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英国上陸篇
07.5:EPISODE ENDS
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[2044.04.30 12:41]
ロンドン・某大学
「な、なんてことだ…。私が生涯を賭けて解いたこの難題を…この小さな子が…?」
物心が着く頃、僕は世間から''神童''と呼ばれていた。でも、そんなことどうでもいい。僕はただ、計算を解くのが楽しくて仕方ない。自慢する両親や、驚愕する学者たちに一切の興味が持てなかった。
僕は計算を解くために生まれてきた。幼少の頃からそう教えられたけど、何か違和感を感じると、この頃になって気が付き始めた。
違和感を感じたけど…どうでもよかった。人に頼られるとかそういうのじゃなく、僕はやりたいことをやるだけ、ただそれだけだった。
アリストテレスの定理、オイラーの等式、ポアンカレ予想、ベイヌール数、デカルトの符号法則、ミンコフスキーの不等式とその証明…。
この世にあるありとあらゆる数式を僕はたったの''11歳''で解いてきた。自分で言うのもなんだけど、世界から注目されてもおかしくない。
その圧倒的な計算の脳を使って、十五歳の頃からある設計を依頼された。なんでも依頼者から「今後人類史上最悪の戦争が起こる」とか言う。
もちろん、最初はそんなもの信じなかった。馬鹿馬鹿しい、未来を読める人間なんて誰一人としていない。ましてや、仮にその日が来たら何が起きるんだと心底そう思っていた。
…あの日までは。
[2046.8.14 14:14]
ロンドン・某研究所
「いいかい、これが''悪魔''だ。歴史の裏に潜み、人に化け、血肉を食らう、非道的な存在なのだよ」
''悪魔''。目の前にいる大人はそう呼んだ。視線の先には防弾ガラスに覆われたケースの中に人とも動物とも呼べない存在が手足に鎖で拘束されたまま牙を剥き出して僕達に襲い掛かる。
何度も何度も頭を打ち付け、ガラスを割ろうと試みるが、皮膚の部分が腫れ上がり、血が吹き出すだけでビクともしない。それでも何度も何度も頭を打ち付けるあたり、どうやら悪魔という存在は人間のような知識がないというのが理解出来た。
「…馬鹿の一つ覚え。これがどうしたんですか?」
だから僕は驚きもしなかった。どんな外見であろうとも僕より知識が劣ってるのなら驚く必要なんてないからだ。
自分は胸張って言う、僕は天才だ。天才だからこそ、目の前にいる悪魔を見れている。つまり歴史の上に立っているんだ。
でも理解出来なかった。何故このような生物が恐れられているのか。確かに血肉を喰らうという部分だけ聞いてみたら恐ろしい他ないが、知恵がない以上、人類に勝ち目は目に見えてるようなもの。
勝敗を分ける時はいつも知恵だ。かのナポレオンでも戦術における知識や作戦で勝利を収めている、いい例えである。現代の日本もそうだ、戦争のない平和ボケした人間でもいざやろうと思えば対抗出来る。それなのに何を対策しろというんだ。
「不満そうな顔だな。でも、これを見て同じ顔が出来るかね」
パンパンと手を叩くと現代兵器の代表である拳銃を持った兵士がケースの中へと入っていく。それを見た悪魔は無論、入ってきた人間を襲おうと飛び出すけど、鎖で縛られているため体の自由が効かなかった。
悪魔が動けないことをいいことに、拳銃を持った人間は銃口を悪魔の額に向け、引き金を引いた。パァンと乾いた音が三回聞こえると弾道は一直線へ飛び、悪魔の額を貫いた。
もちろん、撃たれた悪魔は額に風穴が開くとがっくりと動かなくなる。ぽたぽたと生き物ではありえない黒い液体を撒き散らしながら俯いたままピクリと一ミリも動かない。
「え…」
けど、ここからの出来事は予想外の展開となる。メキメキと嫌な音が聞こえてくると悪魔の額が再生を始めた。決して早い訳では無いが、ゆっくりと傷が塞がると再び暴れ始める。
思わず自分を疑った。この世に傷を瞬時に回復させる生命体なんて居ない。もしそれが居たら神か、また別の何かとしか思えないからだ。
さらに言えば、傷が癒えた悪魔は先程より凶暴化し、拘束していた鎖が力に耐え切れず糸のようにブツリと引き裂いた。やっとの思いで自由になった悪魔は銃を持った人間に襲い掛かると首を絞め、腹部目掛けて牙を突き刺す。
