私は聖女になります、性女(娼婦)にはなりません

ブラックベリィ

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第17章 パーティーは終焉に向かう

372★皇帝アルフレッドはうんざりする

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 このざわめきはいったい何なんだろうと思いながら、アルファード達は、皇族専門の出入り口の扉を見詰める。
 すると、その扉が音もたてずに開く。

 そこに居たのは、廃皇妃リリアーナとサラディール王国の魔術師エルダールと、それに従う侍女達と守護騎士達だった。

 このパーティーに居るはずの無い廃皇妃リリアーナに、その場に居た者達は驚いてしまい、誰も何も言わずにいた。

 その為に、その場には、すすり泣く元側妃達の声が響いているだけだった。 

 その異様な雰囲気を物ともせずに、廃皇妃リリアーナが皇帝アルフレッドに話しかける。
 
 「陛下、聖女達のお披露目パーティーを開くのでしたら
  もっと前に教えて欲しゅうございますわ
  間に合うように、アンジェロを連れて戻りましたものを………」

 自分をじっと見詰めながら話しかける廃皇妃リリアーナに、皇帝アルフレッドは冷たい一瞥を与えて言う。

 「そうか、戻ってきたか」

 何時もと違う冷たい皇帝アルフレッドの様子に、廃皇妃リリアーナは首を傾げて尋ねる。

 「陛下?」

 その様子に、皇帝アルフレッドは履き捨てる様に冷酷に言う。

 「そのまま、サラディール王国に居れば良かったものを………」

 その場に居た者達は、廃皇妃リリアーナに冷たい視線を向ける。
 中には嘲笑う様な表情の者達も居た。

 その視線と表情に廃皇妃リリアーナは、眉を顰める。
 そう、廃皇妃リリアーナは、自分が既に皇帝アルフレッドより離婚宣言されているコトを何も知らない状態だったから………。

 だから、リリアーナは、不思議そうに皇帝アルフレッドに再度話しかける。 
 何時もの優しい夫に戻って欲しいと思いながら………。

 「陛下? 何の………」

 「そなたとは、既に離婚している
  そのコトは、サラディール国国王に伝えておいたのだがな」

 「陛下、なにをおたわむれに………」

 「リリアーナ、そなたが、何度も、我が後継者たる
  皇帝の色を纏いしアルファードに暗殺者を送ったコトを

  この私が知らぬと思っておったのか?
  ここは、私の帝国だ

  他国者のそなたの行動は、常に監視していたのだ
  そなたの国ならば、誤魔化しも効いたかもしれんが………」

 「そのような………」

 「今まで、それを不問に処していたのは
  そなたのサラディール王国からの塩が必要だったからだ

  が、それももはや必要なくなった
  故に、何度も皇太子を暗殺しようとする皇妃なぞいらぬ」

 「陛下、皇太子は私のアンジェロ………」

 「あの程度の魔力量でそれを言うか?

  それに銀髪紫紺瞳を持たない者を
  皇太子にするとは、私は一度も言っておらぬ

  それに、立太子式をしておらぬぞ」








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