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136★スマホに魔法付与できたんですね

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 スマホで確認して思ったコトは………。
 これでいくと、私のライはかなりマシだったなぁ~って思ったわ。
 そして、ハルト君達みたいにスマホを用意していなかった自分を情けないって思ったわね。

 だって、せっかく呼び出したライが、大きい姿から小さな猫ぐらいになってくれたのに………そう思ってから………。

 あれ?スマホって使えたの?
 っていうか、このスマホは普通に写真が撮れていたよね。
 これって、もしかして魔法なのかな?
 ここは、ハルト君達に聞いてみるしかないよね。

 「ねぇ~スマホって
  全部の機能が使えたの?」

 「写真は撮れたけど
  会話とかメールはダメだったよ」

 私の質問に、ハルト君がさらりと答えてくれた。
 だから、私もあっさりとした感じで答えたわ。
 会話とかダメでも、メールならいけたりしてって思っていたから………。

 でも、ここは異世界だから………。
 電波の地上中継基地は無いし、日本の電波用人工衛星が無いし、アメリカの電波用人工衛星も無いんだから、GPSも無理よね。

 GPS位置情報サービスが無いってコトは、電車ナビや行先案内ナビも使えないってコトなんだよねぇ~不便だわぁ~………。
 異世界って本当に不便なのね。

 「そうなの…ちょっと残念」

 「うん、だからね、そこで
  魔法をかけてみたんだ」

 ガックリしていた私に、ジーク君がにっこり笑って言う。 
 魔法って聞いてちょっと期待した私は思わず聞いてしまう。

 「魔法を? どんな魔法なの?」

 「ラノベだと、水鏡とかで
  姿と音が遠距離でも通じていたよね」

 ジーク君は、ファンタジーの定番水鏡を例にだして説明するつもりらしい。
 どんな魔法を使ったのか気になった私は、わくわくしながら頷く。

 「うん、あるね、それ」

 「それと、声を届けるだけだったら
  風魔法で鳥を作って
  相手に送っていたよね」

 「そこで、スマホを水鏡という媒体として
  水魔法を掛けた上でね

  遠くまで声を届けるイメージで
  風魔法をかければ
  良いんじゃないかなって思ったんだ」

 ハルト君とジーク君の説明に、私はなるほどって思ったの。
 でもって、そんなコトも思い付かない自分に落ち込んじゃった。

 もうこうなったら、欲しい機能があるなら、魔法を掛けるとか付与するって、次からは思うコトにしよう。
 私だって、魔力はあるんだから………ガンバレ私。

 そんなちょっと魔法の落ちこぼれ?かもな私に、ハルト君は具体的な内容を教えてくれる。

 「僕らのスマホには
  スカイプが入っているわけじゃないから

  取り敢えず風魔法の音声を伝える
  って性質を付与するコトにしたんだよ」

 「ついでに、メールや写メール
  動画メールは、水鏡の水魔法
  ってイメージしてみたんだよね」

 ジーク君の説明をハルト君の説明に足すと、なんとなく私にも理解出来た。
 付与魔法って、ひとつ増える毎に、それを掛けた魔石やアイテムが壊れる可能性が上がるんだったよね。

 流石は、ハルト君とジーク君も思いっきりが良いわ。
 私なら、スマホが壊れたらいやだからって、1個付与するだけで止めてしまうもの………。

 「えっとぉ…2つの魔法を
  スマホに付与したの?」

 「いや、記憶させるって
  機能も入れたから………

  無意識で時空間魔法も
  付与したみたいなんだよね」

 「ラインとかさ、会話が残るでしょう」

 あははぁ~………無意識で魔法を使ったんですかぁ~………。
 失敗した時に、スマホが壊れるなんて、全然思っていないってコトがよぉ~くわかってしまうわ。

 でも、確かにラインの機能は便利よね。
 特に全員でのチャットは、良かったなぁ~………。

 「あっうん…あれって
  メモ代わりになるから便利だよね」

 「その機能をそのまま使いたいから
  無意識で時空間魔法を
  付与したんだと思っているよ」

 私の発言に、ハルト君はにっこり笑う。
 ハルト君達も、ラインを使っていたんだろうなぁ~………。

 オタク仲間とイベント情報や、待ち合わせの時間と場所の話しをすると、しっかり記録が残って便利だったのよねぇ~………。
 メールって、いちいち探して見直すコトになるから不便だしね。

 あれ?時空間魔法って、この国には無かったよね。
 新しい魔法を創造したってコトかな?
 なんか気になるから聞いてみよう。

 「あれ? ここの魔法の区分って
  無、土、水、火、風だったよね?」

 「精霊魔法もあっただろ
  それに、神力もね」

 「それらを全部イメージしたままで
  スマホが今までと同じように
  使えるようにって、魔法を掛けたんだ」

 私の問い掛けに、ハルト君とジーク君がさらりと答えた。

 「うう~ん………私にも出来るかなぁ?」

 「ああ、それなら…アリアのスマホも
  一緒に掛けたから使えるよ」

 「うっわぁ~…嬉しいありがとう

  これで、ライやハルト君達の
  グリフォンのスチルが保存できるわ

  あっ…でも彼女達はどうなのかな?」

 「合流して訓練するようになったら
  彼女達のスマホにも同じ魔法を
  掛けてあげれば良いと思っているんだ」

 「スマホも、通信魔法の
  1種になると思うから

  神殿に住んでいる彼女達とは
  どっちにしろ連絡できないしね」

 「そっかぁーそうだよねぇ~………
  でも、お城の外に出たら
  色々と連絡できて便利だよね」

 「ああそうだね

  彼女達は、夫達の集団と
  グループを作って
  移動するだろうから

  結構な距離になりそうだしね」

 「一緒に移動しないの?」

 「アリアは、婚約者の俺達と

  彼女達もそれぞれの婚約者と
  移動するんだよ

  アリアは、自分に都合の悪いコトを
  直ぐに忘れるからね」

 「だって、何があっても
  皆が守ってくれるでしょ?」

 「「「「はぁ~アリアは
  小悪魔だよね」」」」









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