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第3章 蓬莱家で住み込みのお仕事
182★お兄ちゃんは心配性です
しおりを挟む白夜の腕の温かさに、桜は自分の無謀な行為をしたコトを実感する。
「ごめんなさい
白夜兄ぃ様」
自然と出た言葉に、白夜は微笑みを浮かべて言う。
「いや、それも……たぶんに
予定調和というモノだったの
だろうと、今は思う
お前は外出して、彼に会う
必要があったのだろう
事実、神咲君は桜のすべてを
受け入れ、全力でお前を
補助してくれている
本当に、お前が望んだ時
彼をペットシッターとして
雇っていなかったら
今頃、取り返しの付かないコトに
なっていただろうからな………
お前が彼を気に入って、ペット
シッターにしたいと言った時に
それを了承して良かったと
しみじみ思うよ
素性の判らない者を屋敷に
入れるのは心配だったが
本当に、入れて良かった
ほっとする
こんなに、一族への変異に
大量の《気》を必要とするとは
思わなかったから………
彼の存在は得難いものだ
《気》を供給するコトを
少しも変に思わない
それどころか、我々を
理解しているような言動すら
見受けられるからな」
そう言って、頬を慰撫するように優しく撫でられる感触に、まだ夢うつつの中にいた桜は、正気になって顔を上げて言う。
「本物の白夜兄ぃ様」
それで、桜の意識がまだ完全に覚醒していなかったコトを知り、白夜は苦笑する。
「ああ、そうだよ、桜
ふふふふ……どうやら、完全に
一族の者へと変化する時期に
入ったようだな
これで、桜を突発的な病気などで
失うコトは無くなった
桃は間に合わなかったが、お前は
間に合ったようだ
くすくす………これで、紅夜も
少しは安心するだろう
彼とは、1年契約しているからな
とりあえず、お前の変化に必要な
《気》は、彼が提供してくれる
モノで足りるだろう
あとは、お前に必要な《気》を
求めて、各地に散った者達を
呼び戻さねばな
各地で、我々真族とよく混同される
あの『吸血鬼』や『食人鬼』と
呼ばれる者共が、ここ数ヶ月前から
活発に蠢きだした
もしかしたら………
あの忌まわしき者達が
繁殖期に入ったのかもしれない
その可能性は濃厚だ
お陰で、各地に『狩る者』が
出没しはじめている
まったく、迷惑なコトだ
だから、私は一族の長として
皆にお前の変化に必要な《気》を
供給する者を手に入れたから
もう集めなくて良いコトを伝え
この屋敷に集まるよう指示した
我々も固まっていた方が
出没する、あの『狩る者』達に
対抗できるからな
まして、この国はそういう意味で
我々が暮らすのに最良の環境からな
来週には帰宅するから、桜
あとほんの少し待っていておくれ」
どこか遠い瞳でそういう白夜に、桜は頷いてから、側で眠り続ける和輝を不審に思い、振り返る。
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