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召喚されちゃいました

309★求愛給餌にも意味があるんですね

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 「アラン様、これは、自分のペースで食べたいんです」

 「ええ、静香がそう思っているコトは、その表情から判っていますよ」

 「だったら、私の好きにさせて下さい」

 「イヤですね」

 「どうして?」

 「静香の思い通りにさせたら、アイスクリームを食べている間
  私という存在を、意識の中からポイッと捨てるでしょう
  それは、とても寂しいんですよ

  ついでに、私の差し出すスプーンをムスッとした顔で見詰めて
  でも、口にアイスクリームが入るとふわっと微笑む
  可愛い貴女の色々な表情も堪能できますからね

  求愛給餌は、愛情表現と愛情確認と静香は思っている様ですが
  差し出す食べ物を躊躇無く食べるというコトはね
  番に対する愛情と信頼の証でもあるんですよ

  私としては、何かに夢中になると食べるコトを忘れる
  静香が心配だという思いが大半ですけどね

  それでも、美味しい物を食べて、とても幸せそうに微笑む
  貴女の顔を見るのは、私のしあわせでもあるので、諦めて下さいね」

 うっわぁ~い滅茶苦茶恥ずかしいです(爆)。
 求愛給餌って、ラノベあるあるの竜人の性質だとばかり思っていましたよ。

 それの意味なんて考えたコトも無かったわ。
 確かに、皇族や王族だったら、常に毒殺の危険がありますよね。

 それを考えると、相手(アラン様)の差し出す食べ物を躊躇無くパクッと食べる(食い意地の張った私)のは信頼の証ですよね。 
 それにしても、食べている私の表情もアラン様は楽しんでいたんですね。

 はぅぅぅ~滅茶苦茶恥ずかしいです~(ぼっ)。
  アラン様の嗜好が、ちょっと変だったのは助かりますね。

 それに、こっちの世界の《魔力格差》っていう法則も私に有利に運んでいますよ。
 この《魔力格差》は、性的な関係を持つコトさえ苦痛を感じるっていうシロモノだって言うんですよね。

 それを緩和する薬が、2つあるけど《魔力降下剤》と《魔力増加剤》このどちらも副作用がある。
 《魔力降下剤》を使うと、魔物討伐には行けなくなる。

 使える《魔力量》が、どのくらい減るのか予想不能だから………。
 《魔力量》を減らす為に、体内にある《魔力発生装置?》の出力を無理やり減らすという無茶苦茶なコトをするので、全身がだるいそうです。

 交わる時に《魔力量》を減らすほどの魔法を使うといのは、別の意味で難しいそうなんです。
 《魔力量》が元々多いのでかなりの魔法を使うとなると、それだけでも負担になってしまうという………。

 《魔力量》の多い男達は、そんな苦労をしたいと思える恋人(番)に出会わない限り結婚も交際もしないそうです。
 勿論、政略結婚なんてもってのほかだそうです。

 アラン様の父でもある皇帝陛下は、魔族にアラン様を誘拐(さら)われたり殺されたく無いという一心で、属国から妾妃を何人も娶って、あのキラキラ皇子達を作ったと言っていましたね。
 その為なら《魔力降下剤》を飲む苦しさも耐えられたと………。

 最愛の女性(番)が残した唯一の子供アラン様を守りたいという一心で………。
 切なく美しい恋物語と親が子を思う愛情物語に、生臭くて残酷な真実が混じっていますよね。

 妾妃とその人達が産んだ皇子達には、一切の愛情は無い様に見えました。
 アラン様の身代わりと、それを産む為だけの存在。

 その代わりに贅沢というかある程度の浪費を許しているって感じがしましたね。
 私もアラン様に愛されなかったら、単なる子供を産む道具にされていたかも知れませんね。








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