285 / 450
第15章 まずは小姑を片付けないと………
279★ザルツェ湖に行く前に‥‥‥
しおりを挟む
エリカ達の会話に付いて行けないアルファード達に、全体を見る余裕を取り戻したエリカが気付く。
「アル、どうしたの?」
「エリカ達って、水生のものを
食べるんだなぁ~って思った~‥‥‥」
露骨に不思議だという顔をして言うアルファードに、エリカは苦笑を浮かべてしまう。
「あのね、私達の世界は
魔物はいない世界なのよ
それに私達の祖国は
四季が有って雪が降って
庭の水が凍る温度になるような
寒い冬があるから、ワニもいないの
ついでに、水生の魚とかを食べないと
生きて行けない程
食料の少ない国だったのよ
色々と出来るようになった、今と違ってね」
エリカの説明にアルファード達は、首を傾げる。
そして、アルファードが、不思議そうに言う。
「でも、男女平等に義務教育を
全国民に無料で提供できる国だと
世界でも稀に見る豊かな国だった
‥‥‥と歴代の聖女様達は
言っていたけど?」
それに、エリカは、やっぱり苦笑したままで言う。
「今は、昔と違っているわよって
言ったでしょう
たぶん、歴代の聖女様も
そう言っていたと思うの‥‥‥」
エリカの言葉に、オスカーもつい質問する。
アルファード達の帝国では、不作の時は、インベントリ《魔倉庫》に蓄えている食糧を放出していたので、飢餓状態を知らないのだ。
また、肉が必要ならも幾らでも魔の森で湧く、魔物達を狩れば良かったので、エリカ達のような飢餓や飢饉の歴史は無かった。
その為に、エリカ達の発言が理解不能だった。
「姫君、どうして、昔はこのように
水中に棲む生物を食べる程
食料が少なかったのでしょうか?」
その問い掛けに、エリカは肩を竦めて言う。
「絶海の孤島とは言わないけどね
大陸から‥‥ちょっと‥‥‥
いや、かなりって言っても
良いかもね‥‥‥離れているから
船や航海術が未熟だった頃は‥‥
そんな他国とは離れた島国だったのよ
冷害とか旱魃(かんばつ)で
飢饉(ききん)になった時に
食べられるものを確保するって意味で
海や川や湖の生物を食べるように
なったんだと思うのよ
それに、牧畜できるような家畜も
ろくに居ないし、土地も無かったから
お肉の変わりに魚介類を食べていたのよ」
「‥‥‥」
エリカの説明の意味が判らない、特に絶海の孤島を想像出来ないアルファード達に、エリカはちょっといやかなり困ってしまう。
共通認識が無いって、説明するのに滅茶苦茶大変なんだと、エリカは妙な実感をしてしまう。
それでも、エリカは説明を続ける。
「私達の国は、周りの国と
食料を輸入できない程
離れていたからね
今は、科学が進み、船も巨大化したし
エンジンも強力になったから
輸入出来るモノが多いの
そのお蔭で、色々と食べているけどね
だから、捕鯨もしているのよ
イルカも食べるわ
それは、また、何かあって他国から
食料を手に入れられない事態になった時
国民が飢餓に苦しまないようにって
残している狩猟技術なのよ」
船の存在も海の存在も知らない、と言っても過言ではない内陸(大陸)の民ドラゴニアンに、エリカはかなり困っていた。
そして、エリカは、歴代の聖女達が、魚介類を食べたがっていなかったコトに気が付く。
その上で、エリカは、歴代の聖女達と自分の違いを考える。
〔そうか、塩が豊富な私達と違って、
当時は、この帝国でも岩塩が豊富に
取れていたから
塩水湖で塩を精製しようなんて
思い付かなかったのね
というか、塩水湖の存在を知らなかった
っていう可能性もあるわね
川魚は好む好まないが激しいわ
きっと、川魚しかいないなら
食べたいって思わなかったのかも‥‥‥
だから、何も言わなかったってコトね
うん、環境って、こんなコトにも
出で来るのね
私達は、魚介類を食べる習慣を
持ち込んだって、歴史に描かれるわね〕
「アル、どうしたの?」
「エリカ達って、水生のものを
食べるんだなぁ~って思った~‥‥‥」
露骨に不思議だという顔をして言うアルファードに、エリカは苦笑を浮かべてしまう。
「あのね、私達の世界は
魔物はいない世界なのよ
それに私達の祖国は
四季が有って雪が降って
庭の水が凍る温度になるような
寒い冬があるから、ワニもいないの
ついでに、水生の魚とかを食べないと
生きて行けない程
食料の少ない国だったのよ
色々と出来るようになった、今と違ってね」
エリカの説明にアルファード達は、首を傾げる。
そして、アルファードが、不思議そうに言う。
「でも、男女平等に義務教育を
全国民に無料で提供できる国だと
世界でも稀に見る豊かな国だった
‥‥‥と歴代の聖女様達は
言っていたけど?」
それに、エリカは、やっぱり苦笑したままで言う。
「今は、昔と違っているわよって
言ったでしょう
たぶん、歴代の聖女様も
そう言っていたと思うの‥‥‥」
エリカの言葉に、オスカーもつい質問する。
