私は聖女になります、性女(娼婦)にはなりません

ブラックベリィ

文字の大きさ
241 / 450
第14章 ミッション1 皇女様の行き先は?

235★守護騎士を決める大会

しおりを挟む


 夫の言葉に、エカテリーナはにこにこ笑って言う。

 〔ここで、聖女様と
  親しくならないと

  私の立場と、実家の立場が
  弱くなってしまうもの

  なんとしても
  キャスリーンには
  負けたくないわ

  血のつながりの無い
  アルファードに媚びるより

  聖女様に媚びるほうが
  楽だもの〕

 「そうですよ
  出来るならば

  守護騎士の地位を
  戦って決めても良いと

  思っているのですよ
  ねぇ~貴方」

 エカテリーナの発言に、顔を引き攣らせてキャスリーンが言う。

 〔くっ……私が提案する
  予定だったのにぃ~……

  ここは、悔しいけど
  賛成しておきましょう

  何と言ってもアルファードは
  私の実の孫ですもの

  そうだわ、辺境伯に嫁いだ
  姉の騎士団にも優秀な者が
  多いと聞いているから

  帝国全土の騎士に
  守護騎士になる大会に

  参加できるように
  提案しておきましょう〕

 「貴方、私の姉が嫁いだ
  辺境伯爵の騎士団にも

  優秀な騎士が多いと
  聞いております

  いっそ、帝国全土から
  募集するのも
  宜しいかと思います」

 2人の夫人の言葉に、バルディア侯爵は鷹揚に頷いて言う。

 「ああそうだな
  では、キャロラインに
  言ってみようか?」

 そんな貴族同士の軋轢を含む会話を、苦笑いを浮かべて聞いていたキャロラインは肩を竦め、振り返って言う。

 「お父様、私にも陛下にも
  まる聞こえですけど………」

 そういうキャロラインの隣りで、顎を無意識になでながらアルフレッドは感慨深げに言う。

 「守護騎士を決める大会かぁ~
  寵愛の聖女様、慈愛の聖女様
  聖母な聖女様以来……か…

  では、それを私の名前で
  発表しよう

  それが終わったら
  聖女の認定式だと言えば

  皇女の嫁ぎ先を決める為に
  認定式を遅らせていると
  噂されなくて済むしな

  これでどうだ?
  アルファード?」

 アルフレッドの発言に、アルファードはこくこく頷く。

 〔俺のエリカは
  かの寵愛の聖女様に
  勝るとも劣らないんだから

  帝国最強の守護騎士を
  付けたい…いや、2番目…

  俺が1番だから……って
  オスカーやマクルーファより
  強いのは居ないから………

  う~ん……5番目………
  まっ…俺達に追随できる
  それなりの騎士を………

  それに、あの塩ババアを
  悔しがらせてやりたしな

  くっくくババアの息子は
  確かに俺の弟だが

  聖女を、1人だって
  与えたくないからな

  守護騎士達に、命じて
  邪魔をさせてやるのも
  楽しいなぁ~……

  そうだ、上手く邪魔できたら
  エリカの守護騎士にしてやると
  囁くのも良いかもなぁ~………〕

 などと、腹黒いコトを考えながら、表面はにこやかに笑う。

 「良いですねぇ~…
  勝ち残った者達を、エリカに 
  残りの者達を6人の聖女候補に
  つけるとするかぁ~…」










しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

存在感のない聖女が姿を消した後 [完]

風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは 永く仕えた国を捨てた。 何故って? それは新たに現れた聖女が ヒロインだったから。 ディアターナは いつの日からか新聖女と比べられ 人々の心が離れていった事を悟った。 もう私の役目は終わったわ… 神託を受けたディアターナは 手紙を残して消えた。 残された国は天災に見舞われ てしまった。 しかし聖女は戻る事はなかった。 ディアターナは西帝国にて 初代聖女のコリーアンナに出会い 運命を切り開いて 自分自身の幸せをみつけるのだった。

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

召喚されたら聖女が二人!? 私はお呼びじゃないようなので好きに生きます

かずきりり
ファンタジー
旧題:召喚された二人の聖女~私はお呼びじゃないようなので好きに生きます~ 【第14回ファンタジー小説大賞エントリー】 奨励賞受賞 ●聖女編● いきなり召喚された上に、ババァ発言。 挙句、偽聖女だと。 確かに女子高生の方が聖女らしいでしょう、そうでしょう。 だったら好きに生きさせてもらいます。 脱社畜! ハッピースローライフ! ご都合主義万歳! ノリで生きて何が悪い! ●勇者編● え?勇者? うん?勇者? そもそも召喚って何か知ってますか? またやらかしたのかバカ王子ー! ●魔界編● いきおくれって分かってるわー! それよりも、クロを探しに魔界へ! 魔界という場所は……とてつもなかった そしてクロはクロだった。 魔界でも見事になしてみせようスローライフ! 邪魔するなら排除します! -------------- 恋愛はスローペース 物事を組み立てる、という訓練のため三部作長編を予定しております。

私が美女??美醜逆転世界に転移した私

恋愛
私の名前は如月美夕。 27才入浴剤のメーカーの商品開発室に勤める会社員。 私は都内で独り暮らし。 風邪を拗らせ自宅で寝ていたら異世界転移したらしい。 転移した世界は美醜逆転?? こんな地味な丸顔が絶世の美女。 私の好みど真ん中のイケメンが、醜男らしい。 このお話は転生した女性が優秀な宰相補佐官(醜男/イケメン)に囲い込まれるお話です。 ※ゆるゆるな設定です ※ご都合主義 ※感想欄はほとんど公開してます。

お嬢様はお亡くなりになりました。

豆狸
恋愛
「お嬢様は……十日前にお亡くなりになりました」 「な……なにを言っている?」

召喚聖女に嫌われた召喚娘

ざっく
恋愛
闇に引きずり込まれてやってきた異世界。しかし、一緒に来た見覚えのない女の子が聖女だと言われ、亜優は放置される。それに文句を言えば、聖女に悲しげにされて、その場の全員に嫌われてしまう。 どうにか、仕事を探し出したものの、聖女に嫌われた娘として、亜優は魔物が闊歩するという森に捨てられてしまった。そこで出会った人に助けられて、亜優は安全な場所に帰る。

処理中です...