私は聖女になります、性女（娼婦）にはなりません

第16章 そして、パーティーが始まる

３２９★聖女と瘴気の関係は………

　マクルーファの発言に、アルファードとオスカーは、思わず頷いてしまう。
　その会話を聞いていたアルフレッド達も、微かに頷いていた。

 　この場に空気を読まない、ルーセア大公の嫡男ワルターがいたならば………。

　『魔物も幻獣も好む程の
　　魔力を持つなら

　　魔族や妖魔等の類も
　　好みそうですね』

　と、言っただろう。
　そして、余分なコトを言ったと、アルファードに教育的指導を受けているだろうと、その場にいた者達は、全員そう思ったのだった。

　ちなみに、ワルターは、婚約者がいるという勝ち組（現時点では）なので、神聖魔法師団の団長と副団長がパーティーに出席する為に、残ってせっせと仕事をしていたりする。

　仕事を押し付けられたとも言う。
　が、誰もが、その事実を綺麗にスルーして次の話題に移っていく。
　アルファードが、ここ最近の騎士団の仕事について言う。

　「以前は、何かと他の
　　騎士団からの救援要請があった

　　が、私がエリカと出会ってからは
　　救援要請がほぼ無くなった

　　そのお陰でエリカの為に
　　行動している

　　ざっくり言えば、魔法騎士団は
　　私達以外は、通常業務を
　　しているだけだ

　　瘴気が濃くなる前の状態より
　　魔物討伐時に出て来る
　　魔物がちょっと強くなり

　　出現数がちょっと多いと
　　感じるだけになっている

　　他の騎士団はどうなっている？

　　アルバードの報告では
　　足りなくなった予算の為に

　　魔物討伐をする程には
　　余裕が出来ているようだが？」

　アルファードの質問に、他の騎士団の団長や副団長達も答える。

　最初に口を開いたのは、魔法師団の団長のファルゼン侯爵嫡男アマディウス・クリストファー・ファルゼンだった。

　「私の魔法師団も通常業務に
　　近い状態になっている

　　毎日、瘴気の発生量を
　　観測していたが

　　聖女召喚をおこなった日より
　　確実に瘴気の発生量は
　　減ってきている

　　姫君と聖女候補達が
　　存在するだけで

　　瘴気は払われていると
　　思って良いと思います」

　「私の神聖魔法師団も
　　通常行に近い状態に
　　なっています

　　怪我をした騎士達の
　　手当てをする業務が
　　明らかに減りました

　　勿論、瘴気の観察により
　　聖女召喚の日より

　　瘴気の発生が減っているのも
　　わかっております

　　今回の聖女召喚は
　　成功だったと思います

　　それと、姫君からの
　　怪我をした騎士や病気の
　　騎士達に対する差し入れは

　　かなり回復力を増させる
　　効力のあるモノでした

　　私は、ここで、姫君の提案する
　　騎士達や魔法使い達や
　　神官達など専用の病院を

　　医療の神アポロニウス神殿に
　　作るコトを提案致します」

　次に神聖魔法師団の団長ヴァイアス公爵嫡男オルディス・ハーラン・ヴァイアスが言う。
　なお、神聖魔法師団の団長は２人います。

　１人は主に神官として活動します………ルーセア大公アスラン・フィル・ルーセアやワルターがこれにあたります。
　オルディスは、神聖魔法を行使する騎士として活動しています。

　その為に、副団長は４人います………他の騎士団より人数も倍以上いますし、役職も倍以上あります。
　その為に平民でも出世する可能性が高い騎士団なのです。
　閑話休題。


　オルディスの発言に、皇帝アルフレッドが笑って言う。

　「歴代の聖女様が作ろうとして
　　出来なかったものだな

　　今第の聖女エリカの提案を
　　神殿も神聖魔法師団も
　　賛成するのだな」

　「はっ」

　オルディスは、短く肯定の意思を発した。
　それに頷いてみせた皇帝アルフレッドは、アマディウスに問い掛ける。

　「そうか、では
　　魔法師団はどうなのだ？」