室内に響き渡る男の断末魔。すぐに反撃しようと銃を構えて引き金を打つも悪魔はピクリともしない。先程より治癒速度が早くなってるのがわかる。
「…驚いただろう?我々の知識や兵器がどれほど優れていようが、奴らには敵わない」
目の前で同僚らしき人物が食われているというにも関わらず、平然とした顔で僕に説明してくる大人。この人は只者じゃない…とにかく嫌な予感がして額から嫌な汗がスーッと頬を伝って流れ落ちる。
久々に感じた恐怖。ゾクゾクと背筋から悪寒が撫でるように流れ、気が付けば体が震えていてそこから一歩も動けなかった。
力を失った男は地面に倒れ込むと悪魔はその死体を手に取って貪り食う。辺りに内臓や千切れた四肢、首まで転がる中、見慣れない服装をした人間が見慣れない銃を持ってやってきた。
次の獲物に歓喜したのか、悪魔は甲高い声を上げ、手から鋭い爪を伸ばすとそれを構えて突っ込んでいく。対して武装した大人は肘を曲げて前へ突き出すと悪魔の牙を受け止める。
肉が喰い込むことなく、また血が吹き出す様子もない。ただガリガリと何かを引っ掻いたような音が聞こえてくる。その直後、大人はもう片方の手で握っていた見慣れない拳銃を取り出し、構えるとそのまま引き金を引いた。
先程とは違い、バァンと普通の拳銃とじゃ比にならないほどの大きさに僕は思わず耳を塞いでしまった。打ち出された弾丸がよく見えなかったけど、ビビって瞑っていた目を開くと再生せず、灰になって消えていく悪魔の死体が視界に入った。
何が起きたんだろう。銃の見た目が変わっただけで原理は同じだと言うのに悪魔が消滅していく…。一体何故…?
「だが、私が独自に開発した''銀弾''があれば悪魔など容易く殺せる」
隣にいた大人は手袋をした手で何かを摘み、僕に見せつけてきた。あったのは一回り大きい銀色の弾丸、銀弾と呼ばれた弾丸だった。この大人が言うに、これで悪魔を簡単に殺せるらしい。
でも何かしらの対策があるのなら恐れる必要なんてないじゃないか。それを量産してしまえば悪魔なんて恐るるに足りない。
「殺せる、のだが…まだ未完成なものでね…。銀弾は通常弾の火薬量の約十数倍。普通の拳銃で引き金を引いてしまえばあの通りだ」
僕が思考を過ぎらせていると大人は指を指して言ってきた。ふとその方向へ視線を向けると銃口が皮が向けたバナナのような形で破壊されている。また男が着けていたガントレットのような鎧も完璧とは言えないようで、噛まれた箇所に大きな穴が空いていた。
死体が処理される中、僕は固唾を飲んだ。彼らの技術に対する驚きでも、悪魔という血肉を食らう存在に対する恐怖でもない。
完璧にしたい。僕の頭脳を持って設計し、来たる最悪の日まで間に合うまで、無駄のないものにしたい。
「…目の色を変えたな。では交渉だ」
僕の顔を見て察したのか、大人はしゃがみこんで視線を合わせると手を差し伸べてきた。この大人が何を企んでいるのかまではさすがにわからないけど、自分の身を守れるようならば僕は構わない。
「君には我々に協力してもらう。その対価は金額で支払おう」
「…わかりました」
無論、断る理由もなく。僕は大人の手を握り、成立した証として握手を交わす。そういえば名前を聞いていなかったので、自分から名乗ろうと思ったが、それを遮るように先に口を開いてこう言った。
「私は''ヨルハ・アンダーソン''。後に歴史にその名を刻む男だ」
[2049.02.06 17:41]
ロンドン・某病院
「そんな…先生、何とかならないんですか…?」
…なにか声が聞こえてくる。聞こえる方向に目をやりたいけど何も見えない…。辺り一面真っ暗で、僕がどこにいるのか分からない。
ただ体勢ならわかる。どうやら僕は仰向けになって寝ているらしい。体感も何かに覆いかぶさっているような、そんな感覚だった。
「…ダメです、いくらなんでもこの傷は大きすぎる…。今後回復する見込みは…」
待って欲しい。僕を置いて何の話をしているんだ。傷?大きい?回復する見込みはない?一体全体どういう意味なのか理解出来なかった。
それに何故だろうか…。こうなってしまった原因が思い出せない。確か僕は…悪魔がいて…ヨルハがいて…それから…。
…待って。悪魔って何?ヨルハって誰?おかしい、全く聞き覚えのない言葉なのになんで僕は口走ってるの?僕は…僕は…
…僕は、誰だ…?
