召喚されたのに、スルーされた私

召喚されちゃいました

３１９★独り言がとまりません

　こっちの常識が無い私には色々と理解不能です。

　色々と考えていた私は、ご飯や料理が冷めない様にアラン様が魔法を掛けてくれたコトに気が付きませんでした（私の馬鹿）。

　「確かに、教育された貴族を島流しにするのは、
　　税金や経費、人材の無駄使いですね

　　今後、島流しという方法は止める様に提案します
　　静香の提案通りに、文官や武官、教師にしましょう

　　それと、辺境の砦を守る騎士や兵士達への褒美として
　　隷属魔法と認識阻害魔法と

　　一定の事柄に無言でいる魔法を掛けた
　　罪人の貴族女性達を送りましょう

　　隷属魔法がかかった者達は、生殖能力は有っても
　　繁殖能力はありません

　　それと、家族である父や兄弟や夫が罪を犯した場合は、
　　静香の予想通り一蓮托生になっています

　　それは、犯罪を犯した家族の恩恵を受けていたからです
　　また、罪を軽減しても貴族女性達は生きていけません

　　働くコトが出来ないんです
　　犯罪者の家族を雇う者なんていないんですよ

　　犯罪を犯した者達と親しいと思われたく無いから………
　　ついでに、被害者からの恨みを受ける可能性が多々ありますからね

　　誰だってリスクの高い人間を雇ったりしませんよ
　　それと同じ様に、貴族に仕えていた者達も雇われません」

　アラン様、私は、そんなに独り言を言っていたんですね(恥)。
　生殖能力ってエッチは出来るけど、子供は出来ないってコトですよね（ぽっ）。

　まぁ～奴隷に子供を産ませるってコトは、確かに問題ですよね。
　その子供も奴隷として扱うか自由民として扱うかっていう、悩ましい問題になりますから…………。

　だから、現状として………最適回答としては、それで良いんでしょうねぇ～………異世界（治安と秩序と女性にもちゃと尊厳や権利が存在する日本）に生まれの私として、理不尽だと思いますけど。

　それが、この世界の理（ことわり）なら何も言えません。
　自分が罪を犯していなくても、家族が犯罪で得たお金で生活していたコトが罪って考え方なんですね。

　まぁ～被害者達からしたら、恨みがありますから………。
　アレですね、坊主憎けりゃ袈裟（＝けさ）まで憎いって………しょうがないんでしょうね。

　ここは、民主主義や人道主義の国では無かったわ。
　絶対王政とか、絶対君主制度のアルファルーラ帝国なんですよね。

　主権は、国民じゃなくて皇帝陛下にあるんでした。
　物事を決めるのは皇帝陛下や皇族、貴族などの階級の人間達。

　その代わりに、重い義務と責任の所在もはっきりしている。
　まぁ《魔力》や《寿命》が、階級によってくっきりはっきりと格差があるんですから仕様が無いですね。

　まぁ～他国からの母親を持つ、はき違えた義務と責任をないがしろにする皇子様達もいますしね。
　その内、義父上（陛下）にものすごぉ～い鉄槌喰らうのは目に見えてますよね………あの時、ものすごぉ～くイイ笑顔してましたから（怖）。

　一般庶民は魔物に対抗する《魔力》が無いから、その《力》がある貴族達や皇族達や陛下達に逆らうなんて論外ですよね。
　う～んここアルファルーラ帝国では、《力》こそ《正義》って思って間違い無いってコトかな？

　でもね、アラン様、私の内心ダダ漏れの独り言を聞かないで欲しいんですけどぉ～………って言っても、絶対に聞く耳は無いんですよね。
　ここは、会話が成立していたから良しとして諦めます。

　「アラン様、貴族女性だったら《魔力量》の問題は無いんですか？」

　私の質問に、アラン様は苦笑しながら答えてくれました。
　
　「隷属魔法を掛けると、《魔力量》がかなり減ってしまうんですよ
　　今までも、魔法使い達と神官達が色々と研究しているんですが

　　どういう理由かは、まったくわかりません
　　ですから、元々の《魔力量》が少なめな女性達ですから

　　ある程度の《魔力降下剤》を飲めば、平民相手でも大丈夫ですよ」

　アラン様、ここまでアレなその内容を、爽やかに説明するのは、如何なものでしょうか？
　結構、残酷なコトを平気でするんですね。

　いや、私も残酷なコトを提案していますから、括弧（カッコ）で括れば同類項（どうるいこう）って感じですけどね。

　でも、反乱とか色々な犯罪に手を染めるってコトは、失敗したらどうなるかって知っていて、それを覚悟の上で実行しているって思えば良いんですよね、ねっアラン様。

　じゃなくってぇ～隷属魔法って、こころを縛る魔法だから、そのストレスで《魔力量》がガッツと減るのでは無いでしょうか？

　ストレスや思い込みって、こころも身体も損ないますからね。
　特に、負の感情を伴うストレスは、かなり心身に負担がくると思うんですけどね。

　なんと言っても、日本にはストレス太りとかストレス痩せって言葉がありますしね。
　勿論、拒食に過食、それに不眠症なんかも付随して………。

　ストレスからの心身疲労で、そこから悪化して鬱病に進み、鬱病からの自殺までありましたもんね。
　
　「静香は、隷属魔法のストレスで奴隷に落とされた者達の《魔力量》が
　　減ったと思っているんですね」