りながら、くだらないもしも話を考えた。
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