[2049.02.07 16:14]
ロンドン・病室
あれから時間が経った。僕は暗闇から目覚め、両親…と名乗る男女の大人と自分の弟だと言い張る少年に見守られながら病院生活を送る。
何でも、僕の症状は全健忘…簡単に言えば記憶喪失らしい。通りで前までの記憶が無いというわけだ。
ただ生きてるだけマシだと思っている。原因はトラックによる交通事故で、その際に強く頭を打ち付けたようだ。その引き換えに今までの記憶が飛んでしまったという。
正直怖かった。前までの自分は一体どのような人間だったのか、記憶が無い今だとやってきたこと全て水の泡になってしまうんじゃないかと、言葉に出来ないような恐怖が迫ってきてる。
怖くて震えてる時、いつも両親が僕の手を握って落ち着かせようとするが…僕は気付いてしまった。笑顔の裏にある、何か失望したような視線を。
[2049.03.14 09:34]
ロンドン・某在宅
一ヶ月弱、僕は退院した。初めて…いや正確には久々に外の空気を吸う中、車と呼ばれる乗り物に乗り込むと一つの一軒家に辿り着いた。両親と弟が降りて扉に鍵を差し込み、ロックを解除すると中へと入っていった。どうやらここが僕の家だと認識してもいいみたいだ。
家に入るや否や、父が「自分の部屋を見てきてはどうだろうか、何か思い出すかもしれない」と言ってきたので自分の部屋を探して扉を開けた。
「………」
自分の名前が書かれてる扉を見つけたのでドアノブに手をかけて開けてみると、僕は言葉を失った。壁にはホワイトボードが掛けられており、見たことの無い数字が端から端までズラリと並んでいる。
何かの計算式なのだろう、数字だけでなく何かの文字も見えた。前の自分がどれほど博識なのか理解したが…今となっては何を書いていて何を求めていたのかわからない。
さらに言えばそれだけじゃない。ふと机に目を向けるとボロボロのノートが一冊置かれていたことに気付き、手に取ってパラパラと開く。これもホワイトボードと同じく、数字や文字がビッシリと並んでいた。
一通り読んだ僕はあるものを見て目を見開く。そこには''最悪の日''や''対魔導器設計図''、''悪魔、聖書、聖水、銀弾''…何もかも聞いたことも見た事も無い言葉ばかり並んでいる。
何を言ってるんだ、過去の自分は。そう疑問に思っていると何故だか急に視界がボヤけ始め、瞼の裏から熱を感じ始めた。
…何故か泣いていた。こんな見ず知らずのノートを見て、なんで涙が出てくるのか分からない。恐怖によるものじゃない、これは…悲しみだ…。
「…………!!」
…下から怒鳴り声が聞こえた。どうやら下で両親が揉めているらしい。僕は気になってゆっくりと階段を下って下の階の様子を伺う。
そこには電話の受話器を握りしめ、怒りの形相で怒鳴る父に泣きながら弟を抱きしめる母、そんな母を受け止め、共に涙をする弟。理解し難い光景に僕は空いた口が塞がらなかった。
「もういい!!何が悪魔だ!!アンタらを信用した私たちが馬鹿だった!!」
父はそう言い残すと乱暴に受話器を元に戻し、深呼吸をすると頭を抱えた。何が起きたのかわからないがただ事じゃないと言うことだけわかった気がする。
泣きじゃくる母を置いて父はやっと僕の存在に気付き、こちらに振り返る。目と目が合うと父は一瞬ハッとしてすぐ笑顔になった。
ただ…その笑顔に僕は悪寒を覚えた。何か裏がある、記憶をなくしたとはいえ、それぐらいのことなら一瞬で理解した。
…信じたくない。信じたくないが、確かめる必要がある。さっき父は電話相手に''悪魔''と言っていた。僕の部屋にあったノートには悪魔に関することとそれに対策するための道具などこと細かく書かれ、さらには父と母のあの態度を見て察しがつく。
この人たちは…この人たちは…。
「ね、ねぇ父さん、母さん。…僕のこと、愛してる?」
…束の間、両親は互いに視線を合わせるとこくりと頷いた。
「…当たり前だろ?私たちは家族だ」
「えぇそうよ。記憶がなくなっても愛してるわ」
…あぁ、やっぱりそうだったのか。今の言葉を聞いて僕は確信した。
動揺して声が震えている。偽りの笑顔の裏に潜む失望した視線、そして嘘で塗り固められた言葉、なにより軽蔑するような弟の瞳。
