私は聖女になります、性女(娼婦)にはなりません

ブラックベリィ

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第9章 魔法騎士団本部にて

125★衣装選びとは時間のかかるモノです

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 そう、良い男(金、地位、権力などを持っている)を掴まえると、どんなに楽かを身を持って知ったエリカだった。

 一方のアルファード達は、聖女候補の為に、色々と手配するエリカの様子を見て、自分の正妃に相応しいと改めて思う。

 〔本当に、エリカは思い遣りがあって
 まさしく、聖女だよなぁ~…………

 さっさと、頭痛のもとの塩の問題を解決して
 試練の森で守護獣を手に入れて
 エリカとの婚約式に漕ぎ着けたい〕

 聖女候補の少女達が、日用品などを選んでいる、その頃。
 アルファードの依頼に応えて、西の妃キャロラインが送った洋服などが届いた。

 持って来たのは、オスカーの兄達とその部下達だったので、マクルーファの部下達は、するりと部屋まで通した。
 彼らは、綺麗な衣装箱を6個持ってきたのだった。

 それぞれの箱の中には、普段着とちょっとしたドレスと扇子や若い少女たちに似合うアクセサリーや櫛などが入っていた。
 キャロラインは、6人にそれぞれ衣装箱を下賜する予定らしかった。
 それに気が付いたエリカは、オスカーにあることを依頼する。

 「オスカーさん
 あの魔鳥を出してもらえますか?」

 エリカの依頼に、オスカーはこころよく頷く。

 「はい、出来ますよ
 少々お待ちいただきますが
 宜しいですか? 姫君?」

 急ぎかどうかを確認するオスカーに、エリカはにっこりと頷く。

 「はい、構いませんので
 宜しくお願いします」

 そんなオスカーとのやりとりに、鈴蘭が小首を傾げながら聞く。

 「エリカさん、さっきの鳥で何をするの?」

 その問い掛けに、エリカはふんわりと笑って言う。

 「もちろん、早速洋服を送って下さった
 西のお妃様にお礼を言おうと思ったのよ
 あぁ皆さんも、お礼の言葉を言って下さいね」

 そう言われて、鈴蘭が頷く。

 「うっうん。ありがとうって言うね」

 そんな鈴蘭に微笑んだエリカは、なんであえて古着?を手に入れることを選んだかを言う。

 「着たことのある洋服の方が、柔らかくなって
 着易いし、訓練で駄目にしても、心が痛まない
 って思って、あえて古着をお願いしたの」

 最良の方法だったと思うんだけどというニュアンスを混ぜたエリカの言葉に、蘭がコクコクする。

 「うん、古着の方が身体に馴染み易いよね」

 頷く蘭の隣りで、百合は手渡された衣装箱を開けて、中に入っているモノを確認して、楽しそうに笑う。
 それを確認しつつ、エリカは言葉を続ける。

 「それに、ちょっとしたアクセサリーも
 入っていたのだから…………」

 その言葉に頷いて、牡丹が言う。

 「それについても、お礼を言うわ」

 口々にそう言う聖女候補達を見て、エリカは言う。

 「じゃあ、オスカーさんが、鳥を作ったら
 順番にお礼を言いましょうね」

 こうして、必要なものを手に入れた聖女候補達は、西の妃キャロラインやオスカー達にお礼を言うのだった。

 そして、エリカの声やアルファードの声、聖女候補達の声が入った鳥はキャロラインの離宮を目指して飛んで行くのだった。

 お礼も済んだのだからと、エリカは聖女候補の少女達に、衣装箱の中身を全部食堂の大きなテーブルの上に出すことを提案した。

 「それじゃテーブルの上に、西の妃様から
 送られて来たものを全てのせてから……
 欲しいモノを1人一枚という形で
 取って行きましょう」

 エリカの説明に、聖女候補全員が嬉しそうに頷く。
 その中で、撫子が代表で言う。

 「1人一枚ね。わかったわ」

 そう言う間に、衣装箱を覗いた聖女候補達は中身を全部テーブルに並べて行く。

 「うん、片寄りがあるといけないから……
 一巡ずつってカタチで選ぶなら不公平感が
 少しは減るかな? って思ってね

 ほら、衣装箱に詰めた人の感覚によって
 中に入っているモノが違うと思うから……」

 エリカの言葉に、桔梗が自分達の手で並べたモノを見て、溜め息を吐く。
 
 「この中から選ぶのね」

 その視線の先には、質素を絵に描いたような衣装から、かなぁ~り華美なモノまで並んでいた。
 勿論、小物も色々である。
 それを見た牡丹が嬉しそうに言う。

 「んふ、こんな風に色々と並んでいると
 ちょっとしたお店での買い物みたいで
 楽しいわね」

 撫子も、嬉しさから微笑みを零れ落としながら言う。

 「うん、アクセサリーもあるし
 ハンカチとか、これってストッキング?」

 自分達の知るモノとちょっと違うモノに、小首を傾げながらツンツンする。

 「絹の靴下って感じかな?」

 「ねぇ~サンダル? ミュール?
  って感じのがあるわね」

 「部屋履きって感じかなぁ?」

 「でも、ちょっと欲しいよね」

 「うん、欲しいわ
 後で、運動用のクツが必要よね」

 それぞれ言い合う聖女候補達に、エリカはそうだよねぇ~と頷くのだった。







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