異世界召喚に巻き込まれました

ブラックベリィ

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043★そうですね、還れませんね

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 「皆さん、愛する人と共にいたいと仰ったそうです。それと、魔物を殺しまくった人間が、平和な日本で生活(くら)せるとは、思えないと………。ランボーになってしまうのは、嫌だと仰っていたと書いてありました」

 それを聞いて、マリウスさんの答えって、予想を裏切ってばかりだなぁなんて思ったわ。
 そして、なんか妙にリアルな部分に、私は思わず頷いてしまう。

 「………」

 「「「それも、ありだなぁ~」」」

 ハルト君達のランボーって映画の主人公に共感する言葉に、私は連想してつい思ったコトを口にする。

 (※確か1作めは、ベトナム戦争の帰還兵が起こした事件を、題材にした
  ワンマンアーミーって感じの映画でした。
  命がけでアメリカの為に戦って帰還したのに、仕事にもつけないし世間は
  偏見の目で自分を見る。
  そんな現実に苦悩しているのに、夢の中では、ベトコンと戦って苦しんでいる。
  追い詰められて、とうとう世間とケンカする話でした。
  ちなみに、旧作でテレビで見たのかレンタルで見たのか覚えてませんが………。
  ロッキーとランボーの違いに、シルベスタは凄いと思いましたね。
  ちなみに私は、1作めと違って、悪と戦っている2作めが好きでした。by.作者)

 「うん、私もそう思うわ……たとえ魔物でも…命ある存在を、人間が生き残る為だからって、殺しつくすようなコトをしていたら…心が平和な日本に違和感を持つよね」

 私の本音にハルト君も本音を口にする。
 
 「俺は、領海侵犯や領空侵犯されても、ミサイルが上空を飛んでも、即時攻撃できない日本にいらだって何かをしそうだな。何と言っても、証拠を残さない魔法や神力を行使すれば、誰にもバレずに攻撃できるからなぁ~…その誘惑に、俺は耐える自信が無い……日本に帰還するのは、止めるわ。マジでキレたらやりそうだから………」

 ハルト君の本音に、ジーク君も本音を口にする。

 「僕もそう思うよ。帰還して落ち着いて生活し始めた時、この世界で使っていた力、魔法や神力が使えたら……赤い国とか…南と北のイヤーンな国とか、領土でもめてる寒い国に、何かしそうな自分を感じたね。確かに還れないな。残念だけとね」

 「うんうん、オレも色々とやらかしそうだからなぁ。特に取ったら負けのババと同じ南と北の国とか、建国70年+αなのに、中華三千年とか五千年って言ってる国とかにね。国ってさ、政権交代も同一民族内じゃないと、連綿と繋がっているって言えないと思うんだ。なのにあの国は、他民族に支配されていた時期の話をすると………。例えば元(げん)とかがやらかした、日本侵略(元寇=げんこう、で2度侵略行為有り、神風で撃退されたというアレです)について突っ込むと、『アレは元がやったコトで、我が国とは関係ありません』って言うんだよ。それって、三千年の歴史なんて無いって言ってるも同然だろ。元と名乗った国と赤い国とは別なんだから、その期間は空白だろ。それと『自分達の領土はここまであった』って言うけど、それって、元ネタの領土は異民族の国である元だったり、清だったりするんだよなぁ~漢民族の国って宣言するなら、『元や清の領土だった地域を自分の領土だったなんて言うなよ』って思うんだ。だから、あの国が、領海侵犯や領空侵犯するなら、最高に優しくしても、魔法で障壁とか結界を作ってやると思う。だから、帰還は選択肢から外すしかないな。領海侵犯するのは、命令に従うだけの下っ端だからさ。その下っ端の命を奪う可能性に、オレの良心が痛くなりそうで……」

 アルス君が肩を落としてそう言えば、ダリューン君も頷いて………。

 「ボクもあの国々に、何もしないでいるって、選択肢は無いから、帰還は諦めるしかないね。できるなら、政治家に魔法で圧力をかけて、既に時代に合わなくなった平和憲法を廃止させたいと思うからね。それと、世界中の核兵器を、全部月に打ち込みたいって思うんだ。それも、全世界の人間達に見えるようにしてね。それと、全世界の原発や核廃棄物も、その周りの土地ごと月に捨てたいって思う。勿論、原子力空母も原子力潜水艦も月に捨てるよ。核の冬なんてゴメンだからさ。通常兵器のみで戦うなら、第二次世界大戦で、艦隊戦をやりまくった、あの星の国と日本が優位に立てるからね。赤い国や寒い国にそのノウハウは無いから………。でも、それをやったら、デスノー○の月になっちゃうから、還らない方がイイんだ。ボクや人類や世界の為にも………」

 アルス君やダリューン君も、かなりキツイ本音を口にした。
 そこで、私も言いたいことを言っても、どん引きされるとか、嫌われるなどの心配は無いと思って、本音をヘロリと口にする。

 「私は、その国々+51番めの州の冗談で有名な国にも、悪さしたくなるから帰らないわ。他にもクジラでもめてる南半球の国とか、シーシェパー○を擁護する国とか、反捕鯨国とか色々とあるじゃないの。それに、私は、女性にろくなコトをしない、あの宗教のテロリスト集団とか、女性蔑視、男尊女卑プラス宗教内差別をしている例の宗教に、ムカッとして、どどぉーんとやってしまいそうなのよねぇ~……それをやってしまったら、良心が痛むから、還らないわ」

 私の本音に、アルス君やダリューン君はこくこくと頷く。

 「「………」」

 「あっ…それってわかる」

 「うんうん、それも考慮するべきだよね」









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