…僕は''愛されていない''。この人たちが愛してやまなかったのは''僕の頭脳''だったんだ。
[2049.04.21 12:36]
ロンドン・某在宅
それからというもの、僕は部屋から出られなくなった。両親の顔なんて見たくない、今はこの一人だけの空間が愛おしい。
それでも僕の心に付いた大きな傷跡が癒えることなんてなかった。忘れたくても思い出してしまう、あの時の偽りの笑顔に。
『…………』
僕はなんのために生まれてきたんだ。こんな事になるなら自殺する方がマシだと思ったが、そんな勇気もない。
もう居場所なんてない。流れていく時間を一秒ずつ感じ取るだけで何もしたくない。
『…わ……うに…』
…どこからともなく声が聞こえてきた。それもただの声ではなく、低い声が何重にも重なったような声が。
どこだどこだと辺りを見渡すも何もいない。でも確かに何かがいる、それも相当近くに。
『可哀想に…』
辺りを見渡しているとハッキリとした声が聞こえた。その直後、僕の目の前で赤黒い何かが広がると血飛沫を上げながらあるものが飛び出してきた。
そのあるものとは、人間の脳のようなものだった。口はないものの、代わりに飛び出した眼球が僕を見つめ、何度も『可哀想に、可哀想に』と繰り返して言う。
初めて見るが、一目見てわかった。こいつがあのノートに書かれていた''悪魔''だ。
『人間は醜い。常に何かしらの欲にしがみつき、それが叶うとわかった途端とことん利用する。そしてそれの価値が無くなると簡単に切り離す』
脳みそのような悪魔は言う、というより頭の中からそう聞こえてくる。テレパシーというやつだろうか、不思議な気分だった。
触手とヒレを合わせたようなものを伸ばし、僕の頬に触れるとギョロギョロした目で視線を合わせてこう言ってきた。
『でも、その醜さがいい。欲望を叶えたいこそ何をしても厭わない、その人間が醜くて醜くて仕方がない』
声からして笑っているのだろう、証拠に触手が激しく揺れる。人間の醜さに対して軽蔑し、同時にそれを人間らしいと主張する。
言葉が矛盾している、もうめちゃくちゃなことを言っているが、悪魔とはこういうものなのかと何故か納得してしまう自分がいる。
『何故納得してしまうかわかるか?お前も欲を求めている、だから私がお前の目の前に現れて語り掛けている。人はみないつしか堕落する。堕落するからこそ欲にしがみつく。今もお前の中から聞こえてくるぞ…''人に認められたい知能が欲しい''と』
…そうだ、僕は欲しかった。前の記憶より凌駕する圧倒的な知識を。人に認められたい知恵を。そして誰よりも劣らない脳を。
僕は欲する。この身が堕落しようとも欲しいものは欲しい。そう思うと気が付けば口からヨダレが下垂れてきた。
洗脳されている訳では無い。それだけは自覚出来る。これは自分の意思、そう、自分で決めたことだ。
『さぁ、人よ、身を委ねよ。お前は私に何を望む?』
「僕は…」
そんなもの、決まっている。僕はお前を…
[2049.04.22 00:02]
ロンドン・某在宅
この日、僕は初めて人を殺した。相手は父と母、そして弟。自らを''ファラリス''と名乗る悪魔と契約したからか、前の時よりも体が軽く感じる。
悪くない気分だ。でも何かスッキリしない。何故だか同じ人を殺しても何も感じない。
歓喜でも憎悪でも哀愁でも罪悪感でも激怒でもない。ただ残ってるのは無、何も感じなかった。
そういえば契約の際、ファラリスがこんなことを言っていた。『望みは自由。だがそれを叶えると同時にそれ相応の対価を支払え』と。
…あぁ、そうか。僕に足りないものがわかった。僕に足りないものは''痛み''、痛みがないから殺しても、自分自身の体を改造しても何も感じないのか。
でもそんなのダメだ。僕は絶対的な知識を持っている。知らないことがあってはならない、痛みを知る必要がある。
痛みってなんだろう。どんな感覚でどんな気持ちになるんだろうか、気になって仕方がない。
…なら、こうしよう。僕が痛みを知るまで人を殺し続ける。子供、女、老人関係なく、みな平等に殺す。苦痛の叫びを聞いたら何かわかるのかもしれない。
僕は廃棄物。かの大人に捨てられ、痛みを追求するもの…