アルファード達の帝国では、不作の時は、インベントリ《魔倉庫》に蓄えている食糧を放出していたので、飢餓状態を知らないのだ。
また、肉が必要ならも幾らでも魔の森で湧く、魔物達を狩れば良かったので、エリカ達のような飢餓や飢饉の歴史は無かった。
その為に、エリカ達の発言が理解不能だった。
「姫君、どうして、昔はこのように
水中に棲む生物を食べる程
食料が少なかったのでしょうか?」
その問い掛けに、エリカは肩を竦めて言う。
「絶海の孤島とは言わないけどね
大陸から‥‥ちょっと‥‥‥
いや、かなりって言っても
良いかもね‥‥‥離れているから
船や航海術が未熟だった頃は‥‥
そんな他国とは離れた島国だったのよ
冷害とか旱魃(かんばつ)で
飢饉(ききん)になった時に
食べられるものを確保するって意味で
海や川や湖の生物を食べるように
なったんだと思うのよ
それに、牧畜できるような家畜も
ろくに居ないし、土地も無かったから
お肉の変わりに魚介類を食べていたのよ」
「‥‥‥」
エリカの説明の意味が判らない、特に絶海の孤島を想像出来ないアルファード達に、エリカはちょっといやかなり困ってしまう。
共通認識が無いって、説明するのに滅茶苦茶大変なんだと、エリカは妙な実感をしてしまう。
それでも、エリカは説明を続ける。
「私達の国は、周りの国と
食料を輸入できない程
離れていたからね
今は、科学が進み、船も巨大化したし
エンジンも強力になったから
輸入出来るモノが多いの
そのお蔭で、色々と食べているけどね
だから、捕鯨もしているのよ
イルカも食べるわ
それは、また、何かあって他国から
食料を手に入れられない事態になった時
国民が飢餓に苦しまないようにって
残している狩猟技術なのよ」
船の存在も海の存在も知らない、と言っても過言ではない内陸(大陸)の民ドラゴニアンに、エリカはかなり困っていた。
そして、エリカは、歴代の聖女達が、魚介類を食べたがっていなかったコトに気が付く。
その上で、エリカは、歴代の聖女達と自分の違いを考える。
〔そうか、塩が豊富な私達と違って、
当時は、この帝国でも岩塩が豊富に
取れていたから
塩水湖で塩を精製しようなんて
思い付かなかったのね
というか、塩水湖の存在を知らなかった
っていう可能性もあるわね
川魚は好む好まないが激しいわ
きっと、川魚しかいないなら
食べたいって思わなかったのかも‥‥‥
だから、何も言わなかったってコトね
うん、環境って、こんなコトにも
出で来るのね
私達は、魚介類を食べる習慣を
持ち込んだって、歴史に描かれるわね〕
23
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
召喚されたら聖女が二人!? 私はお呼びじゃないようなので好きに生きます
かずきりり
ファンタジー
旧題:召喚された二人の聖女~私はお呼びじゃないようなので好きに生きます~
【第14回ファンタジー小説大賞エントリー】
奨励賞受賞
●聖女編●
いきなり召喚された上に、ババァ発言。
挙句、偽聖女だと。
確かに女子高生の方が聖女らしいでしょう、そうでしょう。
だったら好きに生きさせてもらいます。
脱社畜!
ハッピースローライフ!
ご都合主義万歳!
ノリで生きて何が悪い!
●勇者編●
え?勇者?
うん?勇者?
そもそも召喚って何か知ってますか?
またやらかしたのかバカ王子ー!
●魔界編●
いきおくれって分かってるわー!
それよりも、クロを探しに魔界へ!
魔界という場所は……とてつもなかった
そしてクロはクロだった。
魔界でも見事になしてみせようスローライフ!
邪魔するなら排除します!
--------------
恋愛はスローペース
物事を組み立てる、という訓練のため三部作長編を予定しております。
私が美女??美醜逆転世界に転移した私
鍋
恋愛
私の名前は如月美夕。
27才入浴剤のメーカーの商品開発室に勤める会社員。
私は都内で独り暮らし。
風邪を拗らせ自宅で寝ていたら異世界転移したらしい。
転移した世界は美醜逆転??
こんな地味な丸顔が絶世の美女。
私の好みど真ん中のイケメンが、醜男らしい。
このお話は転生した女性が優秀な宰相補佐官(醜男/イケメン)に囲い込まれるお話です。
※ゆるゆるな設定です
※ご都合主義
※感想欄はほとんど公開してます。
召喚聖女に嫌われた召喚娘
ざっく
恋愛
闇に引きずり込まれてやってきた異世界。しかし、一緒に来た見覚えのない女の子が聖女だと言われ、亜優は放置される。それに文句を言えば、聖女に悲しげにされて、その場の全員に嫌われてしまう。
どうにか、仕事を探し出したものの、聖女に嫌われた娘として、亜優は魔物が闊歩するという森に捨てられてしまった。そこで出会った人に助けられて、亜優は安全な場所に帰る。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる