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0265★とりあえず、自分達も馬達も夕食だ
しおりを挟むそう言って、神護は白夜を前の馬車の中で待たせ、おとなしく待っていた馬達を、3番目の馬車へと入れ始める。
まずは、1台目の6頭の馬達を…………。
「ほぉ~ら、もうお前達の飯は用意してあるからなぁ……
自分の場所に行ったら食べて良いぞ
水もたっぷり用意してあるからな
あとで、トイレに出してやるから良い子にしてろな」
馬達は、それぞれ自分の飼い葉桶にたっぷりの飼い葉と、その上にご褒美のように虹色オオトカゲの削った肉が入っていることを見て取り、いそいそと、自分の位置に付き、食べ始める。
【※注…旅商人・アデルが売ってくれた馬達はことのほか知能が高く
人語を正確に理解します。
その為、扱い方を間違えるたりすると、とぉ~っても苦労します】
馬達が食べ始めたことを確認して、神護は2台目の馬車へと行き、その中に入って飼葉の上に、虹色オオトカゲの肉を削って入れてやる。
それから、2台目の馬達6頭を入れ、1台目と同じセリフを言って、ドアを閉める。
勿論、3台目の馬達の飼葉の上にも、同じように虹色オオトカゲの肉を削って乗せ、6頭の馬を入れてドアを閉めた。
そして、3台の馬車の馬達のごはんの世話が終わった神護は、3台目の馬車の食料庫の中にあった数種類の果物と、野菜類を持って、白夜の待つ1番前の馬車へと戻ったのだった。
「お待たせ、白夜………ほら、こんな果物があったぜ
ちょっと待ってろな、すぐに暖かい夕食を食べれるようにするからな」
そう言って神護は白夜に果物を手渡し、夕食の準備に取り掛かる。
ぅん…こんなモンかな? 白夜は見かけよりは食べるからな………
身体と翼の成長には、ちゃんとした食べ物の栄養は必要だからな
ちょっとした、野菜のシチューに焼きたてパン。
ほどなく、虹色オオトカゲの肉を使ったシチューができあがった頃。
素焼きの壷で、小麦を捏ねて作ったパンもできあがっていた。
勿論、全部知識として覚えた《魔力》を応用して、作ったモノである。
シチューにパンにジャムに、カット果物で夕食が出来上がった。
神護に自覚は無いが、その世界で、まして馬車で移動している身だということを考えれば、かなり贅沢な夕食だったりする。
「さぁ~て……これで、俺達の夕食のできあがりだな
飲み物は、軽いワインがあったからな
食後の白湯も用意したしな」
備え付けのテーブルを引き出し、その上に料理を乗せる。
うふっ ワインがあるぅ あぁ…転生前に飲んだのは美味しかったなぁ~
後で 父上に《転移》使ってもらって……あの街で買いたいなぁ~……
「うわぁ~ 美味しそうですねぇ 父上
うふっ 食後のデザート付きなんですね 嬉しいなぁ~」
転生してもお酒好きは変わらないらしく、白夜は嬉しそうに背中の翼をパタパタさせる。
「ああ、本当に馬車が手に入って良かったぜ
お陰で、美味しい思いができるからな
………んじゃ、冷めちまう前に食べような」
「はい」
食事中の私語を好まない2人は、しばらく黙々と食事に勤しんだ。
が、お腹がいっぱい状態のリオウは、ごはんちょうだいなどせずに、ただ側に張り付いてうつらうつらとしているだけだった。
神護は、食後の口洗いも兼ねた白湯を口に運びながら、白夜を見詰める。
ぞましいことをしでかす輩から、俺が白夜を守ってやらなきゃな……
ついでに、売られている飛翔族を買い集めて、新しい街かな?
そう、安全な場所に作って………シムシティごっこも良いかなぁ~
応援ありがとうございます!
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