ロンドン・某大学
「な、なんてことだ…。私が生涯を賭けて解いたこの難題を…この小さな子が…?」
物心が着く頃、僕は世間から''神童''と呼ばれていた。でも、そんなことどうでもいい。僕はただ、計算を解くのが楽しくて仕方ない。自慢する両親や、驚愕する学者たちに一切の興味が持てなかった。
僕は計算を解くために生まれてきた。幼少の頃からそう教えられたけど、何か違和感を感じると、この頃になって気が付き始めた。
違和感を感じたけど…どうでもよかった。人に頼られるとかそういうのじゃなく、僕はやりたいことをやるだけ、ただそれだけだった。
アリストテレスの定理、オイラーの等式、ポアンカレ予想、ベイヌール数、デカルトの符号法則、ミンコフスキーの不等式とその証明…。
この世にあるありとあらゆる数式を僕はたったの''11歳''で解いてきた。自分で言うのもなんだけど、世界から注目されてもおかしくない。
その圧倒的な計算の脳を使って、十五歳の頃からある設計を依頼された。なんでも依頼者から「今後人類史上最悪の戦争が起こる」とか言う。
もちろん、最初はそんなもの信じなかった。馬鹿馬鹿しい、未来を読める人間なんて誰一人としていない。ましてや、仮にその日が来たら何が起きるんだと心底そう思っていた。
…あの日までは。
[2046.8.14 14:14]
ロンドン・某研究所
「いいかい、これが''悪魔''だ。歴史の裏に潜み、人に化け、血肉を食らう、非道的な存在なのだよ」
''悪魔''。目の前にいる大人はそう呼んだ。視線の先には防弾ガラスに覆われたケースの中に人とも動物とも呼べない存在が手足に鎖で拘束されたまま牙を剥き出して僕達に襲い掛かる。
何度も何度も頭を打ち付け、ガラスを割ろうと試みるが、皮膚の部分が腫れ上がり、血が吹き出すだけでビクともしない。それでも何度も何度も頭を打ち付けるあたり、どうやら悪魔という存在は人間のような知識がないというのが理解出来た。
「…馬鹿の一つ覚え。これがどうしたんですか?」
だから僕は驚きもしなかった。どんな外見であろうとも僕より知識が劣ってるのなら驚く必要なんてないからだ。
自分は胸張って言う、僕は天才だ。天才だからこそ、目の前にいる悪魔を見れている。つまり歴史の上に立っているんだ。
でも理解出来なかった。何故このような生物が恐れられているのか。確かに血肉を喰らうという部分だけ聞いてみたら恐ろしい他ないが、知恵がない以上、人類に勝ち目は目に見えてるようなもの。
勝敗を分ける時はいつも知恵だ。かのナポレオンでも戦術における知識や作戦で勝利を収めている、いい例えである。現代の日本もそうだ、戦争のない平和ボケした人間でもいざやろうと思えば対抗出来る。それなのに何を対策しろというんだ。
「不満そうな顔だな。でも、これを見て同じ顔が出来るかね」
パンパンと手を叩くと現代兵器の代表である拳銃を持った兵士がケースの中へと入っていく。それを見た悪魔は無論、入ってきた人間を襲おうと飛び出すけど、鎖で縛られているため体の自由が効かなかった。
悪魔が動けないことをいいことに、拳銃を持った人間は銃口を悪魔の額に向け、引き金を引いた。パァンと乾いた音が三回聞こえると弾道は一直線へ飛び、悪魔の額を貫いた。
もちろん、撃たれた悪魔は額に風穴が開くとがっくりと動かなくなる。ぽたぽたと生き物ではありえない黒い液体を撒き散らしながら俯いたままピクリと一ミリも動かない。
「え…」
けど、ここからの出来事は予想外の展開となる。メキメキと嫌な音が聞こえてくると悪魔の額が再生を始めた。決して早い訳では無いが、ゆっくりと傷が塞がると再び暴れ始める。
思わず自分を疑った。この世に傷を瞬時に回復させる生命体なんて居ない。もしそれが居たら神か、また別の何かとしか思えないからだ。
さらに言えば、傷が癒えた悪魔は先程より凶暴化し、拘束していた鎖が力に耐え切れず糸のようにブツリと引き裂いた。やっとの思いで自由になった悪魔は銃を持った人間に襲い掛かると首を絞め、腹部目掛けて牙を突き刺す。
室内に響き渡る男の断末魔。すぐに反撃しようと銃を構えて引き金を打つも悪魔はピクリともしない。先程より治癒速度が早くなってるのがわかる。
「…驚いただろう?我々の知識や兵器がどれほど優れていようが、奴らには敵わない」
目の前で同僚らしき人物が食われているというにも関わらず、平然とした顔で僕に説明してくる大人。この人は只者じゃない…とにかく嫌な予感がして額から嫌な汗がスーッと頬を伝って流れ落ちる。
久々に感じた恐怖。ゾクゾクと背筋から悪寒が撫でるように流れ、気が付けば体が震えていてそこから一歩も動けなかった。
力を失った男は地面に倒れ込むと悪魔はその死体を手に取って貪り食う。辺りに内臓や千切れた四肢、首まで転がる中、見慣れない服装をした人間が見慣れない銃を持ってやってきた。
次の獲物に歓喜したのか、悪魔は甲高い声を上げ、手から鋭い爪を伸ばすとそれを構えて突っ込んでいく。対して武装した大人は肘を曲げて前へ突き出すと悪魔の牙を受け止める。
肉が喰い込むことなく、また血が吹き出す様子もない。ただガリガリと何かを引っ掻いたような音が聞こえてくる。その直後、大人はもう片方の手で握っていた見慣れない拳銃を取り出し、構えるとそのまま引き金を引いた。
先程とは違い、バァンと普通の拳銃とじゃ比にならないほどの大きさに僕は思わず耳を塞いでしまった。打ち出された弾丸がよく見えなかったけど、ビビって瞑っていた目を開くと再生せず、灰になって消えていく悪魔の死体が視界に入った。
何が起きたんだろう。銃の見た目が変わっただけで原理は同じだと言うのに悪魔が消滅していく…。一体何故…?
「だが、私が独自に開発した''銀弾''があれば悪魔など容易く殺せる」
隣にいた大人は手袋をした手で何かを摘み、僕に見せつけてきた。あったのは一回り大きい銀色の弾丸、銀弾と呼ばれた弾丸だった。この大人が言うに、これで悪魔を簡単に殺せるらしい。
でも何かしらの対策があるのなら恐れる必要なんてないじゃないか。それを量産してしまえば悪魔なんて恐るるに足りない。
「殺せる、のだが…まだ未完成なものでね…。銀弾は通常弾の火薬量の約十数倍。普通の拳銃で引き金を引いてしまえばあの通りだ」
僕が思考を過ぎらせていると大人は指を指して言ってきた。ふとその方向へ視線を向けると銃口が皮が向けたバナナのような形で破壊されている。また男が着けていたガントレットのような鎧も完璧とは言えないようで、噛まれた箇所に大きな穴が空いていた。
死体が処理される中、僕は固唾を飲んだ。彼らの技術に対する驚きでも、悪魔という血肉を食らう存在に対する恐怖でもない。
完璧にしたい。僕の頭脳を持って設計し、来たる最悪の日まで間に合うまで、無駄のないものにしたい。
「…目の色を変えたな。では交渉だ」
僕の顔を見て察したのか、大人はしゃがみこんで視線を合わせると手を差し伸べてきた。この大人が何を企んでいるのかまではさすがにわからないけど、自分の身を守れるようならば僕は構わない。
「君には我々に協力してもらう。その対価は金額で支払おう」
「…わかりました」
無論、断る理由もなく。僕は大人の手を握り、成立した証として握手を交わす。そういえば名前を聞いていなかったので、自分から名乗ろうと思ったが、それを遮るように先に口を開いてこう言った。
「私は''ヨルハ・アンダーソン''。後に歴史にその名を刻む男だ」
[2049.02.06 17:41]
ロンドン・某病院
「そんな…先生、何とかならないんですか…?」
…なにか声が聞こえてくる。聞こえる方向に目をやりたいけど何も見えない…。辺り一面真っ暗で、僕がどこにいるのか分からない。
ただ体勢ならわかる。どうやら僕は仰向けになって寝ているらしい。体感も何かに覆いかぶさっているような、そんな感覚だった。
「…ダメです、いくらなんでもこの傷は大きすぎる…。今後回復する見込みは…」
待って欲しい。僕を置いて何の話をしているんだ。傷?大きい?回復する見込みはない?一体全体どういう意味なのか理解出来なかった。
それに何故だろうか…。こうなってしまった原因が思い出せない。確か僕は…悪魔がいて…ヨルハがいて…それから…。
…待って。悪魔って何?ヨルハって誰?おかしい、全く聞き覚えのない言葉なのになんで僕は口走ってるの?僕は…僕は…
…僕は、誰だ…?
