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第9章 魔法騎士団本部にて
126★なんとか分配が終わりました
しおりを挟むそして、ここにあるモノでは足りないモノは、ほぼオーダーメイドであることを告げる。
「それについては、アルが言ってたんだけど
足型を作ってからクツを作ってくれるって」
エリカの言葉に、桔梗が聞く。
「それじゃぁ…エリカさんは、クツの為に
もう足型を作ったの?」
聞かれたエリカは首を振る。
「ううん…これからよ
まだ、職人さんと会って無いから」
そのセリフに、聖女候補達はなんとなくほっとする。
やっぱり、自分達の為だけにそういうオーダーメイドをというのは気が引けるのだ。
勿論、エリカも似たり寄ったりの感覚だったりする。
「そうなんだぁ~……ここって
既製品が無いのね」
そのセリフに同感というように頷きつつ、エリカは説明する。
「オーダーメードしか無いみたいだよ
だって、工場が無いし馬車を使う時点で
ここの文明文化とかが、私達の世界と違う
ってわかるでしょ」
エリカにそう言われて、感じていた違和感の正体に気付いて頷きつつも溜め息を零れ落とす。
「そうだよね
ここは、ファンタジーの世界なんだよね」
ポツリとそういう百合に、エリカは肩を竦めるようにして、魔の森へと向かう為に軍馬に乗って走っている時に見たモノを思い浮かべながら言う。
「剣と魔法の世界なんだもん
あっちで言う、科学技術というモノが
ほとんど発達していないんだから
車も飛行機も無いんだよね
工場も無いから、空気は綺麗なままだったよ」
そう言うエリカに、蘭もチラリと見た外(神殿から移動するとき)の様子に、自分の感想を口にする。
「そう自然も破壊されていない
綺麗で危険な世界だよね」
鈴蘭が確認するように言う。
「うん、ラノベの世界だね」
牡丹が、厨二病で構わないという感覚で、ほぉ~と吐息を吐くように言う。
「早く、魔法を覚えたいなぁって思うのよ」
そんな牡丹に頷きつつ、撫子が握りこぶしで言う。
「うん、私もそう思うよ
そして、もふもふの守護獣を手に入れて
のんびりスローライフを送るの」
聖女としてのお仕事が終わった後を想定した言葉に、それって無理でしょと思いつつ聞く。
「なんでスローライフなの?」
その桔梗の質問に、撫子は首を振る。
「だって、この世界って女性の働き先が
見事に無さそうなんですもの」
蘭もなんとなく感じていたモノだったので頷く。
「確かに、就職先が無さそうね」
一応は話しにちょこちょこっと参戦していたエリカだが、全然作業が進まないのを見て言う。
「はいはい、横道にそれないで
洋服、アクセサリー達を選んでね」
言われて、聖女候補達ははっとする。
「うん。そうだね
日常生活から慣れて行くしかないよね」
「良し、さっさと選ぼう」
こうして、ちょこちょこと脱線しつつも、聖女候補達は必要なものを手に入れたのだった。
勿論、その間にドレッサーやミニタンスなどを、家具職人達は何とか作り上げていた。
そう、大工達は、ささっと仕事を終えていた。
棚を設置するのは簡単だったからだ。
そうして出来上がった家具達は、聖女候補達が住む予定の部屋に運ばれたのだった。
なお、聖女候補達はキャロラインに貰った服を衣装箱に入れていたので、それを持って移動したのだった。
大工達が棚の設置をしていた時に、ジャスティーとクリストファーが、シャワーの設置をしていた。
魔法騎士団の騎士達は、酔ったはずみでシャワーを壊したり、寝ぼけてシャワーを壊したりと色々な理由?出来事?でシャワーを壊すので、騎士達はシャワーの設置に慣れていたのだ。
その為、聖女候補の為のシャワーも簡単に設置するのだった。
そのついでに、洗面台も6人分設置したジャスティー達だった。
聖女候補が、衣装箱を持って室内に入った時に、家具職人達も出来上がった家具を運んで着ていた。
全ての家具を設置を、少女たちに聞きながらするジャスティー達だった。
こうして、聖女候補達の部屋は整った。
欲しかった着替えや日用品も手に入って少女達はご機嫌になっていた。
結果、夜更かしをして、朝の目覚めが遅くなっていたのだった。
朝、自分達で起きられなくても、起こしてくれる騎士様がいるって、なんかお徳ねなんて思う聖女候補達だった。
が、それを口にすることはなかった。
そんなことを口にして、騎士様達の印象が悪くなってたら……と考える…ちょっと小心者な少女達は…エリカの作る美味しい朝ごはんを食べる為に、あわただしくシャワーを浴びる。
その勢いのまま急いで着替えて、ランスロット達に髪を乾かしてもらいエリカの待つ団長室に向かうのだった。
扉を叩くのは、デュランだった。
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