451 / 454
番外編 チョコレート・ジェラシー
02
「あっま……これほぼ砂糖でしょ」
「じゃあ舐めんな。つーか三初、お前さっきからなにがしてぇんだ? 言いたいことあるならさっさと言えよ。遊びてぇなら一人で遊んどけ。仕事の邪魔すんな」
チョコを舐めておいて当たり前のことに萎える三初に、呆れて腕を組む。
気まぐれ暴君の俺イジメはいつもこうだが、今日はなにか言いたいことがあってちょっかいを出したっぽいんだよな。なんとなくだけどよ。
暇つぶしにしてはしつこいだろ?
意味わかんねぇし。
あとコイツが別に? って言う時はだいたい別にしてねぇ。だいたい本題だ。
んでその本題は聞かなきゃ言ってこねぇ。クソめんどくせぇいっぺん殴りたい。
さっさと吐けコラと睨むと、三初はパチパチと瞬きをして俺を見つめる。
それから渋い顔で目を逸らし、出しっぱなしだった舌をそっとしまった。舌片付け忘れた猫か。
「はぁ……激にぶトンチンカンのくせに、たまーによく見てんだよなぁ……」
「あぁん? なんだって?」
「べーつーにぃー」
「なんだその言い方」
「さぁね。ま、たかがチョロル一個であんなアホ面晒す駄犬の横っ面が見るに堪えなかっただけですよ。そんなに特別なもんなんですかね。どうせ食ったら脂肪になる駄菓子を大事そうに食っちゃってまぁ……あんた繁忙期バラエティパック半日で空にしてるでしょ? 珍しいもんでもないでしょーに」
「チョロル?」
キョトンと首を傾げる。
脳内一面ハテナだらけだ。三初が質問を渋っていた意味がわからない。
んだよ。今更なに言ってんだ? 俺は常日頃チョロル食って喜ぶ男じゃねぇか。
そらまぁ普段はニヤけねぇように顔に力入れてっけど、一瞬気ぃ抜くぐらいいいだろ。それをお前んなこと言いやがって。
だって要するにあれだろ?
お前俺がなんでそんなに食い慣れたチョロルを喜んで食ってんのか気になって、なんでですかーって聞こうとしただけだろ?
ハテナだらけで首を傾げると、三初は「わかんなくていいから。回答。至急」と急かした。なんだお前。
全くついていけないが、俺はハテナを浮かべたまま渋々と説明する。
「いや、特別なもんじゃねぇぜ? 予想外の糖分で得したっつーか……今日バレンタインだろ? だから誰かがデスクに置いといてくれたんだよな」
「は?」
「しかも俺の一番好きな種類でよ。いつもバラエティパック食ってんのによくわかったな、とか思ったらしてやられた気がして、なんか笑えてよ」
「…………」
「別に俺の食の趣味とか会社じゃ言ってねぇけど知られて困るもんでもねぇし、義理でも割と嬉しいっつかなんつーか……」
「…………」
そら嬉しいよな?
俺はバレンタインにチョコを食いまくれるって理由でイケメンに生まれたくなった男だし。
バレンタインは毎年仕事帰りデパ地下で自分用チョコを買い漁るところ、まさかのチョコを貰って夢が叶った気分だ。そういう意味の嬉しいだ。
思い出すと気分がアガッてもにょもにょとニヤケを耐えつつ語ると、またしても隣から「ヒェ」と悲鳴が聞こえた。竹本うるせぇ。
あなたにおすすめの小説
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
零
BL
鍛えられた肉体、高潔な魂――
それは選ばれし“供物”の条件。
山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。
見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。
誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。
心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
またのご利用をお待ちしています。
あらき奏多
BL
職場の同僚にすすめられた、とあるマッサージ店。
緊張しつつもゴッドハンドで全身とろとろに癒され、初めての感覚に下半身が誤作動してしまい……?!
・マッサージ師×客
・年下敬語攻め
・男前土木作業員受け
・ノリ軽め
※年齢順イメージ
九重≒達也>坂田(店長)≫四ノ宮
【登場人物】
▼坂田 祐介(さかた ゆうすけ) 攻
・マッサージ店の店長
・爽やかイケメン
・優しくて低めのセクシーボイス
・良識はある人
▼杉村 達也(すぎむら たつや) 受
・土木作業員
・敏感体質
・快楽に流されやすい。すぐ喘ぐ
・性格も見た目も男前
【登場人物(第二弾の人たち)】
▼四ノ宮 葵(しのみや あおい) 攻
・マッサージ店の施術者のひとり。
・店では年齢は下から二番目。経歴は店長の次に長い。敏腕。
・顔と名前だけ中性的。愛想は人並み。
・自覚済隠れS。仕事とプライベートは区別してる。はずだった。
▼九重 柚葉(ここのえ ゆずは) 受
・愛称『ココ』『ココさん』『ココちゃん』
・名前だけ可愛い。性格は可愛くない。見た目も別に可愛くない。
・理性が強め。隠れコミュ障。
・無自覚ドM。乱れるときは乱れる
作品はすべて個人サイト(http://lyze.jp/nyanko03/)からの転載です。
徐々に移動していきたいと思いますが、作品数は個人サイトが一番多いです。
よろしくお願いいたします。