私は聖女になります、性女(娼婦)にはなりません

ブラックベリィ

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第15章 まずは小姑を片付けないと………

288★ザルツェ湖‥‥‥シードラゴンについて

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 マクルーファとの会話で思いついたコトを直ぐに聞きたくて、エリカは、空中を高速で自由自在に動くイメージの呪文を唱える。
 エリカは、何度も自衛隊のブルーインパルスと、ヘリの飛行訓練を父親に見せてもらっていたので‥‥‥。

 エリカのイメージは、ジェット戦闘機の速さと旋回運動と上昇下降を、ヘリは繊細な動きと空中停止、その場での離陸というむちゃくちゃな物をもとにしていたモノだった。
 が、イメージがとってもしっかりしていた為に、魔法はきちんと発動する。

 その為、エリカは、アルファードの腕の中からするりと抜け出ると、一気に加速してシードラゴンの前に、ふんわりと停止してみせたのだった。
 エリカは、シードラゴンと完全に視線を合わせて、強い意志を込めて言う。

 「シードラゴン、私に応えなさい」

 エリカは質問に答えろという意味で言ったが、シードラゴンにとっては‥‥‥心地よい魅縛と命令になってしまう。

 「わかりました。貴女に従います‥‥
  私に‥新たな名前を下さい」

 その答えと共に、シードラゴンは、紺碧の髪と透き通った空色の瞳を持つ麗しい男に変化した。
 そして、湖水を立たせてその上に優雅に立ってみせる。

 シードラゴンの人間形と想像がつくのは、その色彩だけで、ヒレやウロコが見えたりはしなかった。
 その優美な姿を、エリカは思わずじっ~と見詰めてしまう。

 〔うっわぁ~シードラゴンの
  人間形(にんげんけい)ぃ~‥‥‥眼福です

  スマホが欲しい
  このスチルを撮っておきたいわ

  そんなコト出来ないから
  こころに焼き付けておこう

  この世界って
  美形度が高い人達に出会えて
  眼福だわぁ~‥‥‥

  まるで乙女ゲームのように‥‥‥

  もっとも、こんなドラゴンや獣人や
  幻獣がたぁ~っぷりの乙女ゲームが

  元の世界にあったかどうかなんて
  私は知らないけどね〕

 エリカが、乙女ごころとオタクごころ等と萌えていた頃。
 アルファードは、慌ててエリカのもとに降りて、なんとか隣りに立ち、愛しいエリカを抱き込んでいた。

 そんな2人とシードラゴンを、マクルーファ達とレオニード達は、生温い視線で見詰めている。
 そして、若いギデオンとレギオンが会話を始める。

 「あのシードラゴンも
  姫君の守護獣になるんだろうか?
  お前はどう思う?」

 「守護獣になると思うよ
  でも、ザルツェ湖に固定されるだろう?
  シードラゴンなんだからさ」

 視線で意見を求められたマクルーファも、軽く頷いて言う。

 「姫君に、あのシードラゴンも
  掴まってしまったんでしょうね

  姫君の視線は、強烈ですから‥‥‥
  伝説の中にある魅了眼とは

  姫君の視線のコトを
  言うのではないかと思いますよ‥‥‥

  その辺は、幻獣のレオニード
  君に聞きたい?」

 マクルーファに話しを振られたレオニードは、苦笑しながら答える。

 「結論から言えば、あのシードラゴンは
  姫君の守護獣になるでしょう

  なんと言っても姫君は
  こころも魂の輝きも美しいですから‥‥‥」

 彼らの視線の先では、シードラゴンから変化した見目麗しい男が、エリカに視線を合わせながら、膝まづいていた。
 その様子を見たアルファードは、複雑な心境を隠して、苦笑しながら言う。

 〔慌てて損したような気がするな‥‥
  こいつは‥レオニードと同じだ

  エリカを守りたい、従いたいって
  要求を持っているだけの存在だ

  エリカの夫になりたいわけじゃない
  ほっとするなぁ~‥‥‥

  それに、こいつはシードラゴンだから
  ここに縛られる存在だ

  四六時中エリカと一緒にはいれない
  まぁ、エリカに強く呼ばれれば

  一定時間は側に居れるだろう
  という程度でしかない

  エリカは俺のものだ〕

 「エリカ、こいつに名前を付けてやれよ
  そうすれば、こいつも
  レオニード達と同じ存在になる‥‥‥
  要するに守護獣になるんだ」

 アルファードの説明に、エリカはこころから驚き、そして感動していた。









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