[2049.02.07 16:14]
ロンドン・病室
あれから時間が経った。僕は暗闇から目覚め、両親…と名乗る男女の大人と自分の弟だと言い張る少年に見守られながら病院生活を送る。
何でも、僕の症状は全健忘…簡単に言えば記憶喪失らしい。通りで前までの記憶が無いというわけだ。
ただ生きてるだけマシだと思っている。原因はトラックによる交通事故で、その際に強く頭を打ち付けたようだ。その引き換えに今までの記憶が飛んでしまったという。
正直怖かった。前までの自分は一体どのような人間だったのか、記憶が無い今だとやってきたこと全て水の泡になってしまうんじゃないかと、言葉に出来ないような恐怖が迫ってきてる。
怖くて震えてる時、いつも両親が僕の手を握って落ち着かせようとするが…僕は気付いてしまった。笑顔の裏にある、何か失望したような視線を。
[2049.03.14 09:34]
ロンドン・某在宅
一ヶ月弱、僕は退院した。初めて…いや正確には久々に外の空気を吸う中、車と呼ばれる乗り物に乗り込むと一つの一軒家に辿り着いた。両親と弟が降りて扉に鍵を差し込み、ロックを解除すると中へと入っていった。どうやらここが僕の家だと認識してもいいみたいだ。
家に入るや否や、父が「自分の部屋を見てきてはどうだろうか、何か思い出すかもしれない」と言ってきたので自分の部屋を探して扉を開けた。
「………」
自分の名前が書かれてる扉を見つけたのでドアノブに手をかけて開けてみると、僕は言葉を失った。壁にはホワイトボードが掛けられており、見たことの無い数字が端から端までズラリと並んでいる。
何かの計算式なのだろう、数字だけでなく何かの文字も見えた。前の自分がどれほど博識なのか理解したが…今となっては何を書いていて何を求めていたのかわからない。
さらに言えばそれだけじゃない。ふと机に目を向けるとボロボロのノートが一冊置かれていたことに気付き、手に取ってパラパラと開く。これもホワイトボードと同じく、数字や文字がビッシリと並んでいた。
一通り読んだ僕はあるものを見て目を見開く。そこには''最悪の日''や''対魔導器設計図''、''悪魔、聖書、聖水、銀弾''…何もかも聞いたことも見た事も無い言葉ばかり並んでいる。
何を言ってるんだ、過去の自分は。そう疑問に思っていると何故だか急に視界がボヤけ始め、瞼の裏から熱を感じ始めた。
…何故か泣いていた。こんな見ず知らずのノートを見て、なんで涙が出てくるのか分からない。恐怖によるものじゃない、これは…悲しみだ…。
「…………!!」
…下から怒鳴り声が聞こえた。どうやら下で両親が揉めているらしい。僕は気になってゆっくりと階段を下って下の階の様子を伺う。
そこには電話の受話器を握りしめ、怒りの形相で怒鳴る父に泣きながら弟を抱きしめる母、そんな母を受け止め、共に涙をする弟。理解し難い光景に僕は空いた口が塞がらなかった。
「もういい!!何が悪魔だ!!アンタらを信用した私たちが馬鹿だった!!」
父はそう言い残すと乱暴に受話器を元に戻し、深呼吸をすると頭を抱えた。何が起きたのかわからないがただ事じゃないと言うことだけわかった気がする。
泣きじゃくる母を置いて父はやっと僕の存在に気付き、こちらに振り返る。目と目が合うと父は一瞬ハッとしてすぐ笑顔になった。
ただ…その笑顔に僕は悪寒を覚えた。何か裏がある、記憶をなくしたとはいえ、それぐらいのことなら一瞬で理解した。
…信じたくない。信じたくないが、確かめる必要がある。さっき父は電話相手に''悪魔''と言っていた。僕の部屋にあったノートには悪魔に関することとそれに対策するための道具などこと細かく書かれ、さらには父と母のあの態度を見て察しがつく。
この人たちは…この人たちは…。
「ね、ねぇ父さん、母さん。…僕のこと、愛してる?」
…束の間、両親は互いに視線を合わせるとこくりと頷いた。
「…当たり前だろ?私たちは家族だ」
「えぇそうよ。記憶がなくなっても愛してるわ」
…あぁ、やっぱりそうだったのか。今の言葉を聞いて僕は確信した。
動揺して声が震えている。偽りの笑顔の裏に潜む失望した視線、そして嘘で塗り固められた言葉、なにより軽蔑するような弟の瞳。
