私は聖女になります、性女(娼婦)にはなりません

ブラックベリィ

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第20章 帝国予算の為に………

444★黒髪に黒い瞳は、狙われるんですよね

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 エリカのお願いに、アランは微笑みを浮かべて応え、視線を側に控えていた従者と従騎士に向ける。
 アラン達は、守護騎士になる前に、上級騎士(副隊長や隊長補佐等)として、色々と他の騎士達に連絡をする都合上従騎士や従者を従えていた。

 最近、やっと本人の希望確認と再教育が終わって、守護騎士と成った彼等の元主の騎士に仕えるコトに成ったのだ。
 この彼等にしても、代々主(領地持ちの騎士爵要するに貴族)に、仕える陪臣という立場を得たのでご機嫌である。

 それも、同じ爵位なら守護騎士の方が上という、美味しい立場の主人に仕える陪臣になれたのである。
 騎士に仕える従騎士や従者は、騎士学校を優秀な成績で卒業した平民達が、貴族出身の正騎士に仕えるという立場が出世と言われている。

 まして、魔法騎士団の従騎士や従者は地位が高く、基本は準貴族として扱われる。
 魔法騎士団の騎士は、貴族が基本なので………。

 平民出身と言っても、祖父母は貴族というのが基本である。
 ここで魔法騎士団では、一定期間を騎士として勤めて、功績があったりある程度の出世をすると、最下級の貴族士爵(年金をもらえるが、騎士を輩出しないと取り消される)をもらえる。

 隊長や副隊長になり団長の覚え目出度いとなると、領地持ちの騎士爵になれたりする。
 他国との戦争どころか紛争も無いので、あまり実感は無いが、軍に編入されれば主騎士とは指揮官(少尉という立場に近い)であり、従騎士は、副指揮官または、指揮官補佐で准尉に近い立場で兵士達に指示を出す。

 従者は、主騎士や従騎士の補佐や補助、身の回りの世話や馬の世話などをする。
 この下に食事の準備や調理、洗濯、テントの設営などをする下働きの小者達が付く。

 ただし、一般の兵士達には、下働きは付かない。
 運が良く気の良い主騎士の下に付けば、食事のみ下働きが用意してくれるだけである。
 閑話休題。



 アランの視線による命令に従い、従者は部屋の隅に置いてあったワゴンに、エリカの出したお茶とお菓子と茶器を載せていく。

 そして、エリカ達に一礼すると、応接スペースに向かう。
 一方、従騎士は、廊下へと続く扉に向かう。

 教師にエリカの言葉を伝える為に………。
 守護騎士達は、従騎士達と従者を常に連れています。
 が、身分の格差の都合により、エリカは直接彼等に言葉をかけるコトは出来ません。

 その為に、従者や従騎士に頼む時は、何時もアラン達に頼みます。
 もっとも、どの内容の時に、従者に頼むべきなのか、従騎士に頼むべきなのか、守護騎士達に頼むべきなのかは、いまいちエリカにはわかりません。

 ですから、何時もアランにお願いしています。
 最初は、面倒くさいと思っていたエリカだったが、何時の間にか諦めるコトを覚えたらしい。
 そして、エリカは、自分の守護騎士達と従騎士達と従者達を見て思う。

 (騎士様って、旧日本軍とか例えると
  騎士ってだけで、ラノベあるあるでいくと少尉って感じなのよね

  確か小隊長で部下が50人くらいだったわよね
  従騎士って、たぶん准尉って感じよね

  ここでは、戦争も紛争もほとんど無いけど
  人間相手の戦争とか紛争だったら、下に一般兵士がつくよね

  これって充分エリートだと思う
  それなのに、私の護衛と侍女の代わりってコトしかしてないわ

  これって、猫に小判とか豚に真珠とかって言うんじゃないかなぁ~
  だからって、護衛というか守護騎士達がいないとヤバイのよね

  この魔法騎士団本部内だったら、確かに安全だけど
  ここから外に独りで出れるか?って言えば、無理って答えるわね

  ここの常識とマナーは、家庭教師に習っているけど、
  それは高位貴族としての常識とマナーなんだよねぇ~

  日本に居た頃の様に、私が自由に出歩ける環境じゃ無いしね
  私の身長って、こっちだと完全に子供なんだよね

  子供を独りで歩かせたりはしないって、アルが言っていたわ
  奴隷制度は確かに無いけど、年季奉公も給料の前借もあるから
  それを悪用すれば奴隷制度の様に使えるからって………

  法律の整備も難しいわね、何時かは何とかしたいわね
  結論から言えば、人攫いは現実にある

  その対象は、見目麗しい女と子供ってなっているけど
  下働きとかだったら不細工でもOKなんだよね

  結論としては、私は、人攫いに出会ったら即浚われるってコト
  この黒髪に黒い瞳って、滅茶苦茶珍しいし、容姿なんて関係無く
  野心のある貴族達や豪商達に好まれるのよ

  その子を愛人にして、子を作り子供にその色彩が出る可能性があるから
  その子供を政略結婚に使えるからって………ろくでもない話しよね

  聖女の色彩ってだけで、純粋に好む者達もいるからね
  ついでに、私は、正真正銘の聖女だしね

  レオ達は、大き過ぎて連れて歩けない
  美形過ぎるジュリアスを連れて歩くのは無理

  アルに恋した時点で、普通の生活は無理だって判っているけどね
  だったら、この帝国を少しでも暮らし安い所にしたいって思ったわ

  ここに住む国民やアル達の為に、そして、自分の為にね
  って、コトでPXを作る為に、彼女達と話し合ってみましょうかね
  先生やアラン達も交えて………) 

 エリカは、色々と考えごとをして、聖女候補の美少女達が入浴を終えて出て来るまでの時間を潰していた。










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