悪役令嬢?当て馬?モブ?

ブラックベリィ

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0157★異世界のごはんですよ、自重なんて出来ません

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 ナナが揚げ物を狙ってルリとグレンの隙を窺い、うろうろとしているのを見て、リアはクスッと笑って声をかける。

 「ナナ、それは私達の朝食なのよ……ごめんねぇ~……その代わり、別のモノをあげるから、こっちにおいでぇ~……」

 そう言いながら手招きをすれば、ナナは素直にリアの元へと、とてててっと小走りで走り寄る。

 一応、この世界の材料で作ったモノなら良いよねぇ~……
 たしか、パンケーキ……作ったのあるはずだから………
 それにちょっと不安があるのよねぇ……

 前世のネット小説の中には、異世界ショッピングで買ったモノを食べさせるとねぇ
 妙な付与とか付くっていうのがあったから………
 いやねぇ……ルリやグレンやユナになら、妙な付与がついても平気だけど………

 流石に、ナナにそういう妙な付与とかが付くと、なんか不味い気がするのよねぇ
 だから、この世界の食物゛作られたモノのほうが安全よねぇ……
 パンケーキにナナ自身のミルクで作ったポイップとかなら安全なはず

 そんなコトを考えながら、リアはパンケーキのセットをナナ用に出してやる。
 勿論、リンゴ(たぶんかなり原種)によく似た…リコの実も三つほどナナ用の食器な置いて声をかける。

 「それじゃ、ナナはこっちでこれを食べていてね」

 そう言って、ナナの首筋を軽く撫でたリアは、グレン達の待つ朝食の乗ったテーブルへと向かう。

 「おまちどうさまぁ~……それじゃ、朝ごはんを食べようか……ってコトで、はい、こっちがルリので、こっちがグレン用ね……中には、ビールっていう、エールに似たモノがはいっているからねぇ………開け方はこうね」

 そう言って、蓋をねじって開け、リアはルリ用のビールをコップに注ぐ。
 勿論、グレンも蓋を開けられるか心配だったので、同じように蓋を捻って開けて、最初の一杯をコップへと注いで渡す。

 「はい、飲んでみてねぇ………エールより美味しいとは思うよ……勿論、キンキンに冷やしてあるからね」

 リアにビールを入れてもらったルリとグレンは、頷き合う。

 「ふ~ん……そうやって開けるんだねぇ……でも変わった容器だねぇ……」

 ルリが不思議そうに言えば、グレンも首を傾げて頷く。

 「ああ、見たことの無い容器だな」

 そんな2人をよそに、お腹が空いたユナがリアに向かって言う。

 「それより早く食べようよぉ~……凄く美味しそうな匂いでお腹がぐうぐうだよぉ~……」

 愛らしく言うユナに、リアはクスクスと微笑わらって頷く。

 「そうね……色々と疑問はあるかもだけど、まずは朝食ね……それじぁ~…時空神様に感謝しながら、いただきましょう……いただきます」

 リアの言葉に、グレンもルリもユナも唱和する。

 「「「いただきます」」」

 今までリアが作った揚げ物とよく似ていたコトで、グレンもルリもこだわりなくフォークを伸ばす。
 齧った時にサクッという軽い音が響き、口中に広がる味にそれぞれが双眸を細める。

 う~ん……やっぱり美味しいわぁ~……ああ…贅沢と罪の味よねぇ~……
 冷凍たこ焼きを見付けた時、揚げて食べたいって思ったのよねぇ~
 もどきのマヨネーズとソースでも、やっぱり美味しいわぁ~……

 あの異世界ネットショッピングのレベルって、どうやって上げれば良いのかしら?
 魔物の討伐依頼とかを受けて、戦闘をすれば上がるのかしら?
 それとも小まめな買い物をするコトでレベルが上がるのかしら?

 リアは揚げたこ焼きをハフハフしながら、小首を傾げて考える。
 そんな視線の先では、ルリが嬉しそうにキンキンに冷えたビールを飲みながら、カキフライを食べて双眸をうっとりと細めて呟いていた。

 「いやぁ~…美味いねぇ~……このビールってヤツと…貝の身を揚げたヤツの相性は抜群だねぇ~……ぷっはぁ~……たまらないねぇ~……」

 「いやいや、この…ぎょうざとかいうのも美味しいぞ……あと…ウインナー…リアが作ったヤツと違うけど……これはこれで、なんとも言えない美味うまさあるぞ」

 と、美味しそうにビールを飲みながら、揚げ物を堪能している。
 リアは美味しそうにビールを堪能するルリやグレンの姿に、ちょっと羨ましいと思いつつも我慢する。
 建前的には、ユナが未成年どころか幼児の為、ビールを出していないからである。

 まぁ実際には、ふと……ゲフンゲフン……こんなふくよかさんだからねぇ……
 もう少して……いや…しばらくは、お肉になりそうなモノは自重しないとねぇ……
 それじゃなくても、禁断の揚げたこ焼きを食べていますからねぇ……

 それも、もどきかもだけどマヨネーズとソース掛けのをね
 冷凍うどんとかき揚げも買ったから、かき揚げうどんでも食べましょうかねぇ
 少しだけでもヘルシーなモノを……って思うけど、前世食だよぉ~……

 自重出来ないよ……嗚呼…体重…増えないと良いなぁ~………
 だからって、せっかく異世界ネットショッピングが出来るのに我慢なんて無理
 やっぱり美味しいモノを食べたいのよぉ~………

 そんなコトを考えながら、リアはお手軽にかき揚げうどんを作り、美味しそうに食べ始める。
 ルリとグレンはそんなリアに気付かず、春巻きや厚切りオニオンetc.をつつきながら、ビールを堪能している。

 が、ビールを飲んでいないユナは、リアの食べているかき揚げうどんに興味を示す。

 「リアお姉ちゃん……ユナもソレを食べてみたい」

 ハフハフしながらうどんを啜っていたリアは、もぎゅもぎゅごっきゅんをした後に頷く。

 「フォークだと食べずらいかもしれないけど、それでも食べたい?」

 「うん……ねぇ…リアお姉ちゃん…その細い棒ってなぁ~に?」

 不思議そうにリアの持つ割りばしを見て小首を傾げるユナに、リアはちょっと考えてから答える。

 「コレはねぇ……オハシっていうモノなの……ワリバシともいうわね……木の棒を削って作られるモノなのよ……私の……そうねぇ……前世っていうの理解わかるかなぁ? その前に生きていた場所で、食器のひとつとして使って居たモノなの……基本は、このオハシってモノで、ごはんを食べていたのよ……一応フォークやナイフにスプーンなんかも使ってはいたけどね」

 そう言いながら、リアは上に乗せたかき揚げをオハシで割って、ひょいっと口に放り込み、うどんを摘まみ上げて口に運んで啜ってみせる。
 かき揚げとうどんの味を堪能し、もぎゅもぎゅごっきゅんをしてから言葉を続ける。

 「それで、ユナもかき揚げうどん食べてみる?」

 リアが美味しそうに食べるので、ユナはコクコクする。

 「うん、ユナも食べてみたいっ……それで、オハシっていうのも使ってみたいっ」

 瞳をキラキラさせるて言うユナに、リアはにっこりと笑うのだった。









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