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第3章 蓬莱家で住み込みのお仕事
148★とにやく、自宅へ
しおりを挟む意識がごねの状態から、現実に向いたのをみて、和輝は笑って言う。
「とにかく、優奈も真奈も
車に乗れよ
竜也と輝虎が、車で
待っているからさ
それは、車に乗ってから
考えような」
和輝の言葉に、切り替えの早い真奈が頷く。
「そうだね
いったん、ウチに帰ってから
考えれば良いか
ほら、優奈…あんたも
さっさと車に乗る
部屋割りも必要でしょ
掃除やご飯の分担もね」
そう真奈にそくされた優奈は、コクッと頷いて車に乗り込む。
「やぁ……久しぶり
優奈ちゃん、真奈ちゃん
和輝の好意で、僕と輝虎くんも
一緒に住まわしてもらうコトに
なったんだ」
後部座席にいた竜也が、できるだけ優しい声で挨拶する。
「竜ちゃん…本当?
一緒に暮らしてくれるの?」
優奈は嬉しさ半分の微妙な表情で、そう質問する。
その隣りでは、真奈がなるほどという表情をしていた。
そこに、竜也が説明を重ねる。
「ああ、そういう話しに
なったんだ
竜姫達は、言わなくても
理解(わか)るだろう?」
竜也と優奈のどこかのんびりした会話に、タイミングを見計らって、真奈が割って入る。
「ちょっとぉ~……優奈ぁ…
中途半端な格好で出入り口を
ふさがないでよ
きちんと座席に座ってから
話しなよ
あんたがきちんと中に入って
座らないと、私が乗れないでしょ
竜ちゃんも、そういう話しは
ウチに着いてからで充分でしょ
まったく………」
きつい口調で言う真奈に、竜也は穏やかに笑う。
「相変わらずだね、真奈ちゃん」
「優奈がとろいのよ
とにかく、乗る
したら、車出して良いよ
和兄ぃ」
そう言って、やっと後部座席に座った優奈の隣りにストッと座った真奈は、パタンッとドアを閉める。
和輝は妹2人がシートベルトを装着したのを確認して言う。
「乗ったな…シートベルトも
うん…とめたな…
んじゃ、車出すぞ」
そう言いながら、和輝は静かに車を発進させ、15分程度の位置にある自宅へと向かった。
ちなみに、小学校から和輝達兄妹の自宅までを直線距離にすると、実はたいした距離にはならないのだが、一方通行など、車ゆえの不都合さが災いして、結構遠回りする為に、時間がかかるのだ。
自宅に到着した和輝は、カンザキ医院への来院者の為に用意された、駐車場に車を入れる為に、最後に車に乗った真奈に声をかける。
「ほい、到着……つーことで
真奈…わりぃーけど……
この車は、来院者用の駐車場に
入れるから、駐車場の門を
開けてくれっか?
家の前に停めると、近所迷惑に
なっちまうからさ………」
そう言いながら、和輝は胸ポケットから、カンザキ医院のドアの鍵を真奈に手渡す。
「これ、医院のドアの鍵な
門の鍵は何時ものところに
有るからよ」
和輝の言葉に頷き、鍵を受け取った真奈は車から降りる。
「オッケー…和兄ぃ……
来院者用の駐車場だね」
「まってよぉ…真奈ちゃん」
車から降りた真奈を追いかけて、優奈も車を降り、カンザキ医院のドアへと向かう。
「僕達も降りようか、輝虎君」
「ああ、そうだな」
2人が車から降りて、駐車場の門の鍵が開くのを待つ。
医院の中に入って、戻って来た真奈が駐車場の門の鍵を開ける。
ちなみに、女の子の真奈に、重い門を大きく開けるのは大変なので、輝虎がさり気なく手伝って、大きく開いたのは言うまでも無い。
和輝は、門が充分に開いたのを確認し、借り物の車を駐車場に停めた。
それを確認した輝虎は、駐車場の門を閉める。
完全に閉まったのを確認し、真奈が駐車場の門の鍵を掛けた。
輝虎と真奈は、息の合った良いコンビである。
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