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0177★《ショウ》は意外と低価格
しおりを挟む地面に、実の丈の8分目くらいまで刺さっている《ショウ》と呼ばれる木の実を観察す。
ああ……よく見たら、小さな幼木がアチコチにあるな
なまじ、樹皮が鱗状な為、蛇が垂直に立っているような錯覚を覚えるモノがそこかしこに生えていた。
「なるほど………で、白夜、コレってどうやって使っているんだ?
強い塩味があると言っていたが……」
神護の言葉に、白夜はクッとその実の上部・ヘタと呼ばれる部分をパキッと折る。
「この折ったヘタ側に 赤い種が有ります で こっちに側に
塩っぽい果汁が入ってます
基本的には肉や魚に この果汁を直接かけて使います
とりあえず 舐めて確認してみて下さい 父上」
言われて、神護はちょっと考えてから、ちょいっと人差し指で果汁を掬って舐めてみる。
その味は…………。
マジか? めんつゆとお醤油を併せて、水で薄めたような味わいだ
見た目はレモンとミカンをあわせた色合いの果汁なのに………
甘味はほとんどないな……クスクス………これで直接煮付けるか
煮詰めるかをすれば、美味しく食べれるな
神護が舐めてから目をみはり、とても嬉しそうにしたので、白夜も嬉しそうに言う。
「どうですか? 父上 この《ショウ》なら 肉や魚に直接かけて
食べられると思うのですが………
父上の知っているモノで 《ショウ》と近いモノはありますか?」
白夜の言葉に、神護は頷く。
「あぁ…あるぞ、醤油と呼ばれるモノがな
コレは、それを薄めたモノに近いかな?
ただ、ぶっかけて食べるよりも肉や魚を、この《ショウ》を
使って煮付けたら、美味しいモノが食べられそうだな
よし、少し採っていくかな……ろくに調味料ないからな
あぁそうだ、白夜…この《ショウ》ってやつは
一般的に売られているのか?」
神護の質問に、わりと低価でごく一般的に市場などで売られているのを見たことがあるので素直に頷く。
「はい その辺の街の市場でも取り扱っていますよ
砂漠を渡って 街から街への交易を行う隊商も
定番商品の1つとして持ち歩いているはずです
安価でも かならずどこででも 売れるモノの1つだから
隊商は 大小にかかわらず 大量に運んでいるそうです
昔はかなり高価なモノだったようですが 《ショウ》を独占して
高売りする隊商に怒った街の商人達が ギルドで護衛を雇って
大量に売りさばいて 《ショウ》の価値が大暴落したそうです
そして 今の《ショウ》は 低価格になったという話しを
何かで聞いたことがあります」
白夜の説明に、なるほどという表情で頷いてから、神護はちょっと考える。
どの街でも、この《ショウ》が低価格で手に入るなら………
そんなに躍起になって集めなくても良いかな?
とは言っても、街まで徒歩で移動だからある程度の量は必要か……
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