誰かこの暴君を殴ってくれ!

木樫

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会話文 御割流・クリスマスの過ごし方

01


◆皆さん、メリークリスマスですぞ!


 ──御割宅。

「で? これが先輩が毎年お楽しみにしてたクリぼっちの過ごし方ですか」
「クリスマスの過ごし方だって言ってんだろテメェ言葉を全て悪化させねぇと死ぬ妖怪かッ!」

 チキン、ケーキを用意してテーブルに並べ、適当に借りてきたデデニー映画を見ながらソファーにならぶ二人。

「興味ないから俺のクリスマスのやり方でいいとか言ってだらけてたくせに、文句だけは言いやがって……!」
「俺デデニー興味ないんですよね」
「文句だけは言いやがって!」

 御割が頭突きをしようとするが、三初はサッと避けた。

 御割は舌を打ち、反撃をあきらめる。
 機会があればまだ殴ろうとは思っている。

「玄関にちっちゃいツリー飾ってあったの、あれも毎年ですか?」
「おう。いいだろ。昔土産で貰った海外のツリーだぜ。箱から出すだけだけど、結構綺麗なんだよな」
「ふぅん。誰ですかね」
「あ? 誰って言っても、大学のダチだかンな……お前の知らねぇやつ」
「へぇ。俺の知らない人のお土産毎年飾ってるとか、先輩サイテー。デリカシー枯渇シテルー」
「は!? なんでそうなったコノヤロウ! コテコテの高音でおちょくってんなっ」
「んー? 別にー?」
「な、なんだよ、意味ありげにこっち見んな。シンバ見ながらピザ食ってろ」
「やです。シンバよりこっちのが愉快」
「お前それ恋人に使う形容詞じゃねぇからな」
「ねぇ先輩。恋人なら俺のプレゼントもどっかに飾っといてくださいよ。媚薬のビンとか」
「なんでよりにもよってそれ飾らせようとすんだよひねくれ暴君ッ! あとシーフードピザのとこは俺の陣地だろうがッ! 勝手に食うなッ! 俺のプライドランドから出てけッ!」
「貝柱うまいな~」
「崖から突き落とすぞこのマイペース鬼畜星人……ッ!」
「どうどう。俺のハチミツチーズ分けるんで鎮まりたまえ。ハクナマタタですよ、ハクナマタタ。ね? ほら言ってみ? ハクナ?」
「マタタァァァァッ!」
「ふっ、全然やなこと忘れて平和的にじゃないじゃないですか」
「避けんなッ! 殴らせろッ!」
「うわ、ちょっとソファー狭いのに襲いかからないでくださいよ鬱陶しいな」
「言うにことかいて鬱陶しいってなんだコラッ!?」
「あー死んじゃうースカー助けてくれー」
「誰がスカーだ誰がッ! ムファサに謝れッ! そしてなにより俺に謝れッ! 今すぐ土下座しろッ!」
「ごめんねムファサ」
「俺に謝れぇぇぇぇぇぇッ!」

 ~しばらくお待ちください~

「疲れた……無駄に疲れた……」
「ハチミツチーズは?」
「死ね……食わせろ……」
「やかましいなぁ」
うむへぇうるせぇ……」

 ハチミツチーズピザを無自覚にあーんさせる御割と、わかっていてノる三初。

 やっぱり映画より愉快でしょ、と内心で言ってみるが、御割がわかっているわけがないのだ。

「んぐ。結構うめぇな」
「でしょ。この甘いのはイけるんですよ」
「わかるわ。てか三初ェ」
「なんですか」
「プレゼント飾れって言うけどよ、そもそも俺お前に貰った時計毎日使ってんだろ。飾る時ねぇんだよ。後は飾るもんでもねぇし」
「あー……はい。まぁ、そうですね」
「あ? ンだよその生ぬるい目は」
「別に? 強いて言うなら、その件はもういいですってことかね」
「はっ? 人を散々おちょくったくせに飽きてんのかよテメェ自由すぎるわっ」
「んー……飽きたってか……満足したってか……」
「もう知らん。テメェにやるチキンはねぇ。クリスマスプレゼントもやんのやめにしてやらァ。一人寂しくポテトでも食ってろクソサド野郎」
「あ、クリスマスプレゼント用意してくれてたんですね。やったー嬉しー」
「アッ!?」
「ってことは、俺とチキン食べてデデニー見ながらクリスマスすんの、めちゃくちゃ楽しみにしてたとか?」
「ンなわけあるか自意識過剰なんだよッ」
「顔真っ赤ですけど」
「リモコンどこだッ! 暖房強すぎだわッ!」
「あらら……あーあ。せっかくクリスマスプレゼントあげようと思ったのに、逃げちゃうのか。残念だなぁ~」
「誰が逃げるか死ねッ!」
「くく、顔真っ赤なまま戻ってきた」

 ~この後死ぬほどメリークリスマスした~


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