…僕は''愛されていない''。この人たちが愛してやまなかったのは''僕の頭脳''だったんだ。
[2049.04.21 12:36]
ロンドン・某在宅
それからというもの、僕は部屋から出られなくなった。両親の顔なんて見たくない、今はこの一人だけの空間が愛おしい。
それでも僕の心に付いた大きな傷跡が癒えることなんてなかった。忘れたくても思い出してしまう、あの時の偽りの笑顔に。
『…………』
僕はなんのために生まれてきたんだ。こんな事になるなら自殺する方がマシだと思ったが、そんな勇気もない。
もう居場所なんてない。流れていく時間を一秒ずつ感じ取るだけで何もしたくない。
『…わ……うに…』
…どこからともなく声が聞こえてきた。それもただの声ではなく、低い声が何重にも重なったような声が。
どこだどこだと辺りを見渡すも何もいない。でも確かに何かがいる、それも相当近くに。
『可哀想に…』
辺りを見渡しているとハッキリとした声が聞こえた。その直後、僕の目の前で赤黒い何かが広がると血飛沫を上げながらあるものが飛び出してきた。
そのあるものとは、人間の脳のようなものだった。口はないものの、代わりに飛び出した眼球が僕を見つめ、何度も『可哀想に、可哀想に』と繰り返して言う。
初めて見るが、一目見てわかった。こいつがあのノートに書かれていた''悪魔''だ。
『人間は醜い。常に何かしらの欲にしがみつき、それが叶うとわかった途端とことん利用する。そしてそれの価値が無くなると簡単に切り離す』
脳みそのような悪魔は言う、というより頭の中からそう聞こえてくる。テレパシーというやつだろうか、不思議な気分だった。
触手とヒレを合わせたようなものを伸ばし、僕の頬に触れるとギョロギョロした目で視線を合わせてこう言ってきた。
『でも、その醜さがいい。欲望を叶えたいこそ何をしても厭わない、その人間が醜くて醜くて仕方がない』
声からして笑っているのだろう、証拠に触手が激しく揺れる。人間の醜さに対して軽蔑し、同時にそれを人間らしいと主張する。
言葉が矛盾している、もうめちゃくちゃなことを言っているが、悪魔とはこういうものなのかと何故か納得してしまう自分がいる。
『何故納得してしまうかわかるか?お前も欲を求めている、だから私がお前の目の前に現れて語り掛けている。人はみないつしか堕落する。堕落するからこそ欲にしがみつく。今もお前の中から聞こえてくるぞ…''人に認められたい知能が欲しい''と』
…そうだ、僕は欲しかった。前の記憶より凌駕する圧倒的な知識を。人に認められたい知恵を。そして誰よりも劣らない脳を。
僕は欲する。この身が堕落しようとも欲しいものは欲しい。そう思うと気が付けば口からヨダレが下垂れてきた。
洗脳されている訳では無い。それだけは自覚出来る。これは自分の意思、そう、自分で決めたことだ。
『さぁ、人よ、身を委ねよ。お前は私に何を望む?』
「僕は…」
そんなもの、決まっている。僕はお前を…
[2049.04.22 00:02]
ロンドン・某在宅
この日、僕は初めて人を殺した。相手は父と母、そして弟。自らを''ファラリス''と名乗る悪魔と契約したからか、前の時よりも体が軽く感じる。
悪くない気分だ。でも何かスッキリしない。何故だか同じ人を殺しても何も感じない。
歓喜でも憎悪でも哀愁でも罪悪感でも激怒でもない。ただ残ってるのは無、何も感じなかった。
そういえば契約の際、ファラリスがこんなことを言っていた。『望みは自由。だがそれを叶えると同時にそれ相応の対価を支払え』と。
…あぁ、そうか。僕に足りないものがわかった。僕に足りないものは''痛み''、痛みがないから殺しても、自分自身の体を改造しても何も感じないのか。
でもそんなのダメだ。僕は絶対的な知識を持っている。知らないことがあってはならない、痛みを知る必要がある。
痛みってなんだろう。どんな感覚でどんな気持ちになるんだろうか、気になって仕方がない。
…なら、こうしよう。僕が痛みを知るまで人を殺し続ける。子供、女、老人関係なく、みな平等に殺す。苦痛の叫びを聞いたら何かわかるのかもしれない。
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