私は聖女になります、性女(娼婦)にはなりません

ブラックベリィ

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第7章 帝都にて、それぞれの時と思い

073★魔法騎士団長アルファードと、聖女候補エリカの帰還

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 皇妃リリアーナが、魔術師エルダール達と会話している、その頃。

 魔法騎士団と中央騎士団の騎士達と、神官達と魔法使い達を引き連れた、アルファードとエリカは、他の騎士団の副団長達とアルファードの弟達に出迎えられていた。

 それも、魔法騎士団の本部前の広場で………。
 どうやら中央騎士団の騎士達は、エリカの昼食をあわよくばたかってやろうと思っていたらしい。

 魔法師団と神聖魔法師団の本部もちょっと離れていたのだが、エリカのワンコと化していたので、主(エリカ)から離れがたかったのだろう…たぶん…きっと。

 そんな、意地汚い?神官や魔法使い達を出迎える神官達や魔法使い達の姿もあった。

 アルファードの母の父バルディア侯爵を中心に、第1皇子派が集まって、出迎えの一角をしめていた。

 そして、エリカが会いたいと思っていた聖女候補の美少女達も、騎士達の中に混じって立っていた。

 騎士服に甲冑を纏って男装している?エリカと違って、他の聖女候補の美少女達は、足首まで隠す長さのワンピースを着ていた。

 愛馬シルファードの上から、女の子らしいワンピースを着ている美少女達を見てエリカは苦笑してしまう。
 
 〔あははぁ~…私と違ってお姫様って感じよね
 周りをかためている騎士様達も、いかにも
 聖女候補を守っていますって瞳で
 見詰めているもんね……はぁ~……

 あうぅぅ~…エリカなんて甲冑姿だから……
 愛らしいとか可愛らしい姿からは遠いよねぇ

 いっそ兜を被って、顔を隠しておけば
 良かったかも? いや、本気で………〕

 暗い思考に入っておとなしいのを良いことに、アルファードはとろけるような笑顔で、ふわりとシルファードからエリカを抱き下ろした。
 そして、エリカの頬に口付けしながら甘く囁く。

 「エリカ、長く乗っていたから疲れたろう
 このまま抱いて行こうか?」

 そう話しかけられても、他の聖女候補達の姿と自分の姿の違いに、ちょっとショックを受けていて、思考が追いついていないエリカは、アルファードの甘い口調での問い掛けに、答えを返すことなく黙っていた。

 「へっ…えっ……」

 黙っているのをイイことにアルファードは、エリカをお姫様抱っこしたままスタスタと歩き始める。

 「ちょ…待って…アルぅ~……」

 その現状に気付いたエリカが、慌てて降ろしてもらおうとするが、やはり長距離の乗馬は身体に負担を強いていたらしく、思い通りにはならなかった。
 ただ、条件反射として、無意識にアルファードの首に腕を回して、自分の身体を固定するような行動をエリカはとっていた。

 アルファードが歩くたびに、エリカの髪に結び付けられた大きな紫紺色のリボンが、ふんわりと揺れていた。 
 そのリボンの色は、アルファードの瞳の色。

 このドラゴニア帝国では、夫婦や婚約者同士や恋人同士が、お互いの瞳の色や髪の色の物を身につけるのは愛の証とされていた。
 そう、ラノベ定番のお約束が、ここにも存在していたのだ。

 と、いうことで、エリカは気が付かない内に、アルファードに恋人宣言されていたのだった。
 なお、アルファードは、長い癖の無い銀髪に、ほとんど黒に近い紫の細いリボンを結んでいた。

 それは、エリカの瞳の色だった。
 遥かな昔に入っている祖先のせいで、エリカの瞳は良く見ないとわからないが、濃い紫色をしていたのだ。

 その珍しい色のリボンをアルファードは、従兄弟のライアット・ヒューベリオン・バルディアに水鏡で連絡し、魔法の鳥の脚に結んで届けてもらっていたのだった。
 そう、用意周到とはこういう者を言うのだろう。

 アルファードが、自分の瞳の色のリボンを付けた聖女候補を抱き上げたまま歩き出す姿を見たバルディア侯爵ハインリッヒ・ルードビッヒ・バルディアは、取り巻き達に笑って言う。

 「ふむ、これで、アルファード様の
 正妃は決まったも同然じゃな

 歴代の皇太子殿下達同じように
 聖女を正妃となし

 皇帝への道を共に歩まれる
 なんと、めでたいことよ」

 ギデオンの祖父シルバーヌ男爵クラウス・ディアブロ・シルバーヌは、微笑みを浮かべて言う。

 「おめでとうございます、バルディア侯爵
 聖女様とアルファード様は仲むつまじいと
 我が孫ギデオン様も言っておりました

 早く試練の森に行き、聖女様の守護獣を
 手に入れるお手伝いをしたいと………」

 レギオンの祖父アルバース男爵クロード・ディアス・アルバースも負けじと言い募る。

 「おめでとうございます、バルディア侯爵
 アルファード様に相応しい《魔力》を持つ

 聖女様で、とても優しい方だと
 我が孫、レギオンも申しておりました」

 シルバーヌ男爵もアルバース男爵も、新興貴族の成り上がり者で、貴族としての地位(爵位と貴族としての歴史も浅い)は低い。
 それに、皇位継承権も無い孫を皇太子にと運動するのは、時間と金の無駄と割り切っているのだ。

 それよりも皇帝の色を誕生時から纏っている上に、高い《魔力》とたゆまぬ鍛錬でもって、自らの実力で魔法騎士団の団長となり、歴代皇太子と同等の地位(魔法騎士団の団長)に立っているアルファードを支持したほうが確実だと思っているのだ。

 皇太子の地位を今は皇妃リリアーナの皇子が持っているが、それは直ぐにアルファードのモノとなるのは確実だと思っていた。

 仲むつまじい聖女様とアルファードの姿を見たバルディア侯爵の取り巻き達は、この派閥に入っていて良かったと心の底から思うのだった。





◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
心配していたミニヤギの出産が、2月21日にありました。
無事、可愛らしい男の子が2頭誕生しましたが………。
やっぱり、母親のネルちゃんは面倒をみる気が無いようです。
いや、今までの出産も、産後直後(と、いうかほぼ出産中)のヘタっている間に、初乳を何とか飲ませるというワザでしのいできたのですが、今回もでした。
後産が出て、自力で歩き回るようになると、ヨテヨテの子供が寄っていっても………。

 『はぁ~…終わった終わった………
 ママ達…あとは、よろしく……
 そんで、ご褒美のおやつは?』

と、いうようなセリフが付きそうな態度で、子供をかえりみないので、これからしばらくは、牛乳と哺乳瓶で代理母状態です。
あぁ~…また、しばらく睡眠不足かぁ~…と思いつつも、無事出産が終わったので、落ち着いて作品に向き合えるようになると思います。
眠い頭で読み返すと、あっちもこっちも加筆したいというところが…(苦笑)
余裕が出来たら、親バカで写真を載せたいと思いつつ、今日の更新をお送りします(笑)お楽しみ下さい。
感想やご指摘がありましたら、遠慮なくドシドシ下さい(笑)

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