お犬様のお世話係りになったはずなんだけど………

ブラックベリィ

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第3章 蓬莱家で住み込みのお仕事

060★知らないところで、異種族交流の始まり?

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 そんなコトを考えながら、和輝は桜を抱き上げていない方の手で、ひょいっと〈レイ〉と〈サラ〉の引き綱を手に取り、自分のベルトへと無造作に繋ぐ。

 「〈レイ〉〈サラ〉
  スタンダップ

  それじゃ………
  行きましょうか?」

 言いながら、和輝が客間を出て、廊下を歩き始めたのを見て、優奈は真奈に自分の荷物を手渡す。

 「真奈ちゃん先に行って
  私は、この湯のみとか
  片付けるて来るね
  直ぐに追い付くから……」
 
 「オッケー」

 「うん、よろしく」

 優奈はお盆に空の湯飲みを集めて、台所へと運んで行った。
 それを見送った真奈は、やれやれという表情で、玄関へと向かった。

 一方、玄関から出た和輝は困っていた。
 なぜならば、玄関前にデンッと鎮座スルデカイ車が、はっきり言って交通の邪魔になっていたからだ。

 うん…借りるのは、絶対に
 小さい車にしよう
 こんなんじゃ、邪魔以外
 なにものでもないな

 そのデカイ車のドアを開け、ボディーガードが、無言で和輝が乗るコトを促す。
 和輝は桜を片腕に抱いたまま、2頭に先に乗車するコトを命令する。

 「〈レイ〉…〈サラ〉…
  スロー…アップ………」

 その気の抜けたような命令に、和輝を振り返った〈レイ〉と〈サラ〉は、エヘッと笑ってから、素直にゆっくりと車に乗る。
 どうやら、和輝が一緒に車に乗るのが嬉しいらしい。
 桜を抱いたまま、車に乗った和輝は、桜を隣りに降ろして、振り返る。

 「真奈、優奈は?」

 2人分の荷物を持っているのを見て、和輝が問う。

 「あの子なら、湯飲みを
  片付けて来るってさ
  あぁ…ほら、来たよ」

 自分が最後なので、きちんと玄関に鍵を掛けて、テテッと車へと走って来る。

 「お待たせしました」

 可愛らしく、優奈が言えば、寡黙なボディーガードの頬も微かに緩む。
 どうやら、優奈の素直な言葉に和んだらしい。

 「んじゃ、さっさと乗れよ
  通行の邪魔になってるからな」

 「はぁ~い、あれ? 真奈ちゃん
  先に乗らないのぉ?

 「優奈が乗ってから乗るよ」

 「そう…じゃあ先に乗るね……」

 他愛ないやり取りの後、優奈が先に乗り、真奈がその後に続く。
 桜と一緒に、和輝兄妹が乗車したのを確認し、静かに待機していた蓬莱家の爺やが、最後に車に乗り込んで来る。

 全員が車に乗ったのを再度確認し、ボディーガードが車のドアをバタンと閉める。
 和輝達兄妹を乗せた蓬莱家の車は、静かに発進した。

 それは異なった種族と、和輝達兄妹の波乱万丈な交流の幕開けでもあった。











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